担任ができる「吃音のある子」への支援
今回の記事では、担任ができる吃音のある子供達への支援についてまとめました。ちょっとした担任の工夫が、吃音のある子供の大きな支えとなります。もしクラスに吃音のある子がいましたら、ぜひご一読ください。
福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士 髙橋 三郎
吃音のある子供の数は少なくない。
吃音に悩む子供達はたくさんいる。
吃音のある主人公の志乃ちゃんは高校一年生。高校の入学式の前日に、自宅で自分の名前を言う練習を何度も繰り返しするシーンから物語は始まります。吃音の無い人たちにとって、自分の名前を言うことはとても自然で簡単なことです。しかし、志乃ちゃんは入学式の日の自己紹介のために必死です。事実、自分の名前を言えないと悩む吃音のある子供達はたくさんいます。
私が以前担当した子で、七夕の短冊に「吃音が治りますように」と書いた子がいました。また、「なんで私だけ吃音なの?」と大泣きした子もいました。
また、仕事柄、吃音のある成人の方にお会いすることも多いのですが、十代の頃、吃音に悩んでいました、という方や、今も苦労しています、という方によく出会います。その中には、学生時代に不登校を経験された方もいました。
吃音のある子供達は、成長過程の中で、吃音に対するからかいを受けたり、周囲に笑われたり……という経験を数多くします。そういった経験を積み重ねる中で、吃音のある子供達は、他者とのコミュニケーションに不安を感じたり発話すること自体を避けようとしたりするようになります。前述の志乃ちゃんも、クラスメートとのコミュニケーションに苦手意識を持っており、友達が欲しいという強い気持ちがあるにも関わらず、友達の輪の中に入ることができませんでした。
担任ができることは、たくさんある。
(1)からかいが生じない学級環境作りをする。
(2)「どもらなかったこと」を評価するのではなく、「発表の内容」を評価する。
(3)音読は斉読にする。
おわりに ~ことばの教室の連携を~

髙橋 三郎(たかはし さぶろう)
福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士
大学院で博士号を取得し、現在はことばの教室で子供達と向き合う日々を過ごしています。言語障害や発達障害に関する知見や指導方法を様々な先生方と共有できたらと思います。
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