2019.04.23
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子どもも、保護者も、幸せに。

年度の始めに保護者に伝えるいくつかのこと

東京都内公立学校教諭 林 真未

今期から加わりました林です。親、家族(子育て)支援者を経て教師になった変わり種です(支援者は今も続けています)。どうぞよろしくお願いします。

保護者の気持ちは……

職員室で先生同士の保護者を評する会話を聞いていると、保護者経験の長い私は、耳が痛いことが多いです。『それってわたしもやっていたな。そんなふうに思われていたんだ』と心の中でヒヤヒヤしたり、反対に『そういうふうに理解されるのはちょっとちがうんだけどなあ』と保護者の代弁をしたい気持ちになったり。

そんな私ですから、4月の保護者会では、保護者経験を生かしつつ、今度は教師の立場で、1年間を通じてお互い共有しておくと効果的なことを伝えています。
良かったら参考にしてください。

保護者に伝えたいこと

  • 子どもは、親に見せる顔、先生に見せる顔、友達に見せる顔 の3つを持っており、それらが全然違う子と、似ている子と、その中間と…、子どもによっていろいろ。

▷ あらかじめこう伝えておくと、学校での様子で、「まさかうちの子が」「家の様子からは信じられない」ということがあっても、「3つの顔があるってこういうことか…」と了解してもらえます。

  • 親が子どもから得られる情報は、学校という大きな空間を小さな曇りガラスの窓から覗いているだけのもの。子どもの話は、自分の見ている範囲(小さな窓)の、しかも本人の主観によるもの(曇りガラス)だから、心配なことは、積極的に教師に確認してほしい。実際、事実を知れば「なんだ、そうだったのか」ということが圧倒的に多い。

▷ 子どもの証言が必ずしも信頼できないことを、全体で共有しておくことで、教師への不信感や、子ども同士のトラブルが親同士のトラブルに発展することなどを防げます。

  • 子どもが教師や友達の悪口を言ったら、「それはひどいね」と同調せずに、「なにか事情があったのかな」など、ポジティブな表現で言い換えてほしい。

▷ 子どもは親の言うことを盲目的に信じる傾向があるので、学級経営上、このような親の協力が不可欠です。

  • どんなに小さなことでも、気になることがあれば、電話でも連絡帳でもかまわないからすぐに知らせてほしい。

▷ このように伝えると、いつでもなにかあったときには相談できるという安心感からか、逆に、不思議と連絡が来ることがありません。

家族(子育て)支援者として

そして最後に、
「『子どもを育てる』という『生物(ヒト)』として一番大切なことをしている人たちがしんどい思いをするのはおかしい!という憤りから、家族(子育て)支援者もしている私なので、子ども同様、保護者のみなさんにも幸せになってほしいし、なにか皆さんのお役に立ちたいといつも願っています!」
と熱弁を振るってしまうのでした。
気恥ずかしいメッセージですが、言葉にしなければ伝わりませんからね(笑)。

イラスト/有田リリコ

林 真未(はやし まみ)

東京都内公立学校教諭
カナダライアソン大学認定ファミリーライフエデュケーター(家族支援職)
特定非営利活動法人手をつなご(子育て支援NPO)理事


家族(子育て)支援者と小学校教員をしています。両方の世界を知る身として、家族は学校を、学校は家族を、もっと理解しあえたらいい、と日々痛感しています。
著書『困ったらここへおいでよ。日常生活支援サポートハウスの奇跡』(東京シューレ出版)
『子どものやる気をどんどん引き出す!低学年担任のためのマジックフレーズ』(明治図書出版)
ブログ「家族支援と子育て支援」:https://flejapan.com/

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