2003.01.21
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数列(等差数列)

数を並べて数の列をつくったものが数列です。数列の中でも特に同じ数を次々にたしてできる数の列(または、ひいてできる数の列)を等差数列といいます。 数列の問題は頭の中で考えず、数を書き並べて解く姿勢が大切です。数列の問題を解く手段として、公式がいくつかあります。公式を使うと効率的に解くことができますが、公式が成り立つ背景を知らないまま使うと、応用問題では、活用することができなくなります。まずは、数を書き並べて数列の原理を知った上で公式を使いましょう。


1から100までの数(整数)全部たすといくつになりますか。
解法を見る


ある規則にしたがって数を次のように並べました。
2,5,8,11,14 ・・・・・・・
(1)12番目の数はいくつですか。
(2)62は何番目の数ですか。
(3)はじめから10番目までの数をすべてたすといくつになりますか。
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0,0,4,4,8,8,12,12,・・・・・・・のように数を順に2つずつ並べた数列があります。
(1)20番目の数はいくつですか。
(2)最初の数から100番目までの数をすべてたすといくつになりますか。
解法を見る




1から100までの数(整数)全部たすといくつになりますか。

■ 解法
「1から100までの数(整数)全部たすといくつになりますか?」これは、数学者のガウスが少年のころ先生から出されて、あっという間に解いてしまい、みんなを驚かせたそうです。この問題をガウス少年は次のように解きました。

1から100を順に書き、その下に100から1までを逆に並べて上下をたします。

  1 2 3 4 5 ・・・ 98 99 100
+) 100 99 98 97 96 ・・・ 3 2 1
  101 101 101 101 101 ・・・ 101 101 101

すると、すべて101にきれいにそろいました。101が100個できたので、101を100回たすと
101×100=10100になります。ところが、これは、はじめから100までの数をすべてたしたものの2倍になっているので、半分にして10100÷2=5050が正解です。

ここで忘れてはならないことは、上下に並べてたし算をすると、数がそろって大変便利ですが、計算結果は求める和の2倍になって出てくるので、最後に必ず2で割るということです。


■ 答え:5050

ある規則にしたがって数を次のように並べました。
2,5,8,11,14 ・・・・・・・
(1)12番目の数はいくつですか。
(2)62は何番目の数ですか。
(3)はじめから10番目までの数をすべてたすといくつになりますか。

■ 解法
(1)この数列の規則は3ずつ増えているということです。



1番目は最初の数で     2
2番目は2に3を1回たして、2+3
3番目は2に3を2回たして、2+3+3
4番目は2に3を3回たして、2+3+3+3
5番目は2に3を4回たして、2+3+3+3+3

ここで、もう一つの大切な規則があります。それは、2番目の数は最初の数2に3を1回たした数、3番目の数は3を2回たした数、4番目の数は3を3回たした数、・・・となっています。
つまり、□番目の数は□より1少ない回数分3をたすことになります。このように考えると、12番目の数は1番目の2に3を11回たした数になります。発展させて100番目の数は2に3を99回たした数になります。

12番目の数は、
+3+3+3+・・・+3

(3を11回たす)
=2+3×11
=2+33
=35

■ 答え:35


■ 解法

(2)62は最初の数の2に60をたした数です。
   60は3を20回たしたものなので、62は21番目の数です。

+3+3+3+・・・+3 =62

(3を20回たす)
20回たしたということは、62は21番目

■ 答え:21番目

□番目の数は□より1少ない回数分3をたす。つまり、6番目の数を求めたいときは、最初の2に3を5回たして求めることになります。これは、数を並べたときの数と数のすき間の数になります。ちょうど植木算で説明した木の本数と区画の数の関係と同じです。
1番目 2番目 3番目 4番目 5番目 6番目
  11  14  17




公式にすると、
(□番目の数)=(最初の数)+(差)×となります。




■ 解法
(3)これも問題1のガウスの方法で計算できます。まず、10番目まで書き出してみます。
1番目 2番目 3番目 4番目 5番目 6番目 7番目 8番目 9番目 10番目
2 5 8 11 14 17 20 23 26 29

これを全部そのままたすのでは、ちょっと大変そうです。そこで、つぎのように、上に書いた数の下に逆の順番で書き並べて上下をたしてみましょう。
1番目 2番目 3番目 4番目 5番目 6番目 7番目 8番目 9番目 10番目
2 5 8 11 14 17 20 23 26 29
10番目 9番目 8番目 7番目 6番目 5番目 4番目 3番目 2番目 1番目
+) 29 26 23 20 17 14 11 8 5 2
31 31 31 31 31 31 31 31 31 31


 すると、すべて31にきれいにそろいました。31が10個できたので、31を10回たすと
31×10=310になります。ところが、これは、はじめから10番目までの数をすべてたしたものの2倍になっているので、半分にして310÷2=155が正解です。

(3)を式でまとめると、
(2+29)×10÷2=155 となります。
公式にすると、
(最初の数+最後の数)×(個数)÷2 となります。

■ 答え:155


0,0,4,4,8,8,12,12,・・・・・・・のように数を順に2つずつ並べた数列があります。
(1)20番目の数はいくつですか。
(2)最初の数から100番目までの数をすべてたすといくつになりますか。

■ 解法
(1)この数列の規則は、2つずつ組になって4ずつ増えています。このように組になっている数列は組にして考えます。



組目は、1番目と番目の数
組目は、3番目と番目の数
組目は、5番目と番目の数
組目は、7番目と番目の数 
      …
組目は、17番目と18番目の数
10組目は、19番目と20番目の数 
      …
50組目は、99番目と100番目の数
緑色の文字に着目すると、2倍になっているので、わかりやすいと思います。

のように組がつくられているので、20番目の数は10組目に含まれることがわかります。10組目の数は1組目の0に4を9回たした数なので、
(10組目の数)=(19番目と20番目の数)=0+4×9=36
となります。


■ 答え:36

■ 解法
(2)まず、100番目の数は、50組目に含まれることがわかります。これまでと同様に数を並べて考えましょう。



50組目の数は1組目の0に4を49回たした数なので、
(50組目の数)=0+4×49=196

ここでも,ガウスの方法ですべてたしてみます。
1組目 2組目 3組目 ・・・ 48組目 49組目 50組目
0,0 4,4 8,8 188,188 192,192 196,196
50組目 49組目 48組目 ・・・ 3組目 2組目 1組目
+) 196,196 192,192 188,188 ・・・ 8,8 4,4 0,0
196,196 196,196 196,196 ・・・ 196,196 196,196 196,196

すべて196にきれいにそろいました。196がここでは100個できたので、196を100回たすと
196×100=19600になります。
ところが、これはすべてたしたものの2倍になっているので、19600÷2=9800

■ 答え:9800
数列の和の公式で計算すると、公式は
(最初の数+最後の数)×(個数)÷2なので、
最初の数=0,最後の数=196,個数=50(組)
(0+196)×50÷2=196×50÷2=9800÷2
=4900
それそれの組には同じ数が2つずつふくまれるので、すべてたした場合はこの2倍になる。
4900×2=9800
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