デジタル活用の教育支援連携で「子供達の素晴らしさ」を「見える化」しよう!
2020年、ICTを利活用して「子供達の素晴らしさ」を「見える化」し、明るく強く楽しい年にしましょう!
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子
GIGAスクール構想
2020年は、デジタルの波がようやく教育界に押し寄せます。ワクワクしますね!
それは、2019年12月13 日に閣議決定された令和元年度補正予算案において、児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が盛り込まれ、続けて12月19日文部科学大臣からのメッセージと共に「GIGA (= Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」が発表され、学校の情報環境が一気に前進するからです。
これまで【『デジタル連絡帳』による教育支援連携】を実践する中で、「連絡帳をデジタルだなんて!」「やっぱり紙が一番でしょう」「クラウドなんて無理」等、多くの苦戦をしてきた過程が笑い話となり、これらが当たり前の次のステージへ前進!と考えるだけでワクワクします。
『子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育 ICT環境の実現に向けて 』という先のメッセージにもあるように、まさに、Society5.0時代に生きる子供達の自立と社会参画を新たに考える2020年が始まりました。
『デジタル連絡帳』と『学習特性アプリ』
それでは、次のステージとなる2020年では、何を考え、どのような教育支援連携の実践をしていけばよいのでしょうか?色々な実践が考えられますが、ここではその一つを提案したいと思います。私達は教育実践者です。日々子供達と接しています。その中で一番に感じることは、何でしょうか?
その一つは、「子供達の素晴らしさ」ではないでしょうか。冬休みが明けると、学校内に子供達の声が響き、一日があっという間に過ぎます。「やっぱり学校は子供達のためにあるなぁ」と、当たり前のことをあらためて実感します。
子供達の学習活動に対する一所懸命な姿、思いがけない優しい仕草や言葉、屈託のない明るい笑顔、持てる力で試行錯誤している姿、日々成長の姿……と、「子供達の素晴らしさ」を感じない日はありません。放課後、同僚と「○○ちゃん、すごかったねぇ」「△△くん、今日頑張ってたよねー」と授業の様子を振り返ったり、『デジタル連絡帳』を通じて同僚や保護者の方と一緒に「◇◇さん、えらいなぁ。立派です」「□□さんの成長を感じますよねー」と情報を共有したり、子供の成長の姿を互いに共感し合える時間は、至福の時です。
このように子供達のそばで、「子供達の素晴らしさ」を感じている私達ですが、しかしその多くは、実は暗黙知で、経験や勘に基づく知識に留まり、それぞれがこれを言葉にしていない状態でもっていることが多いものです。
「子供達の素晴らしさ」を、もっと「見える化」し、互いに共有して、教育支援連携できないか?障がいの有無や困りごとを、マイナスに捉えるのではなくて、日々子供達に接しているからこそ実感する「子供達の素晴らしさ」に焦点を当て、これを活かすことができないか?
このようなことを考えた時に、ICTを利活用することで、「子供達の素晴らしさ」を「見える化」する具体的な提案が、以下の2つのアプリ『デジタル連絡帳』と『学習特性アプリ』の利活用による教育支援連携です。
『デジタル連絡帳』は、先生達や保護者が、日々の学習や生活の中で子供の良いところを発見し「見える化」するアプリです。『学習特性アプリ』は、日々の学習の中での成長の気づきを、学習指導要領に基づく指標に照らしてデータ化し、子供の学習特性を「見える化」するアプリです。
これら2つのアプリを利活用することで、「子供達の素晴らしさ」は「見える化」し、次のような効果があります。
〇暗黙知となっていた「子供達の素晴らしさ」が形式知化して、互いに伝わり、共有できるようになります。
〇「子供達の素晴らしさ」が「見える」だけではなく、フィードバックができ、教育的活動としてアクションするまでを意識するようになります。
〇子供達は日々変化し、成長していきます。その変化や成長を日々捉えていくことができるので、「子供達の素晴らしさ」を認識し続けることができます。
〇子供達の成長を教育支援するために実践している様々な教育的活動が有効かどうかを評価できるようになり、有効なものは継続することができます。
『デジタル連絡帳』と『学習特性アプリ』は、学校・教師・保護者が繋がり、チームとして協働作用を誘発し、子供達の行動変容を起こす教育的活動のための「教育支援連携ツール」です。これにより、「子供達の素晴らしさ」が1つでも2つでも多く発見でき、それらを発信、共有することで子供達への理解を広め、子供達の自立と社会参画に役立つことができると考えています。
2020年、子供達が健やかに穏やかにしあわせに過ごせますように、デジタル活用の教育支援連携で「子供達の素晴らしさ」を「見える化」してみましょう!
今日も明るく強く楽しく(*^-^*)
中川 宣子(なかがわ のりこ)
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!
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