2019.12.23
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『良いところ探し』の教育支援連携

子供の『良いところ探し』をしていますか? 2019年、あなたは子供の良いところを幾つ探すことができましたか?

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子

『良いところ探し』に繋がった「デジタル連絡帳」

これまで、「デジタル連絡帳」を活用した教育支援連携の実践から、数々のエピソードを紹介してきました。

子供達の日々の家庭、学校、地域の生活の中に、私達は子供達の成長や発達を捉えて、互いに情報共有する事で、共に感動し合い、子供達の良いところを次々に発見し蓄積してきました。

これは紙の連絡帳ではなかなか得られなかったことで、「デジタル連絡帳」に写真・動画機能のあることが、一つの大きな効果であると考えています一日僅か一枚の写真を撮るだけなのですが、これが子供の『良いところ探し』と繋がっているのです。

実際に「デジタル連絡帳:家庭通信」には、子供が楽しんだ場面、頑張っている場面、好きな事をしている場面、家族で楽しんだ場面、子供の可愛らしい場面が多く記録されていました。また「デジタル連絡帳:学校通信」には、学習している場面、活躍している場面、一緒に活動して楽しかった場面が記録のほとんどでした。実はこの現象はFacebookや Instagramにも見られます。ほとんどの記事が自分のお気に入りを発信していますよね。

「デジタル連絡帳」は単なる連絡ツールとしてだけではなく、子供に関して、教師や保護者が感じたお気に入りを発信するツール、つまり「デジタル連絡帳」を活用するだけで自然と、毎日の生活の中での子供の『良いところ探し』に繋がっていたのです。

【自己肯定感】が育つ教育支援連携を

なぜ子供の『良いところ探し』が教育支援連携に必要なのでしょうか。私は小学部を担当していますが、初等教育では、子供が「自分はこれでいいんだ!」と思える【自己肯定感】を育てることが大切な事の一つだと考えています。

とかく特別支援教育では、子供の出来なさに目を向けて、苦手なこと、弱点を克服する事を課題として力を入れがちです。例えば、目の前の特有の行動を問題行動と捉えて、軽減したり消去したりすることがあります。しかしその行動をなくすことよりも、なぜそうした行動をするのかを理解しようとすることが大切だと思います。

もちろん最低限の基本はありますが、それ以上はできないことに時間を使うよりも、できることを伸ばした方が学習効果も高いですし、本人の自尊心にもいい影響を与えるはずです。すべてを完璧にできる人なんていません。

弱点はあっても、得意なこともあって、これが私でOK、と思えることの方が、幸せな大人に育つためには大切だと思うのです。ありのままの自分を受け入れられる人が、他者を尊重できるはずです。

教師や保護者の役割は、子供に色々な活動をさせる中で、それぞれの子供の得意なことや好きなことを見つけて自信を持たせるとともに、「先生や親が言うから」ではなく、内的なモチベーションによって、その先の教育で学び続けたいと思えることを一緒に探すことではないでしょうか。だからこそ、私達は子供の『良いところ探し』をする……これが教育支援連携の一つの方法だと考えます。

『良いところ探し』の教育支援連携を!

「よく頑張ったね」「すごいやん!」「面白いなぁ」「えらかったねー」「大丈夫、大丈夫」「助かったわー、有難う」

こんな言葉をかけられたら、子供達はエヘンとばかり胸を張るかもしれません。ちょっと照れくさい表情をするかもしれません。間違いなく自尊心を高め、自己肯定感が育ちます。

子供達の持つ力が最大限に発揮され、自立と社会参画ができるように、私達のできる教育支援連携の一つとして、子供の『良いところ探し』を続けたいですね。

2019年、あなたは子供の良いところを幾つ探すことができましたか?そして迎える2020年も、子供の『良いところ探し』を一緒に続けていきましょう。

明るく強く楽しく教育支援連携を(^-^)!

中川 宣子(なかがわ のりこ)

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!

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