2018.10.16
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体育科 体つくり運動領域(高学年、縄を使った運動)(1)

先日、体育の公開授業に参加しました。
高学年、体つくり運動領域、体の動きを高める運動の中の巧みさを高める運動の学習でした。
そこでヒントを得たのは、縄の入り方でした。
一般的に、子供たちが楽しんでいる縄を使った運動は、ほとんどが8の字跳びです。
しかし、ここでの授業は、ただ単なる8の字跳びではなく、縄の入り方・跳び方・抜け方を子供たちと一緒に工夫して、縄の特性を楽しむべく協働して考えていく学習でした。
縄1本では、どのような入り方・跳び方・抜け方があるのでしょうか。

大阪市立堀江小学校 主幹教諭   (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) 川村幸久

◆縄の回し方

縄1本の跳び方・入り方の前にまず、確認しておきたいのは縄の回し方です。
回し方は、「向かえ」と「かぶり」の基本的に2種類あります。
かぶりは一般的に普段よく跳んでいる縄の回し方だと思ってください。
向かえは、その逆です。縄が自分の方に前から向かってくるような回し方です。

◆縄の入り方・抜け方(1本)①

では、次に縄の入り方です。

図1.png
これは、一般的にみなさんがイメージする長縄跳びの入り方・抜け方です。
上の画像のような入り方・抜け方を、種類として「たて」と呼んでいます。


図2.png
この入り方・抜け方は「たて2」です。
先ほどの「たて」と似ていますが、抜け方が違います。
図3.png
同じ「たて2」でもこのようなパターンもあります。


図4.png
これは「90度」です。
入る時はこれまでの「たて」「たて2」と同じなのですが、抜ける時には、縄に対して90度に抜けていきます。
図5.png
同じ「90度」でもこのようなパターンもあります。難易度としては、こちらの方が高いかもしれません。

◆縄の入り方・抜け方(1本)②

先ほどの「たて」「たて②」「90度」を少しアレンジした形で、このような入り方・抜け方もあります。

図6.png
これは「横」と呼んでいます。
もちろん、この入り方・抜け方に縄の回し方(向かえ・かぶり)を組み合わせます。
注意しないといけないことは、縄の回し手です。
縄の回し手は、縄に入る子が途中で引っ掛かってしまったら、すぐに縄を手から離さないといけません。
安全面では、ここは必ず押さえないといけないことです。


図1.png
これは「たて・もどり」です。
一度縄の中に入って跳んだ後、入ったところに戻って抜けていくのです。
図2.png


同じ「たて・もどり」でもこのようなパターンもあります。


図3.png
最後にこれは「横・もどり」です。



◆最後に

ここでは、縄の回し方・入り方・抜け方等に注目して、その事例を紹介してきましたが、これはあくまで一例です。
また、ただの手法でしかありません。
体つくり運動領域において、縄を使った運動に取り組む際には、この手法を教え込めばいいのではありません。
子供が授業の中では、自分の今持つ力に応じて、協働的に学び、創意工夫して縄の特性を楽しんで欲しいと思います。
あくまで、先生がこういう入り方もあるということを知っておけば、教材理解の一助になると思うので紹介しました。

次回は、縄2本の回し方についてです。
どうぞよろしくお願いいたします。

川村幸久(かわむら ゆきひさ)

大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)
教師生活15年目。これまでの担任・教務主任の経験、大学院での学びを省察し、学級経営やICT活用、体育科教育を中心に、皆様と情報共有をさせて頂ければと思います。

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