「曼陀羅図×計画表」のススメ
新学年、新学期を前にして色々とやりたいことが頭をめぐります。一方でやらなくてはならないものもたくさんあります。頭の中にどんどんイメージが広がっていきますが何かに書き留めるか形に示しておかないと忘れていってしまいます。そこで私が学年はじめや学期はじめにやっていることは曼陀羅図の作成とそれをもとにした計画表の作成です。自分の頭の中が「見える化」され、なおかつ短期・中期・長期にわたって子どもたちにつけたい力、そして自身の教育活動の見通しを明確にすることができます。その曼陀羅図と計画表を今回はご紹介したいと思います。
佛教大学大学院博士後期課程1年 篠田 裕文
曼陀羅図
曼陀羅図は思考ツールとしてビジネスの世界で使われることが多いようです。真ん中に2学期の重点目標を8つに落とし込んだものを記載します。教科書や学習指導要領、学校行事等を見て自分なりの言葉にまとめたものです。
この時は
①基礎学力
②姿勢
③プレゼン力
④読解力
⑤資料活用力
⑥企画・実行力
⑦書く力
⑧対話力
の8つにまとめています。もちろん2学期になって1から作ったものではなく1学期のものに修正を加えたものになります。
そして中心の8つが決まると、その8つを周りのそれぞれの中心に配置し、そしてさらに具体化した文言を記入していきます。基礎学力を取り上げてみると
①対義語トレーニング
②予習・復習自学
③班学
④社会科重要語句プリント
⑤15分は基礎学力タイム・30分で本時の内容
⑥毎日作文
⑦毎日必ず授業で音読
⑧文法事項の復習
と、ここでは教師側が設定する活動を書き込んでいます。別のところでは子どもたちに身につけさせたい力を具体化したものも書いてあります。このあたりのカテゴリの統一性のなさは私の適当さのあらわれです(笑)
計画表
曼陀羅図が完成したら曼陀羅図に書いてあることを予定表にちりばめていきます。作成はA1のホワイトボードを2枚並べて一気に書き上げていきます。
中心に月日と主な行事。左側には主な教科の学習内容、右側には主な学級活動・学校行事を書き込みます。黒字で書いてのは単元名や教材名。青地は曼陀羅図に書いたことをその単元や教材ではどういう活動につながるのか、どういう視点で取り入れたらいいのかそのようなものを書いています。
時系列で並べるので教科の中での縦のつながり同時期の教科の間の横のつながり、そして学期を通した全体の中での位置づけが一目でわかるようになります。
この予定表の作成は勤務日に教室で一気に仕上げてしまいます。あくまでも予定なので予定をつくるのに疲れてしまってはこれから展開される子どもたちとの生活に支障をきたしてしまいます(笑)
最後に
曼陀羅図と予定表は作った後縮小コピーをかけてノートに貼り付けます。ノートが変わるたびに新しいノートへと移動させます。
・いつでもどこでも見られるように
・定期的に振り返ることができるように
この2つをねらってのことです。
新学年・新学期を目の前にして色々なイメージを先生方はもたれます。せっかく思い描くイメージ。ぜひ「見える化」してはいかがでしょうか?
さいごまでお読みいただきありがとうございました。
篠田 裕文(しのだ ひろふみ)
佛教大学大学院博士後期課程1年
修士課程を修了し博士課程に進学しました。修士時代に学んだこと、学校現場で実践したことを書き綴りたいと思います。
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