2023.02.14
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苦手の原因を分析する(前編)

大人でも苦手な片付けですが、当然、子どもたちのなかにも片付けを苦手としている人がいます。 そんな子を見ると「ちゃんと片付けなさい」と、ついつい言ってしまうときがあるのかもしれません。 この言葉の「ちゃんと」には、教員のどの様な願いが込められているのでしょうか? そして、この言葉を受けた子どもの気持ちとはどのような乖離があるのでしょうか。 そして、なぜ片付けが苦手なのでしょうか?その根底にはきっと支援のヒントがありそうですね。 今回は「片付け」をテーマに、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

信州大学教育学部附属特別支援学校 教諭 丸山 裕也

気持ちに寄り添えているか?を考えよう

自分では片付けたつもりでも、他人から見ると「片付いていない」と思われてしまうことはあるかもしれません。
例えば皆さんのデスクはどうでしょうか。
私のデスクは、自分としては必要なものが必要な位置にあり、「自分としては」仕事のしやすい環境になっています。
ところが第三者視点で見るとどうでしょうか。きっと、私のデスクは汚く、「片付けなさい」と言われてしまうような状況に見えると思います。

私が子どもだとして、私のデスクを見に来た担任の先生が「片付けなさい」と言ったとしたら、どの様に答えるでしょうか。
きっと私は「これは、必要なものを出しているんです。○○は後で使うんです」と説明をするかもしれませんね。
すると、担任の先生は「つべこべ言わずに早く片付けなさい」と言うかもしれないですね。

汚く散らかっているように見える場合でも、実際はその子にとっては、大切なものを配置しているかもしれませんね。「このアイテムは、ここに置きたい」という気持ちがあるのかもしれません。
自分では一生懸命片付けたのかもしれません。
そうした気持ちを捉えないまま、「片付けなさい」といっても、子どもにとっては「なんでわからないんだ」という気持ちが生まれてしまうだけですよね。
「片付け」のその根底には、いったいどんな気持ちがあるのかを、子どもに共感しながら考えていく事は、大切なことだと私は考えています。

「経験」から考えよう

「片付けの経験」について、考えたことはありますか?
私たち大人はすでに生活の中で、繰り返し「片付け」を経験しています。
そして、既知経験として片付けの方法を誰かに教わったり、逆に教える経験が備わっています。

「片付け」を繰り返し経験していないと、上手に片付けをすることができないかもしれません。
そして大人と同じように片付けをすることは、実はとても高い要求であることも多いのです。

片付けの経験が少ない場合は、頭ごなしに怒っていたとしても一向に上達することはありませんね。
まずは、一緒に片付けをするところから、手順や方法を確認しながら進めていく事が、大切になってきます。

また、手順を「見える化」してあげることも検討をしてもいいかもしれません。
この「見える化」については、後編の記事でご紹介したいと思います。
今回も読んでいただきありがとうございました。

丸山 裕也(まるやま ゆうや)

信州大学教育学部附属特別支援学校 教諭
公認心理師、学校心理士、障害者スポーツ指導員(初級)、福祉用具専門相談員
「あした、またがっこうでね。」と、子どもも教師も伝え合うことができるような、楽しい学級づくりを目指しています。また、障害のある子どもたちの心の健康について、教育と心理の二面からアプローチしていく方法を考えています。
特別支援学校で出会ってきた子どもたちとの学びを、皆さんにお伝えしていきたいと思っています。


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