2019.04.08
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年度初め 生徒をよく見る!

この記事を書いているのは平成30年度末、記事が公開される頃には新年度がスタートし、新元号も公表されていると思います。年度の初めはクラス替えや教員の異動、転校、長期休業明けの不安など、生徒の心境に影響を与えることがたくさんあります。そんな年度初め、皆さんはどんなことに気をつけていますか?

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭  山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路

生徒にとって年度初めはどんな時期?

私たち教員にとっては、新しい生徒との出会い、春休みでリフレッシュ!とか、プラスの要素が大きいかもしれません。しかし、生徒にとっては必ずしも良いこと尽くしとは言い切れず、様々な不安や動揺が出てくることもあります。

(1)長期休業中の生活とのギャップ
 年度初めに限りませんが、長期休業中は自由な時間も多く、ゆったり過ごすことができます。私たち大人も切り替えは大変ですが、生徒にとってはそれ以上の大変さが伴う場合があります。休み中に生活リズムが乱れ、朝起きられない、早起きしたら体調不良、ゲームがやめられない、学校に行く意味を見失った…など、様々な弊害が出ることもあります。

(2)人間関係の変化
 クラス替えや先生の異動、友達や自分の転校など、年度の変わり目で周囲の人間関係が大きく変化する場合も多いものです。常に新たな出会いを楽しめる人は良いでしょうが、人見知りしがちな生徒にとって、1年間かけて少しずつ慣れてきた人間関係がリセットされるとなれば、憂鬱な気持ちになるかもしれません。

(3)行動範囲の変化
 小学校から中学校、中学校から高校と進学するにつれ、行動範囲は広くなります。3月まで中学生だった生徒が4月から高校に通うとなれば、初めての電車通学、馴染みのない町の通学、通学時間の増加など、学校生活そのものでなくとも、生徒の心境への影響は大きいと思います。ちなみに、これに関しては、地方の公立校の場合であり、都市部で小さい頃から私立校に通っている場合は該当しないかもしれません。

(4)家庭環境の変化
 学校だけでも大きな変化があるわけですが、この時期は家庭環境の変化も生じやすい時期です。親の転勤や引っ越し、兄弟の進学などを機に、家族の生活スタイルが変化し、学校に行ってもバタバタ、家に帰ってもバタバタ・・・と、四六時中落ち着かない環境にいるストレスは大きいと思います。

挙げればキリがありませんが、年度初めの時期は、生徒が非常に不安定になりやすい時期でもあると思います。

生徒と関わる時間を増やす

前述のような不安要素を抱えた生徒たちに、どのように関わったら良いでしょうか?

当然、万能薬はないわけで、私としてはとにかく生徒と関わる時間を増やす努力をすることだと考えています。授業はもちろんですが、始業前や休み時間、放課後など、わずかな時間でも、ほんの些細なことでも良いので話す時間を確保することが大事だと思います。始業前に教室に入ってみたり、一人で物思いにふけっている生徒に話しかけてみたり・・・

よく「気になる生徒に声をかける」といったことを聞きますが、私は「気にならなくても、何も用事がなくても、話してみる」というのもスゴク大事なのではないかと思っています。そうすることで、こちらとしては何も感じていなかったのに、話してみたら実は奥深い問題を抱えていたとか、深刻そうな顔をしていたけど実は食べ過ぎただけだったとか・・・いろんなことが見えてきます。

もちろん、これだけで年度初めの生徒の不安が完全に消えるわけではありませんが、生徒のいない職員室であれこれ想像を膨らませても何の解決にもなりません。生徒が登校している間は、少しでも生徒がいる場所に足を運ぶことが1番大事ではないでしょうか?

ということで、年度初めは会議なども多く、なかなか生徒と関わる時間を確保しにくい時期でもありますが、少しでも近くにいる時間を増やして、ほんのわずかな心の揺れに気づいてあげたいと思います。まとまりのない記事になってしまいましたが、今期もどうぞよろしくお願いします。

高橋 英路(たかはし ひでみち)

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭


クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。

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