2020.02.05
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

教育支援連携で環境づくり

「上手いなぁ」「すごいやん!」等々、最近あなたは誰かに褒められたり認められたりしたことがありますか?そのような環境にいますか?

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子

2020年教育改革の環境

冬空の下、黄色の「蠟梅」の花が、清々しく優しい香り放ち、早春の訪れを感じさせます。庭には2本の蠟梅の木があり、同じ時期に挿木をして育てたものですが、10年経った今、2本の木の背丈は2倍ほど違います。おそらく、日の当たり方や土の様子が違ったためで、同じ植物でも、環境によって育ちに特徴が現れることを感じます。

2020年がスタートし約1か月が経ちました。2020年の教育改革は、1979年の共通一次試験導入以来、42年ぶりの教育大改革と言われています。2020年教育改革では、新たな学力の基準として、これまでの「知識・技能」に加え、その知識と技能をどのように使うかという「思考力・判断力・表現力」、さらにその課題に対し、どのように取り組むかという「主体性・多様性・協働性」、これらの3つを新たな学力判断基準として評価が行われます。

子供達が社会に出たとき、変化と選択肢があふれる世界で直面するのは「答えのない問題」ばかりです。これまでは、テストで良い点を取るような覚えた知識・技能をいかに早く正確に回答するかという能力が重視される仕組みになっていました。しかし2020年教育改革では、覚えた知識や技能をもとに、ICT等の道具を利活用しながら、自分の頭で考え、自ら表現し、自己の資質を見出し、それらを社会で発揮する力を身につけるための教育へと変わろうとしています。

私達は今日から何ができるのか?

「社会福祉の父」と呼ばれた糸賀一雄氏が、『「この子らに世の光を」ではなく、「この子らを世の光に」』という言葉を残したのは半世紀も前のことですが、これからの時代は、障害の有無にかかわらず、子供一人一人が特性を活かし社会に発信して開花する時代だと感じています。「特別支援教育とは、子供達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えているのもそのためです。

とは言っても、目の前の子供の特性は何なのか、その特性をどう活かし社会に発信していけばよいのかについては、そう簡単にできることではありませんよね。では私達はどうすればよいのか?今日から何ができるのでしょうか?

「良いところ探し」の積み重ね

まず私達ができることとして考えられるのは、毎日の生活や学習の中で、子供の頑張りや素晴らしさを意識して発見すること、子供の「良いところ探し」を継続し蓄積していくことだと考えます。

その方法の一つとして『デジタル連絡帳アプリ』の利活用は実に効果があります。私達ができる、子供の「良いところ探し」の積み重ねが、子供の特性を見出し、社会で発揮できる力へと繋げる教育支援の一つではないかと考えています。

「先生はうちの子の事、いつも良いように言うけれど……」と言われることがあります。人は誰でも得意なことがあれば苦手なこともあります。また同じ言動でも、良いように捉える人もいれば、真逆に捉える人もいます。子供の言動について、良いように捉えられることは、良いように捉えればよいのです。

「そんなに毎日、良いところなんて見つけられないわ」意識さえすれば、子供の良いところは必ず発見できます。継続すれば習慣となり、子供を見る目が変わり、環境が変わっていきます。

このように「良いところ探し」を継続して行うことで、子供は一番身近にいる人に認められていると感じ、自信を持ち、自己肯定感を高め、自分の頭で考え、自ら表現するようになり、自己の資質を見出し、それらを社会で発揮する力を身につけていくことでしょう。

教育支援連携で「良いところ探し」の環境づくりを!

次のような素敵なエピソードがありました。『デジタル連絡帳アプリ』からです。


“先日家族で、いつものように車でお出かけをした際、青信号で発信した時に、我が子がこんなことを言うのです。
「お母さん、アクセル踏むの上手いなぁ」
もちろん、家族皆で大笑いでした。”

「良いところ探し」は、親から子供へ、教師から子供へ、そして子供から親や教師、社会へと繋がり、環境を作っていきます。環境によって子供も大人も育ちます。

教育支援連携で「良いところ探し」の環境づくりをしていきたいですね。
さぁ今日も、明るく!強く!楽しく!一緒に教育支援連携をしていきましょう!(^^)!

参考資料

中川 宣子(なかがわ のりこ)

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!

同じテーマの執筆者
  • 樋口 万太郎

    京都教育大学付属桃山小学校

  • 石丸 貴史

    福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任

  • 綿引 清勝

    東京都立南花畑特別支援学校 主任教諭・臨床発達心理士・自閉症スペクトラム支援士(standard)

  • 岩本 昌明

    富山県立富山視覚総合支援学校 教諭

  • 郡司 竜平

    北海道札幌養護学校 教諭

  • 増田 謙太郎

    東京学芸大学教職大学院 准教授

  • 植竹 安彦

    東京都立城北特別支援学校 教諭・臨床発達心理士

  • 川上 康則

    東京都立港特別支援学校 教諭

  • 藤田 孝介

    横浜市立入船小学校 教諭

  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

  • 大吉 慎太郎

    大阪市立放出小学校 教諭

  • 髙橋 三郎

    福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士

  • 清水 智

    H31 小谷村立小谷小学校講師 地球温暖化防止コーディネーター
    R2 大町市立南小学校講師・池田町教育支援講師・地球温暖化防止コーディネーター

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop