2019.11.28
先生もTake it easy!
何事にも一生懸命に取り組むことは重要ですが、それによって自分を追い込んでしまったり、それがきっかけで逆にモチベーションが保てなかったりするのは好ましくないと思います。私も40歳を目前にして、教員になりたての頃を思い出すと、突っ走っていたかな~とか、全部自分で抱えてしまっていたかな~などと感じることがあります。
前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭 山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路
自分のせいだと感じますか?
自分の担任しているクラスや生徒について、他の先生から「宿題が出ていない」「集中していない」といった話を聞いたら、どのように感じますか?
若い頃の自分を思い出すと、自分に言われているような気がして、とにかく自分が何か動かなくては!と考えていました。話のあった生徒を呼んで指導し、それでも変化がなくて再び同じような話が出てくると、自分を責めていた気がします。生徒にしたら、また聞きした内容で指導されるというのは気分の良いものではありませんので、そこでの信頼関係に悪影響が出る場合もあると思います。その場で指導されるならともかく、後になってから「あなた、〇〇先生の授業で態度悪いらしいね」などと、別の先生から言われるのは嫌ですよね?
このように、他の先生方からの声を、若い頃は担任へのプレッシャーのように受け取っていたわけですが、歳を重ねるにつれ、「あ!これは情報提供してくれているのか!」と気づけるようになりました。ある生徒が授業に集中できていないという情報から、何かトラブルや体調不良などのサインが見えてくるかもしれません。他の先生方は、その場その場で様々な指導をしてくれているわけですから、そこに追い打ちをかけるように担任から指導してほしいわけでないということです。逆に、他の先生から指導を受けたのであれば、担任としてはフォローに回る必要があるかもしれません。それを、「他の先生からクレームを受けたから、担任としてキッチリ指導しなければ!」と息巻いたのでは、逆効果になる恐れがあります。
若い頃の自分を思い出すと、自分に言われているような気がして、とにかく自分が何か動かなくては!と考えていました。話のあった生徒を呼んで指導し、それでも変化がなくて再び同じような話が出てくると、自分を責めていた気がします。生徒にしたら、また聞きした内容で指導されるというのは気分の良いものではありませんので、そこでの信頼関係に悪影響が出る場合もあると思います。その場で指導されるならともかく、後になってから「あなた、〇〇先生の授業で態度悪いらしいね」などと、別の先生から言われるのは嫌ですよね?
このように、他の先生方からの声を、若い頃は担任へのプレッシャーのように受け取っていたわけですが、歳を重ねるにつれ、「あ!これは情報提供してくれているのか!」と気づけるようになりました。ある生徒が授業に集中できていないという情報から、何かトラブルや体調不良などのサインが見えてくるかもしれません。他の先生方は、その場その場で様々な指導をしてくれているわけですから、そこに追い打ちをかけるように担任から指導してほしいわけでないということです。逆に、他の先生から指導を受けたのであれば、担任としてはフォローに回る必要があるかもしれません。それを、「他の先生からクレームを受けたから、担任としてキッチリ指導しなければ!」と息巻いたのでは、逆効果になる恐れがあります。
困っているのは誰?
大人にとって「困った子」は「困っている子」であり、サポートのあり方について話を聞くことがあります。それとまた別のタイプになるかもしれませんが、「困った子」=「大人が困ってしまう子」になっていませんか?つまり、本人は特に困っておらず普通に生活しているのに、周囲の大人が「困った、困った」「このままだと将来絶対に苦労する」と苛立ってしまう状況です。この状況で最も危険なのが、本人の考えや思いが置き去りにされ、周囲の大人が勝手にアプローチやサポート方法を考え、次から次へと押し付けてしまうことだと思います。本人としてもなぜサポートされているのか分かりませんし、効果も上がらず、大人は空回りして疲れ果ててしまいます。
そんなときにベテランの先生から何度も聞いた言葉が「本人の困り感を大切に」ということです。そこがない状態で、周囲が勝手に「困っているはずだ」「将来困るに決まっている」と言っても、全然効果は上がらないということです。例えば、宿題が出せない生徒に対して、とにかく出させようとガミガミ怒鳴ったり、居残りさせたりしても、一時的な解決にしかならず、次回からは再び出せないということになってしまいます。遠回りかもしれませんが、その宿題がいかに有用なのか?宿題を出すという行動が将来にどう繋がるのか?といったところを丁寧に話すことも必要だと思います。
ということで、今回は、私自身が若い頃に困ったり悩んだりしたことで、年数がたった今思えば、ちょっと周囲が見えていなかったかな~などと考えたことを書いてみました。もちろん、この記事の考え方は一つの見方ですので、これが正解ではありません。でも、同じような状況で悩んでいる若い先生がいたら、ぜひ参考にしてほしいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そんなときにベテランの先生から何度も聞いた言葉が「本人の困り感を大切に」ということです。そこがない状態で、周囲が勝手に「困っているはずだ」「将来困るに決まっている」と言っても、全然効果は上がらないということです。例えば、宿題が出せない生徒に対して、とにかく出させようとガミガミ怒鳴ったり、居残りさせたりしても、一時的な解決にしかならず、次回からは再び出せないということになってしまいます。遠回りかもしれませんが、その宿題がいかに有用なのか?宿題を出すという行動が将来にどう繋がるのか?といったところを丁寧に話すことも必要だと思います。
ということで、今回は、私自身が若い頃に困ったり悩んだりしたことで、年数がたった今思えば、ちょっと周囲が見えていなかったかな~などと考えたことを書いてみました。もちろん、この記事の考え方は一つの見方ですので、これが正解ではありません。でも、同じような状況で悩んでいる若い先生がいたら、ぜひ参考にしてほしいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
高橋 英路(たかはし ひでみち)
前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭
クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。
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