家庭訪問から教育支援連携へ
家庭訪問では、ご家族の子供への「これまで」と「これから」の教育支援を伺うことができます。ここからまた教育支援連携が始まります。
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子
「これまで」と「これから」の教育支援
新学期の行事の一つとして、家庭訪問があります。学校から子供と一緒に、電車やバスを乗り継いで、ご家族の待つ駅や家に向かいます。家庭訪問では、幾つか学校から確認するポイントとして、通学路の様子、帰宅後の家での過ごし方、福祉や医療の利用状況、地域の小学校との交流学習について等を挙げることができ、これらのことを見たり聞いたりしながら確認していきます。
しかし実際の家庭訪問の内容は、これらの確認事項だけではありません。子供達の生活の場であり、一番安心できる場所である「家庭」にお邪魔することから、学校の懇談会で伺う話とは違った貴重な話、「これまで」と「これから」の教育支援についての話をご家族から伺うことができます。
家庭訪問から教育支援連携へ
例えば、我が子の誕生の話。初めて立ち歩いた時の話。目が離せなかった頃の話。偏食に困った話。家族が増えた時の話。兄弟姉妹との関わりの話。ペットを飼った話。家族旅行の話。恒例行事に参加した時の話。祖父母や親戚の話。お友達との交流の話。初めて○○できた時の話。これから中学部・高等部に進学することの話。学校卒業後の生活を見据えた話・・・・誕生から今日まで、悩みながら考えながら、我が子と共に歩んできた道、日々の生活の中で実践されたご家族の多くの努力・・・どのお話からも、我が子への深い愛情を強く感じました。ご家族の方が日頃見せてくださる、あの明るい表情や言葉の奥には、我が子を今日まで育ててこられた強さがあることを実感しました。
と同時に、その大事な一人一人の子供達を預かる教育支援者として、また学校教育という役割と責任を強く感じました。
学校と家庭との教育支援連携は、子供達の自立と社会参画を目指します。「平成」から「令和」になっても、その本質は変わりません。
さぁ、一緒に始めましょう!学校でも家庭でも、子供達の自立と社会参画にとってプラスになることはGOです。力を合わせて、知恵を出し合って、明るく強く楽しく、教育支援連携していきましょう!
参考資料

中川 宣子(なかがわ のりこ)
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!
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