社会体験研修で感じたこと
現在、どの学校も夏季休業に入っていると思います。とは言っても、講習や部活動、面談等で毎日のように登校している生徒もいるかもしれません。一方、通常の授業がないことから、官民問わず、様々な研修などの学びの場が設定される時期でもあります。私は、昨年度で正式採用から10年がたち、今年度「中堅教諭等資質向上研修(かつての10年研)」を受講することになりました。今回は、この研修の中にある「社会体験研修」について、感じたことを書いてみました。
前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭 山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路
中堅教諭の研修とは?
社会体験研修とは?
学校での部活動指導に生かせるようにと、担当する部活動の競技に関連するような研修先を選ぶ人もいるようです。また、地域との結びつきが強い学校では、地域に根差した鉄道会社など、地元密着の企業を選ぶ人もいます。逆に、学校や自分の特性とはまったく関係ないところに行くことで視野を広げようと考える人もいます。
中堅の教員にもなると、担任を持ったり、部活動で主顧問として頼られていたり、なかなか学校を離れることが難しい場合が多いです。ですから、こうした研修の機会は非常に貴重で、今後なかなかないかもしれません。そういうこともあって、せっかくの機会を有効に使って何かを得ようと、あれこれ工夫している人が多いと思います。
若者支援のNPOへ
With優の詳細については、以下のサイト(法人の公式サイト)を参照してください。
http://www.with-yu.net/
感じたこと
1番に感じたのはチャレンジ精神でしょうか。これだけ多くの事業を企画して実行していくには、相当なパワーが必要だと思います。それをわずか数人のスタッフで実行に移すというのは、本当に素晴らしいと感じました。ゴチャゴチャ言う前にまずやってみる!というフットワークの軽さ、チャレンジ精神に溢れていました。
若者たちへの対応としては、一人一人にとことん付き合って、その人が抱えている課題の根本的な解決を目指しているんだなぁと感じました。学校の場合、学期や学年・年次、留年、単位不認定など様々な制約があって、課題を抱えて不登校になった生徒にどれだけ関わろうと考えても、その時期が来れば休学したり退学したりしてしまうことも多いと思います。だから、「そうなる前に学校に登校できるようにするのがベスト」という考えに陥りがちです。場合によっては、数年という単位で足踏みすることが必要なケースもあるかもしれません。しかし、数年足踏みをして学校を離れてしまえば、その生徒をサポートしてあげることは難しくなってしまいます。
また、学校では卒業時までにある程度の力をつけ、それを外向きにも分かる状態にすることが求められる傾向があります。例えば「〇〇大学合格」「〇〇社内定」といったことです。卒業時に、「あと1年くらいはアルバイトで社会に慣れてから正社員に」という状況の生徒がいても、それがなかなか許容されない雰囲気はないでしょうか?無理やりにでも正社員として内定をもらった方が高く評価されませんか?たとえ、その生徒が入社後にすぐ辞めてしまったとしても、「正社員としてやっていくには早かったのでは?」とはならないのです。それに対し、こうした法人では学校で言う「卒業」の年限は決まっていないわけなので、まさにそれぞれの若者が十分に自立できる力がついた段階で「卒業」することができます。この感覚の違いは大きいなと思いました。
たった3日いただけでたいそうなことを書いていますが、学校以外で過ごす機会は意外と少なく、それだけ考えること・感じることも多かった研修でした。せっかく学んだことは、自分の仕事に生かしたり、いろんな人にアウトプットすることで、大いに活用していきたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

高橋 英路(たかはし ひでみち)
前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭
クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。
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