2020.05.29
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医療関係者も保育関係者も

どちらも危険に身を投じて働いてくれています。子どもたちの学習の遅れを取り戻すことも大事ですが、子どもたちのエールで社会を活性化できないでしょうか?

旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

医療従事者や保育関係者への感謝

このコロナの危険が渦巻く状況の中、医療従事者の方々は命の危険にさらされながらも使命感を持って活躍してくれています。感謝してもしきれない思いでいっぱいです。またここで忘れてはならないのが学童・保育園等の保育従事者や施設支援員の方々です。この方々も仕事人を支える仕事であるため、休園等をなるべくせずに、コロナの危険と隣り合わせで仕事にあたってくれており、もっと注目され感謝されるべき存在であります。クラスターの発生で目立ってしまうため、悪い印象がつきがちですが、そうではなく体を張って社会のために尽くしてくれている証拠であります。皆さんにはぜひその点はご理解いただきたいです。

過酷な状況で頑張る卒業生たち

私たちが大事に育てた卒業生の多くが保育や施設で働いています。その様子を聞き想像するたびに、何故ロックダウンしてくれなかったのか、命より優先されるべきものがあるのかと問いたくなります。どこから持ち込まれるかわからないウィルスに防護服で身を守ることもできず、そのウィルスに恐れながらも笑顔で子どもたちや利用者たちに接してくれています。私たちが行ってきた「どんなときでも相手の気持ちになって考えること」「いつも笑顔を絶やさずに接すること」と指導し続けてきたことさえ正しかったのかと考え直したくなることもあります。それでも実践してくれている彼ら、彼女らをみると、医療従事者に匹敵するくらいの感謝を贈りたいです。これは食材や生活必需品等を扱う方々も同じです。私たち教員は休校期間がありました。多分そこまでの危険はなかったはずです。そのために気づけないことがあるのではないでしょうか?

子どもたちのエールが励みに

新学習指導要領では「資質・能力の育成」が求められ「三つの柱」の3番目に「どのように社会・世界と関わり、より良い人生を送るか」が挙げられています。世の中では学習の遅れが言われていますが、この状況だからこそできる教育があるのではないでしょうか?自分視点ではなく、他人視点・社会視点の育成の教育につなげるチャンスでもあると思います。休校期間中の課題として行ってもらえないでしょうか。きっと子どもたちからのエールが励みになり、新学習指導要領の狙い通り、新しい日本社会を作ることにつながると思います。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。

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