2019.02.19
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卒業前にちょっぴり特別な活動を(1)

2月も半ばに差し掛かり、今の学年の終わり、そして新しい学年の始まりが見えてきました。そこで今回は卒業を目前に控えた6年生と学級で行った「ちょっぴり特別な活動」をピックアップしてみたいと思います。

佛教大学大学院博士後期課程1年 篠田 裕文

思い出を「描く」

3学期の参観日、これまでいろいろなことをしてきました。6年生を担任したある年、親子でランドセルを描く時間を設定しました。1時間目に設定したのにも関わらず、多数の保護者の方に参加していただくことができました。ランドセルを保護者と一緒に描く子どもの姿は、いつもと違って見えました。大人と子どもで見え方が違ったり、逆にとても似ていたり。休憩中に親子で、また保護者同士が見合い談笑している様子がとても印象的でした。当日は下書きだけで45分を費やすのでその後色塗りに別の時間を割きました。色塗りといっても基本的には混色をせず、水の加減だけで色を調節するのでそれほど時間はかかりません。終わった子から絵を切り取り、濃い色の台紙に貼り、その上でランドセルに向けたメッセージを白い絵の具で書き込みます。

〇君と出会えたのは運命だったかもしれないね。 君に会えてよかった。

と写真のランドセルの下には書かれています。6年間雨の日も風の日も一緒に通ったランドセルについて考える特別な活動です。

「最後の参観日」を考える

最後の参観日、何をしたらいい?
私は討論をしたらいいと思う。確かに討論はしゃべりすぎていて何をいっているかわからない親もいるだろう。しかし討論がいい。なぜか。
討論では4つの力を親に見せることができる。1つ目は調べる力だ・・・2つ目は話す力だ・・・3つ目は聞く力だ・・・4つ目は反応する力だ・・・
 
これは、2月の参観日の前日に「自学」としてある子が書いてきたものです。2月の参観日に(4時間分の参観が設定されていたので)「最後の参観日に何をするか」について考えるための学活を設定しました。1年間の自分たちの成長を保護者に感じてもらえるための時間にしたい。そのためにグループで話し合うところを公開した形です。

  • 白い黒板
  • 表現読み
  • 発見

等々、学級でしか通用しないような言葉が並びました。この活動の良さは、話し合いの内容がひと月後に具現化されるということです。参観日というと一日限りのイベントのようにも見えますが、このような「特別な活動」にすることで連続性をもたせることができます。自分たちで授業の中身を考え、構成する、そんな特別な活動です。

アイデア料理を楽しむ

6年生の家庭科でたしかお弁当作りに関係する単元があったように記憶しています。せっかくつくるのですがから子どもたちに考える余地を残したいもの。同じ材料を使いながらも調理方法、メニューはグループそれぞれ。グループオリジナル材料も1つに限りOKにしました。ポテトのベーコン巻があったりアスパラのベーコン巻があったり。ある班はちくわの卵とじもありました。ケチャップを持参しケチャップライスに卵をのせオムライスふうにした班も。ほぼ同じ材料を使っていたのに完成したお弁当を見ると一つとして似かよった班はありませんでした。
6つの班がそれぞれ別の作業を同時進行するので指導や支援が大変かと思いきや、そこはしっかりエアクッキングをやっておきました。調理実習の計画がでた段階で、また当日の朝、教室で取り組むエアクッキング。
〇チチチチ ボワッ
とコンロの音も再現するほど細かいエアクッキング。これに合格しないと調理実習に臨むことはできません。
アイデア料理にチャレンジできる特別な活動になっています。

内緒のプログラムで保護者に驚きを

先ほど、最後の参観日の計画の話をしました。最後の参観日にその計画にそった内容を行うのですが、最後の10分ほどサプライズを入れ込みます。この時に「特別な活動」として入れ込んだサプライズは「感謝の黒板」。保護者へのメッセージがびっしりと書き込まれた黒板を一気に見せるのです(写真がその時の黒板です。内容や個人名が特定できなようかなり画質を落としております。見えにくくて申し訳ありません。)。「黒板だと最初から見えているじゃないか?」という疑問が出てきそうですが、この日は黒板の上から大判用紙を貼り、保護者からは見えない状態で授業を進めました。手紙というツールもあると思うのですが、「一気に」「視覚に訴える」形で保護者の方にメッセージを伝えたいと子どもたちと相談してこの「特別な活動」に落ち着きました。この黒板の前で合唱を披露。目にきらりと光るものを見せていた子ども、そして保護者の方の姿もありました。
参観日に短時間で挟み込める、それでいて保護者にも子どもたちにも「いい気分」をもってもらえるそんな特別な活動です。

1年間の学びを感じる。

教室の床全体に広げられたノート。天井まで届いた「ノートタワー」を一枚一枚床に敷き詰めていったのです。高さで実感するのとは一味違った「広さ」による1年間の学びの成果です。この作業は「ノート達成イベント~6時間やっちゃいました~」の中で行ったものです。ノートが天井に達したら6時間ぶっつづけでお楽しみ会をしよう、そのような目標を掲げてこの年はノートタワーを始めました。2学期には天井に達し開催が決定した矢先にインフルエンザによる学級閉鎖。開催も危ぶまれましたが(授業時間の確保が最優先のため)なんとか6時間ぶっ続けで行うことができました。子ども達自身の手で6時間のプログラムを考え・構成すること自体も1年間の学びの成果、成長を感じますが、やはり視覚的な「広さ」は特別です。「すげえ」「おお」と子どもたち驚きとも感激ともとれる声が聞こえてきます。行儀が悪いは承知で、マナー違反は承知でノートの上に座って記念撮影。一生のうちにそうはできない特別な活動になったのではないかと思っています。

脈略のないままに挙げてきました。

脈略のないままに挙げてきましたが、卒業前のちょっぴり特別な活動を紹介してまいりました。もう少しあるのですが、一気に書くと長くなってしまうので今回はこのあたりで。残りはまた次回紹介したいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

篠田 裕文(しのだ ひろふみ)

佛教大学大学院博士後期課程1年
修士課程を修了し博士課程に進学しました。修士時代に学んだこと、学校現場で実践したことを書き綴りたいと思います。

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