2017.10.10
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「パッション(情熱)」を持って授業をしていますか?

先日の授業で若い学生から教えられたことがありました。

教師の根本に関わる問題です。

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師 鈴木 邦明

「授業に取り組むにあたって、教師が用意しておくべきものとは?」

私は、現在、幼稚園教諭・保育士を目指す学生に幼児体育を教えています。

今の時期はスクーリングで体育実技を担当しています。

運動遊びを中心に、幼稚園などで授業を行う際の教師の動き方などを教えています。

現場(実習やその後の仕事)で役立つ事を身に付けて欲しいという思いから、数多く模擬授業に取り組んでいます。

今回のスクーリングでは、まず3人組になり、チームで20分の授業を担当させました。

相談し、内容を考え、分担しながら、運動遊びの指導に取り組んでいました。

その上で、今度は1人で模擬授業を担当させました。

今度は時間が5分です。

時間は短いのですが、全てを1人でやらねばなりません。

幼稚園での実習での研究授業を強くイメージしたものです。

こういった内容は、通常の座学の授業ではなかなか学べないものです。

色々と悩み、実際に体験し、反省する中で学びを深めていきます。

若い学生達は皆、短時間で良く考え、しっかりと頑張っていました。

10月中旬から幼稚園実習が始まるとのことなので、そういった場できっと今回の学びが生かされることでしょう。

「授業に必要なものは「パッション(情熱)」

ところで、私は授業の最後に簡単なレポートを書かせています。

3日間のスクーリングの最後に「授業をする際、教師が前もって用意しておくものは何ですか?」という質問を出しました。

私は、詳しい指導案、教室環境の整備、用いる道具の準備などをイメージしていました。

そういった中である学生が書いてきたものが写真にあるものです。

その学生は「パッション(情熱)」と書いてきたのです。

その本質を突いた答えに本当に驚かされました。

細かい教育技術もとても大切なのですが、その後ろにある(ベースとなる)教師の「思い」がもっと大切なのではというその学生の考えです。

全くその通りだと思いました。

どうしても細かい技術を教えようとしてしまっていた自分に警鐘を鳴らしてくれたような感じでした。

「忙しい現場において忘れてしまいがちなもの」

学校の現場の先生達は、採用され初めて子どもに会った時、「パッション(情熱)」を持っていたはずです。

こんな子どもに育てたい、こんな教師でありたい・・・・。

それぞれが熱い思い、夢を持っていたはずです。

しかし、日々の忙しさや慣れの中で、少しずつそういった思いを忘れがちになってしまっているように思います。

20歳前後の若い学生に本当に大事なことを教わったように思います。

私も「パッション」を持って、若い学生の育成に携わっていきたいと思いました。

鈴木 邦明(すずき くにあき)

帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。

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