2017.06.28
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教育支援連携活動・・・やっぱり大事だなぁ

これまで、学校と家庭による教育支援連携活動が、子ども達の成長・発達においていかに重要であるかを、繰り返し伝えてきました。考えれば、これって当たり前のこと。しかし実際に、日々の生活の中で具体的に実践できているかといえば・・・案外、難しいのでは?今回は「行事」に関する学校と家庭の教育支援連携活動、子どもの成長・発達についてお伝えします。

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会 中川 宣子

学校の「行事」

3学期制である本校は1学期の「終業式」が間近、「通知表」作成の時期に入りました。(早いなぁ・・・)振り返れば、今学期も、様々な「行事」を計画し、実施しました。

学校は、季節ごとに様々な「行事」をしています。
春には、新入生歓迎会、遠足、クラス宿泊学習、修学旅行
夏には、水泳大会、臨海学習、キャンプ学習
秋には、運動会、学校祭、遠足
冬には、餅つき大会、雪遊び・スキー教室、マラソン大会
大きな「行事」だけを思い浮かべてみても、たくさんあります。

「行事」があると、子ども達は嬉しくて、ウキウキと心弾ませます。
一方、先生達は、「行事」に向けて、下見に行ったり、実施計画を立てたり、しおりを作ったりと、準備や後片付けに大忙しです。
「行事」は、子ども達にとって(先生達にとっても)、一つの節目になる体験的な学習活動であるといえます。
「行事」を通じて、子ども達には、ひとまわり大きな成長と発達をしてほしいと願います。
それでは、「行事」に関して、学校と家庭はどのように教育支援連携できるでしょうか。

学校でも家庭でも 『臨海学習』事前学習 

例えば、本校の「行事」・・・『臨海学習』。
小学部5・6年生と中学部1年生、高等部1年生が参加する「行事」です。
『臨海学習』は2泊3日間、海に行き、水泳をしたり、磯遊びをしたり、花火をしたりして楽しみます。
旅館では、小・中・高の縦割り班で寝食を共にする、共同生活も体験します。
多くの子ども達にとって、どれも初めての経験です。

『臨海学習』当日を迎えるにあたって、学校では、『臨海学習 事前学習』を始めます。
高等部1年生は、臨海の日程等が書かれた「しおり」を作ります。
中学部1年生は、参加者全員お揃いの「Tシャツ」を作ります。
小学部5・6年生は、海辺で使う「旗」を作ります。
参加者全員で合同給食をしたり、班長や副班長を決めたり、全校朝会で発表したりと、当日まで『臨海学習』一色になります。

一方、家庭でも『臨海学習 事前学習』が始まります。
「この服で寝冷えしないかしら?着替えはこれで足りるかしら?」
下着を揃えたり、水着のサイズを確かめたり、磯遊び用の靴を選んだり、大きなカバンに荷物を入れたり出したりしながら、『臨海学習』への思いを寄せます。
「自分で荷物の整理ができるように、一回、練習してみよう!」
そう考えて、子どもとお母さんとで一緒に、荷物整理に取り組む事前学習の様子も見られました。(「デジタル連絡帳(特別支援ICT研究会)」より抜粋)
素晴らしい事前学習ですよね。

教育支援連携活動・・・大事だなぁ

「行事」当日はもちろん楽しみですが、当日までの「事前学習」も楽しい時間であり、一つ一つが体験的な学習活動です。
こうした体験的な学習活動、学習プロセスの一つ一つが、子ども達の成長・発達に影響を与え、この積み重ねが子ども達を大きく育てます。
「臨海学習、楽しみやなぁ。」
子ども達も、教師も、保護者も、同じ思いで一つの「行事」に向かうこと。
そして、それぞれの役割で教育支援し、様々な場面を捉えて、体験的な学習を積み重ねていくこと。
これが教育支援連携活動のひとつの姿です。

さぁ、1学期もまとめの時期、忙しくなりますね。
身体に気をつけて、今日も子ども達の成長・発達のために、教育支援連携活動をしていきましょう!オー!!

中川 宣子(なかがわ のりこ)

京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究
「特別支援教育とは、子ども達の特別な才能を学校・家庭・地域の連携により支え、教え、育てること」と考えています。日々の教育実践を、情報発信・交流し合い、共に子ども達の成長・発達に役立てていきましょう!

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