2004.01.13
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

時計算(応用編)

今回は時計算の第2回(応用編)です。前回の『時計算(基礎編)』で勉強したポイントをおさらいしてから、進めていきましょう。

=時計算のポイント=

時計算の基本事項(必ず理解していなければならないこと)
・長針が1分間に進む角度は6度
・短針が1分間に進む角度は0.5度
・長針は短針に1分間に5.5度近づく(遠ざかるときも5.5度ずつ)

時計算の解法のポイント(問題を解く上でのテクニック)
・長針と短針の角度を求めるときには、基準線からの角度で考える。
(基準線は自由に決めることができる)
・長針と短針が進む速さの比は12:1
(長針が1分間に進む角度は6度、短針が1分間に進む角度は0.5度だから)

問題1

9時をすぎて長針がはじめて短針と重なるのは、9時何分ですか。

解法

9時ちょうど

1分間に5.5度ずつ少しずつ近づきます

長針と短針が重なったとき

9時の時点では、長針と短針が270度離れています。
長針は短針に1分間に5.5度ずつ近づきます。
270度ぶんを追いつくためには、

270÷5.5=49 555 =49 111 分間かかることになります。

9時をすぎて長針がはじめて短針と重なるのは、9時49 111 分です。

答え:9時49 111

これを旅人算風に考えると次のようになります。長針さんと短針さんの距離が1分間ごとに5.5度ずつ近づきます。 (旅人算についてはこちら

長針は1分間に6度進み、短針は1分間に0.5度進むので、1分間に5.5度ずつ近づくことが基本です。 270度の距離を近づくためには、
270÷5.5
で計算される時間(分)がかかることになります。

問題2

7時から8時までの間で、時計の長針と短針が垂直(90度)になるのは、7時何分ですか。

解法

差は210度から90度になったので、210-90=120度で、長針は短針に120度近づいたことになります。長針は短針に1分間につき、5.5度近づくから、120度近づくためには

120÷5.5=21 119 分かかる。よって
7時21 119 分に長針と短針は垂直になります。
さらに、長針が進んで、短針に追いつき、追い越して、90度になるときがある。

(【図2】→【図3】と同じ)

これまでの時間の経過をまとめると

合計は
21 119 分 +16 114 分 +16 114 =54 116

よって、2回目に垂直になるのは、 7時54 116

答え:7時21 119 分 7時54 116

問題3

6時をすぎて最初に、長針と短針が6を中心にして同じ角度になるのは何時何分ですか。

解法

ポイント1

長針が1分間に進む角度は6度、短針が1分間に進む角度は0.5度。
言いかえると(2分間で考えると)長針が12度進むうちに短針は1度しか進みません。
つまり、長針と短針の進む速さの比は 12:1 です。

ポイント2

角度アと角度イの合計は180度。角度イと角度ウの大きさは同じだから、
角度アと角度ウの合計も180度になります。

この2つのポイントが理解できれば、ほぼこの問題は半分解決です。残りは計算だけです。

求めたいのは、長針と短針が6を中心にして同じ角度になるときの時刻です。
そのためには、角度アまたは角度ウのどちらかがわかれば、求めることができます。

角度アがわかったとき、6度で割れば時刻がわかります(←長針が1分間に進む角度は6度だから)。
角度ウがわかれば、0.5度でわればよいわけです(←短針が1分間に進む角度は0.5度だから)。

ところで、先の説明の通り、角度アと角度ウの合計は180度で、比が12:1になるので、これを利用すれば、角度アと角度イを求めることができます。

角度ウを求めると、

180 × 131 = 13180

180度を13等分して,そのうちの12が角度ア(長針の進んだ角度)で、1が角度ウ(短針の進んだ角度)になります。

となって、何分で進んだかを求めるために、0.5でわると(←短針は1分間に0.5度進むから)、
13180 ÷ 0.5 =27 139

正解は
6時27 139
です。これは、短針に注目して計算しましたが、ためしに長針に注目して解いてみます。

角度アを求めると
180 × 1312 132160
となって、何分で進んだかを求めるために、6でわると(←長針は1分間に6度進むから)、
132160 ÷ 6 =27 139
となるので、短針に注目して計算したときと同じ結果になります。

答え:6時27 139

 
教え上手 きんたろう先生

教え上手 きんたろう先生

「算数の教え上手」担当のきんたろうです。よろしくお願いいたします。
私が塾・予備校で教壇に立つようになってから、10年近くになりました。どちらかというと、勉強があまり好きでない生徒を教えてきました。そんな生徒の中にも、きっかけを作ってあげると夢中になって勉強する子がいます。
そんなとき「いい仕事をした」と思います。
教え上手とは,もちろん科目を教えることが上手であることと思いますが、併せて子どもに学ぶ意欲を起こさせることだと思います。
この「教え上手」では、その両面について、私の経験を活かして述べさせていただく予定です。ご参考にしてください。

pagetop