2019.08.30
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202X年の教育支援連携

202X年の教育現場は?

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子

「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」

http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1411332.htm

図1 202X年未来のイメージ(文部科学省最終まとめより)

令和元年625日、文部科学省から「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」という報告書が発表されました。ここでは、新時代に求められる教育の在り方や、教育現場でICT環境を基盤とした先端技術や教育ビッグデータを活用する意義と課題について整理されるとともに、今後の取組方策がまとめられています。
ここでキーワードとなっているのは、「先端技術活用推進方策」の前提となっている「Society5.0」。
Society5.0」とは、政府の第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱された、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のことです。

202X年 未来のイメージ・スナップショット

上記報告書の【概要】の中には、「ICT環境を基盤とした先端技術・教育ビッグデータが活用される教育現場~202X年未来のイメージ・スナップショット~」が示されました(図1)。202X年っていつでしょうね。
ここに示された未来の教育現場は、子供の学習の状況等が一覧でき、遠隔で議論しながら教材を作成できます。またVRゴーグルで疑似体験できる授業や欠席しても動画で学校の様子がわかるようになっています。更に、学校ごとのデータはリアルタイムに参照でき、遠隔研修が受講でき、様々なデータを公共の財産としてデータ活用できます・・・・と、どれも子供達を教育支援するために、先端技術や教育ビッグデータを有効に活用している未来の教育現場が描かれています。イメージするだけでワクワクしてきませんか?

具体的な一方法として「デジタル連絡帳」

202X年未来の教育現場をワクワクしながら思い描き、しかしふと考えてみると、VRゴーグル、遠隔での議論、授業動画の配信・・・・・と、これらの一つ一つの技術は、2019年の今、すでに世の中では実在していることばかりです。例えばその具体例の一つとして、私達が実践している教育支援連携「デジタル連絡帳」を挙げることができます。
図1の③保護者の視点には、「学校での子供の様子(音声・動画)や連絡事項をリアルタイムで確認、学校への連絡も容易に」とあり、これは「デジタル連絡帳」そのものではないですか!
実際に「デジタル連絡帳」を活用した効果は明らかです。子供の学習を可視化、学校学習・家庭習の情報を共有、学習情報を一元管理して蓄積、子供の興味関心の広がり、子供のコミュニケーション力の向上、子供自らが参加し学ぶ意欲の育成、家族支援の深まり、災害時の対応、教育支援連携の強化・・・と、子供達の学習、成長・発達に効果的であることが明らかになっています。

202X年も教育支援連携

報告書「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」には次のような一文があります。「もはや学校の ICT 環境は、その導入が学習に効果的であるかどうかを議論する段階ではなく、鉛筆やノート等の文房具と同様に教育現場において不可欠なものとなっていることを強く認識する必要がある」と。もしまだ「ICT環境導入の効果を見てから・・・・」と言って導入や活用を躊躇している人がいるとしたら、未来を担う子どもたちの「202X年」を、一緒に本気で考えてみませんか。

さぁ、夏休みが終わり、新学期です。
子供達の自立と社会参画を目指し、子供一人一人にとって最適な学びの実現のために、先端技術や教育データも効果的に活用した教育支援連携を、一緒に進めていきましょう!202X年も明るく強く楽しく教育支援連携を!

中川 宣子(なかがわ のりこ)

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!

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