途切れのない学習を教育支援連携で!
2018年年の瀬、子供達にとっては冬休みですね。冬休みはクリスマスに大晦日、お正月・・・と行事が沢山あり、家庭教育のチャンスです!冬休みも子供達にとって途切れのない学習を!そのためにも教育支援連携が鍵です。
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子
「通知表(通信簿)」
学期末と言えば、学校からご家庭に渡す「通知表(通信簿)」。
「通知表(通信簿)」には、どのようなことが書かれていたでしょうか?
特別支援学校の「通知表(通信簿)」は、教科や領域での学習の様子や身辺自立の状況、対人関係や作業態度などについて、詳しく記述している学校が多いようです。
例えば、「係活動では給食の配膳を担い丁寧に配ることができた」「一日の予定を理解して班の友達に伝えることができた」「自分で朝の着替えができるようになった」「友達と一緒に順番を守って遊べるようになった」「買い物学習では計算して支払うことができた」「自分から挨拶ができるようになった」「お箸を使って給食が食べられるようになった」・・・などなど、子供達一人一人が学習し成長・発達を見せた姿が、指導ごとに評価され、ご家庭に伝えられます。
今は文章記述だけの「通知表(通信簿)」の学校が多いですが、ここにも写真や動画が加われば、その時の学習状況がもっとリアルに伝えられ、子供の成長・発達をより理解できるようになるでしょうね。
特別支援学校小学部・中学部学習指導要領「生活」
私達は、子供達の自立と社会参画を目指して、日々教育的活動を行っています。
例えば、『特別支援学校小学部・中学部学習指導要領』(文部科学省 平成29年4月)の第2章各教科、生活の目標には、「具体的な活動や体験を通して,生活に関わる見方・考え方を生かし,自立し生活を豊かにしていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す(第2款 知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校 第1各教科の目標及び内容 〔生活)1目標〕」とあります。
ここでは、生活に必要な習慣や技能を身に付けること、身の回りの生活のことを理解して考えたことを表現すること、生活を豊かにしようとする態度を養うこと等が示され、その内容としては、「ア)基本的生活習慣」「イ)安全」「ウ)日課・予定」「エ)遊び」「オ)人との関わり」「カ)役割」「キ)手伝い・仕事」「ク)金銭の扱い」「ケ)きまり」「コ)社会の仕組みと公共施設」「サ)生命・自然」「シ)ものの仕組みと働き」があります。
あれ?これらの内容って、ご家庭で学習している内容と共通していると思いませんか?
冬休みの過ごし方の中にも「早寝早起きをする(ア基本的生活習慣)」「交通ルールを守る(イ安全)」「お手伝いをする(カ役割)(キ手伝い・仕事)」「家族とお出かけをする(オ人との関わり)(コ社会の仕組みと公共施設)」と、家庭での学習と学校での学習が共通し、繋がっていてこそ、子供達の成長・発達を促進することがわかります。
途切れのない学習を教育支援連携で
以下は、これまでに「デジタル連絡帳アプリ」に届いた保護者の方々からのメッセージです。
「学校で給食の配膳をしていたみたいだし、家での食事の時もお箸並べをさせてみようかしら」「学校では自分でお着替えしているみたいだし、家でも少し様子を見てみよう」「学校で挨拶できるようになったと聞いていましたが、お正月、親戚のおじさんにも上手に挨拶ができました」「お年玉を使って買い物に行った時、自分で支払うことができました」「家でもお箸を使って食事するようにしました」「冬休みはお手伝いをよくしてくれて助かりました」
社会全体で子供の成長を支え、自立と社会参画を実現するためには、学校と家庭との連携・協働により教育活動を充実していくことが大切です。
その為には、日々の教育支援連携がとても重要!
「学校ではできても、家ではなかなかねぇ・・・」というのは、実は、どのような状況で、どのように学習したから、これができるようになった、できた!という、学習の状況が学校と家庭で情報共有できていないことが多いのです。
特別支援教育だからこそ、このような学習情報の共有、つまり子供にとって途切れのない学習が、子供の自立と社会参画の実現に繋がると考えます。
そのため必要なのは、学校と家庭の日々の教育支援連携です。
2019年も自立と社会参画を目指して!
この冬休み、ご家庭で子供の学習がどうも上手くいかないなと困ったときは「デジタル連絡帳アプリ」を見返してみてください。
そこには、これまで子供達が学習した沢山の学習状況と私達の教育支援連携の様子が詰まっており、解決へのヒントが得られることでしょう。
そしてまたこの冬休みにご家庭で「こんなことができました!」についてを「デジタル連絡帳アプリ」に記録してください。
年が明け、新学期が始まった時にはまた、学校と家庭とで冬休み中の子供の成長を情報共有して、新たな学習にチャレンジしていきましょう。
2019年も子供達一人一人がその子らしく、自立と社会参画を目指して歩めるように、子供達の可能性、そしてHAPPYが無限に広がるように、学校も家庭も地域も「つながる」教育支援連携をしていきましょう!
2018年に感謝、そして2019年を楽しみに!(^^)!
中川 宣子(なかがわ のりこ)
京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!
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