がんばれ三宅島!(第1回) ~三宅村立小学校教育IT化プロジェクトに密着取材~

島の子ども達により良い教育環境を・・・と奮闘するプロジェクトの様子や、現地 の学校の様子をお届けします。
◆4年7ヵ月ぶりに学校再開
2000年6月の雄山噴火の後、三宅島島民の皆さんは島外での避難生活を余儀なくされていました。しかし今年2月、4年5ヶ月ぶりに避難指示が解除され、現在は、避難前の半分以上の方が帰島されています。
また、ニュースでも報道されていますが、三宅島では今年4月から小学校で授業が再開されています。島内3校(三宅小学校、阿古小学校、坪田小学校)の小学校が「三宅村立小学校」として3校合同体制で教育活動を再開しています。

三宅島到着。火山ガスのレベルは"3"
◆不足しているIT機器
学校は再開されましたが、先生方は苦労されています。
そのひとつの原因として、「ITインフラの未整備/IT機器の不足」があります。
学校再開時点で、三宅村立小学校には児童用PCはゼロ。コンピュータ教室もありませんでした。
職員室には職員用PCがありましたが、校内LAN、職員室内LANはなく、印刷は順番待ち、ファイル共有もできない状態でした。
「よりよい教育のために、IT機器を活用したい」という思いはあるものの、現地
は予算も人手も不足していて、環境整備はままなりません。
◆プロジェクト結成
私もボランティアメンバーとして同行し、お手伝いをしてきました。
◆船酔いとガスマスク

酔う前に酔え! 船内懇親会の様子
第1回目の渡島では15人中4人が船酔いでダウン。私は辛うじて持ちこたえました。
その日は船に慣れた人も驚くほどの揺れだったそうで、早くも前途多難の気配がします。
火山ガスの危険度をあらわす数値は4段階のうちレベル3。木々も白く枯れていました。到着した三池港の周辺は「高濃度地区」と言って、居住ができない地域なのだそうです。
メディアを通してしか見たことのない、三宅島の厳しい自然の姿に緊張を隠せませんでした。

高濃度地区の木は白く枯れていました
◆厳しい学校の現状
齋藤校長先生をはじめ、三宅村立小学校の先生方には、休日の朝早くにもかかわ らず暖かく迎えて頂きました。早速、校内の案内をして頂きましたが、聞いてい た以上に厳しい状況だということがわかりました。まず、2000年の噴火時に増築 中だった校舎は未完のまま。そして校内には脱硫装置(火山ガスを浄化する装置) が設置されていて、校舎内はくまなくダクトが通っていました。
そして児童用PCが一台もないことや、コンピュータ教室がないこと、職員室内の ネットワーク整備もできておらず、IT機器を活用した授業ができないという悩み を改めて伺いました。
◆生まれ変わる三宅村立小学校
このような現状を解決すべく、プロジェクトメンバーは早速動き出します。
作業可能な時間は限られていました。6月12日の第1回訪問では、その日の午後に は島を発つというスケジュールでしたので、作業時間は実質4時間(!)。7月18・19日の第2回訪問では1泊することになりましたが、19日は平日。授業の邪魔は できません。実質、作業に当てられた時間は1日のみでした。
この全2回のスケジュールでプロジェクトは次のことを成し遂げました。
・校内LANの整備 |

屋上に設置した インターネット 百葉箱
このプロジェクトには、堀田先生の呼びかけで、複数の教育関連企業が機器・ソフトウェアなどの寄付を申し出ています。三宅村立小学校のIT化は、プロジェクトメンバーと企業の協力なしには実現しなかったでしょう。 内田洋行もこのプロジェクトに賛同し、整備されたネットワークを有効活用するため、また、現地の学校の様子を公開できるツールとして定点観測システム「インターネット百葉箱」の提供と、設置をしました。 |
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