【先生たちの復興支援】さいたま市立東宮下小学校 研究主任 菊池健一さん(第2回) 「道徳で震災を学ぶ」
今回は、さいたま市立東宮下小学校 研究主任 菊池健一さんの授業実践第2回目「道徳編」です。
「大震災で、私達と同じくらいの子もたくさん亡くなっているんだね」
「もし、私が大震災で亡くなっていたら、家族はきっと記事に出ていたお母さんと同じようにとっても悲しむと思う」
「その日まで元気でいた家族が急に亡くなってしまうなんて考えられないと思う」
「一本松は本当に強いんだね。写真を見ると周りに何も無くなっているから津波がすごかったんだということがわかるよ」
「きっと、この一本松を見て、地震で被害を受けた人たちは勇気づけられただろうね」
「この一本松は、だめになるかもしれないと書いてあるよ。ここに住んでいた人達はものすごく悲しむんじゃないかな」
などの感想を述べました。
児童の中には、震災についてあまり関心のない子もいます。また、奇跡の一本松などのニュースを見たことのない児童もいます。しかし、そのような児童にもリアルな現実と触れ合わせ、それらに関心を持たせておくことで、道徳の授業でも、学習する内容について進んで考えていけるようになると考えています。
道徳の実際の授業では、スクラップした新聞記事を思い出すことから始めました。児童の中には記事の内容について、家の人と話したり、関連する内容をインターネットで調べていたりする子もいました。家族愛について学ぶ資料での学習では、進んで自分と家族との事を考えたり、読んだ新聞記事の内容と関連付けたりする児童が多く、たくさんの発言がありました。
「お母さんを亡くしてしまった私は、自分でご飯を作る! と決めてとてもえらいと思う」
「きっと天国に行ったお母さんも喜んでいると思う」
「僕は、今家族と一緒にいられることがとても嬉しくなりました。これから少しでも家族のために何かしたくなりました」
など、たくさんの考えが発表されました。東日本大震災は私達に多くのことを投げかけてくれたように感じます。家族の大切さ、地域の大切さ、人と人との絆の大切さなど多くのことを考えさせられた気がします。これからも、積極的に道徳の時間に震災の資料を活用したいと思います。
この学習の事後指導として、国語科の「報告文を書こう」という単元で、家族や被災地を取材した新聞記者に話を聞く活動を取り入れました。震災について知ったことや調べたことなどを報告文にまとめます。この実践については次回報告いたします。
文・写真:菊池健一
※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)