2018.09.28
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的を絞った振り返りを

ちょうど今年度の半分が終わる時期になりました。1年の中間地点まで来たところで、様々な振り返りをする人も多いと思います。学校として年度途中までの反省会議を行ったり、授業アンケートを実施したり、個人的に頭の中で振り返ったり・・・と、形は違えど、何らかの振り返りをしているのではないでしょうか?今回は、振り返りのあり方について、思うところを書いてみました。

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭  山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路

あれも、これもは難しい・・・

「振り返り」という言葉は割と柔らかい(?)印象があるかもしれませんが、「中間評価」とか「中間反省」といった言葉になると、ちょっと構えてしまうかもしれません。しかし、ここで欲張りすぎて、あれもこれも・・・と網羅的に点検・評価し、あらゆる分野について新たな手立てを打ち出そうなどと考えるのは良くないと思います。年度当初に、今年度はここに力を入れよう!と考えていた軸がブレてしまえば、もう少しで芽が出そうな部分までも悪影響を受けてしまいます。

例えば、「主体的・対話的で深い学び」という言葉がありますが、授業者が「本時は『対話的な学び』を中心に構成しています」と言ってるのに、「この授業は果たして、深い学びだった?」などとコメントするケースです。「主体的・対話的で深い学び」については、毎時間の授業にすべてを求めているものではなく、単元のまとまりや年間を通して実現すべきものとされています。

このように、研究授業の事後検討会などで、授業者が指導案に示した意図とは全く違った視点から指摘を受けてしまうことがあります。それはそれでためになるという場合もありますが、せっかくの授業者の工夫に対する評価が行われず、「そこじゃないよ」というところで議論になったら残念ですよね。


こうした授業に限らず、すべての教育活動は短いスパンで効果を求めるべきものではないし、効果が出るものでもないと思います。あれも、これもと詰め込まず、年度当初に重点を置いたところを中心に振り返りをしたいと考えています。

振り返ったら具体策を

的を絞って振り返るためには、絞った部分について具体的な改善策のイメージを持つべきだと思います。「前半やってみてうまくいかなかった・・・」「ここはうまくいったから、次はこんな力をつけたい」とだけ反省しても、具体的な改善策を考えないと、あっという間に時間は流れてしまいます。特に、今の時期は長期休業はなく、むしろ文化祭や大会などの諸行事が続き、何もできないまま冬を迎えてしまう可能性もあります。

振り返った後は、「そのために何をする?」という具体的な改善を考える必要があります。およその時期や頻度もイメージしておくことで、実現できる可能性がグッと高まると思います。せっかくなので、誰かに宣言したり、会議で報告したりすることで、自分を鼓舞することもできます。

ということで、振り返りの際にあまりに網羅的になると、訳が分からなくなり、「振り返りのための振り返り」になってしまうなぁ~と感じ、記事を書いてみました。皆さんの周りにも、たくさんの項目を振り返り過ぎて、振り返り疲れをしている人はいませんか??

高橋 英路(たかはし ひでみち)

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭


クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。

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