2019.06.25
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授業の導入って?

日本全体が梅雨に入り、なかなか外での活動ができない日が続いています。夏休みまではもう少し登校日があり、そこまで何とか乗り切りたいものです。
さて、授業の導入は、どんな目的で、どのように行っていますか?先日、知り合いの先生とそんな話になりました。展開部分がどんなに素晴らしくても、導入がうまくいかないと、思ったような効果が出ないことも多々あります。今回は、そんな授業の導入部分の種類や目的について、記事を書いてみました。

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭  山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路

導入のパターン

例えば、授業の導入として、どんなパターンが考えられるでしょうか。
(1)発問
 これが1番手軽であり、1番多いかもしれません。あまり意識していなくとも、授業冒頭に何らかの問いを投げかけている先生は多いのではないでしょうか。
 ①簡易な発問
 (例)「ヨーロッパといえば?」「〇〇でできているものは?」など
  オープンクエスチョン(生徒が自由に考えて回答できる質問)ではあるが、簡易で答えがたくさん出てくる発問は導入として使いやすいと思います。回答が多数あるため、他の生徒との意見交換にも効果があります。

 ②学習を通して解決していく発問
 (例)「〇〇は人々の生活にどのような影響を与えたのだろう?」など
  オープンクエスチョンでさらに難易度が高いものは、本時の学習を通して解決していくことになります。こういった発問を授業冒頭に投げかけ、授業前後での自身の回答の変化を見せることも良いと思います。ただ、他の生徒と協働してとなると、安心・安全の場が確立していない初期の集団に対して、この種の発問をいきなり投げてしまうと、結果として話し合いは盛り上がらず、価値観の共有も起こらない可能性もあるので注意が必要です。

 ③複数の発問で本題に入っていく
 (例)「(地図を提示して)この国は?」A〇〇、B××、C△△、D◇◇
    「(写真を提示して)この国の大統領は?」
    「この国の国旗はどれ?」
  といった具合に、未習でも答えやすいクローズドクエスチョン(「はい」「いいえ」など、回答に制限がある質問)を組み合わせて、展開部分へとつないでいくこともできると思います。クローズドクエスチョンは答えやすく、意思表示も挙手などで全員参加が可能なので、学習集団の安心・安全の場の確立度合いに関わらず実施しやすいと思います。

(2)ミニゲーム
 前時の復習や本時で必要な予備知識の確認がてら、次のようなミニゲームを取り入れることもあるでしょう。
 ①代表生徒が前に出て、その生徒に見えないよう黒板に用語を書く。代表生徒は他の生徒に質問しながら、板書された用語を類推する。

 ②ボールなどを回しながらテーマに沿った用語などを答えていく。答えられなかった生徒は失格となり、最後まで残った生徒が勝ち。
 といった具合で、集団づくりも兼ね、こうしたミニゲームを取り入れている授業も多いと思います。

(3)実物や映像の提示
 ①実物の提示・・・学習単元で出てくる実物教材を見せる。外国製品や資源など。

 ②映像の提示・・・1枚の写真を見てグループで意見をシェア(フォトランゲージ)など。

(4)小テスト
 前時の復習や本時の前提となる知識を確認。

導入の目的

前述のように、多様な導入の方法があるわけですが、それぞれどんな目的で行っているでしょう?目的なく、何となく…ではもったいないと思います。なぜこのような学習活動を行うのか、その目的を意識して授業を行うことは非常に重要だと思います。

(1)興味・関心をひく
 これは結構多いと思います。難しい内容になればなるほど、なかなか興味を持てない生徒もいるのも事実です。そこで、できるだけ興味を持ちやすい題材から授業を始め、「お!」と思わせて興味をひくところから授業をスタートするのは有効だと思います。ただ、毎回それをやって飽きてしまったり、導入と展開部分の難易差がありすぎて導入部分しか興味を持たれなかったりという可能性もあります。

(2)レディネスを測る
  本時の学習活動に対する予備知識を測る効果もあると思います。授業者は当然知っていると考えていた事柄が、大半の生徒にとっては未習ということだってあり得ます。ちなみに小テストをする場合は、予備知識を測るだけでなく、あまり落ち着かない集団であっても、とりあえず小テストに取り組ませることで静穏な雰囲気が作り出されます。その後に全員にしっかり聞いてほしいといった場面では、導入部分で活動的なことをやるよりも有効かもしれません。
  また、予備知識だけでなく授業を受ける生徒たちの精神状態を把握することも導入の大切な役割の一つだと思います。例えば、導入で投げかけた「はい」「いいえ」で答えられるような簡易な問いに、全く向き合っていない状態で、それ以上の問いを投げかけていくことは果たして有効でしょうか?特に高校生は思春期でもあり、心の状態は日々変化しています。いつもは積極的に発言する生徒が、日によっては落ち込んでいる場合もあります。そういった生徒たちのちょっとした変化を導入部分で見取り、展開部分に生かしていくことも必要だと思います。

(3)準備運動
  座学の授業で準備運動というと違和感がありますが、頭を使って考える場合も準備運動は重要だと思います。例えば、授業の展開部分で数名でのグループワークを考えている場合、そこまで一切の動きがなく一方通行の講義ばかりでは、グループワークのエンジンがかかるまでにだいぶ時間がかかります。そこで、授業の導入部分で、生徒が立ち上がる場面や声を出す場面など、小さな活動を積み上げていくことによって、授業のヤマの部分が盛り上がっていくことになります。

 ということで、授業の導入のパターンやその目的について、思いついたところを書いてみました。これは校種や教科によっても様々なパターンや目的が出てくると思うので、皆さんの導入のあり方もぜひ教えてください。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

高橋 英路(たかはし ひでみち)

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭


クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。

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