2019.12.26
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大学生、道徳授業で小学生と出会う!

札幌大学地域共創学群日本語・日本文化専攻 教授 荒木 奈美

近隣の小学校で、私のゼミの学生が道徳授業の実践をさせていただきました。
昨年度に続けて2回目です。
昨年は「自分を知る」をテーマに、一人ひとり色も形も異なるフェルトボールを作り、みんなでクリスマスツリーを完成。
「個性の違うみんなが集まって一つの素敵な作品が出来上がる、それがクラスというものだよ」というメッセージを込めました。

今年は、SDGsの目標の一つである「ジェンダー平等」を念頭に、「男らしさ」とか「女らしさ」とか、そういう社会が作った常識を超えて自由に好きなファッションを表現しようという取り組みとなりました。小学校の道徳授業としてはおそらくかなり斬新な新しい試みだったのではないでしょうか。

ハギレを使って自由な発想で次々と新しいファッションを提案している小学生に、学生たちは「俺たちより頭が柔らかくてすごい」と感心することしきり。出来上がった作品をクラスごとに模造紙に自由に並べてもらったのですが、あるクラスは「みんな手を繋ごう」と言って、みごとに時間内に一つにまとめていました。
自分の好きを服装で表現するということで、今回大学生たちにはあえて「髪は黒色」とか「ピアスは外せ」とか、そういう「常識」を強いることはしませんでした。

私にとってはかなりの冒険でしたが、小学校の先生方にも理解していただけて、なんといっても小学生は大学生としっかり内面で接してくれていることを実感として確認して、頭が固くて古い考えに縛られていたのは私だったのかもしれないなーと反省することしきりでした。

世の中はそのようにして日々変化し続けているのですね!

さて、来年は何をしようかなー♪

荒木 奈美(あらき なみ)

札幌大学地域共創学群日本語・日本文化専攻 教授
高校で12年間、大学で8年半、たくさんの高校生や大学生と主に文学作品を通じて関わってきました。自分の好きな漫画やアニメやゲーム、アーティストについて語るとき、彼らは本当に顔を輝かせて熱心に語ってくれます。自分の「好き」を極めたいと思うことは学びの原点。高校生や大学生の「学ぶ意欲」を引き出すために私たち教師ができることは何だろう。「主体的に学ぶ」学習者を育てるための教育のあり方について、今日も実践を通じて、探究を続けています。

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