教育支援連携でできることを!「反省」のモノサシ
年度末、一年間の教育支援活動を振り返る時、あなたの「反省」のモノサシは何ですか?
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子
2018年度末の「反省」
2018年度末が近づき、学校では一年間の学校行事や授業等についての振り返りや、来年度の内容が検討される時期になりました。
「今年の運動会、暑い中、練習時間が少し長かったよね。もう少し内容を精選して時間短縮しよう」
「交流学習、打ち合わせが十分でなくて、当日混乱したわー」
「学校祭の劇準備、夏休み中にできてよかったね。早いと思ったけれど丁度良かったね」
「ウォータースライダーの題材、今夏も子供たち楽しめたね。シートの点検をしておこう」
どこの学校でも、このような「反省」をしていませんか?
「反省」のモノサシ
4月からの一年間、子供達への教育支援活動はどうであったか?
教師として、また学校として、「反省」する時です。
「反省」とは、「自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること(『デジタル大辞泉(小学館/2018年4月更新版)』)」とあります。
私達の教育支援活動が可であったのか?否であったのか?
そのことを判断する「反省」のモノサシは、子供達の自立と社会参画に貢献したか?否か?ではないでしょうか。
例えば「デジタル連絡帳」についても
例えば「デジタル連絡帳」についても「反省」の一つです。
「今年も保護者さんが、学校の様子がよくわかって面白い、安心できると仰ってました」
「授業でやった小麦粉粘土、写真見ながらお家でもやって楽しめたって事例がありました」
「お家での様子がわかると、学習の手立てのヒントになったよね」
「地震や台風の時、連絡できて役立った」
「学校の様子、言葉だけでは、あそこまで伝わらないわ。写真や動画はがあるから伝えやすい」
「放課後に学校の様子や連絡ができて助かる、子供達がいる間に連絡帳は無理やわ」
「子供達って、友達の家での様子をよく見ていたよね。お手伝いを真似していたこともあったよ」
「毎日、新しい情報があるから興味関心があって、子供達同士が刺激し合えるよね」
「ご家族での様子を見ていると、子供達が愛されているって、よくわかるよね」
「手書きが苦手やから助かる。コピペも使えて時間短縮になっている」
「家で、学校の写真や動画を見ながら、お母さんと子供で毎日話している。随分言葉が増えたらしい」
「ドクターに相談する時、デジタル連絡帳の写真を見てもらうと、参考になると驚いておられました。今後も使えますね」
一方、このような意見も。
「学校はお金がないから、費用が続くかどうか心配」
「セキュリティーが心配。今年は通信障害とかもあったし」
「私はアナログ人間やから、デジタルは苦手やわ。やっぱり紙がいい」
できない理由を探すよりも、できる方法を一緒に考えよう!
どのような教育支援活動をする時にも、メリットとデメリットは必ずあるでしょう。
しかし、その教育支援活動は何のためですか?誰のためですか?
私達の「反省」のモノサシ・・・子供達の自立と社会参画において貢献できるか否かを考えてみませんか?
もし、その教育支援活動が子供達の自立と社会参画に貢献できるのであれば、できない理由を探すよりも、できる方法を考えるべきです。
皆が知恵を出し合えば、必ずできる方法があるはずです。
教育支援連携でできることを!
子供達の自立と社会参画のためには、教育支援連携が必要です。
教師も保護者も学校も・・・子供達に関与する私達が繋がるかどうかを検討するのではなく、繋がっていることを前提に、繋がった先で子供達に何を教育支援するかを検討することに時間をかけたいですね。
さぁ今日も、私達の子供達の自立と社会参画のために、教育支援連携でできることを考えていきましょう!
参考資料
- 「デジタル連絡帳」kintone
- 「デジタル連絡帳を体験!」3月23日(土)13:00~15:00大阪(主催:サイボウズ株式会社)
中川 宣子(なかがわ のりこ)
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!
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