論理の問題(第1回)
「論理の問題」とは、与えられた条件を検証して答えを求める問題です。「論理の問題」を解く基本は、まず、正しく問題文の条件を読み取ることです。今回は次回と2回にわたってご説明します。
ある生徒が次のように言いました。
「鈴木君はサッカー選手ではない。」
「鈴木君か山田君のどちらかが図書委員である。」
「図書委員はサッカー選手である。」
この生徒の発言から判断すると、鈴木君か山田君のどちらかが図書委員ですか。
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2
運動会でA、B、C、Dの選手4人が100m競争をしました。この競争を見ていた観客5人に競争の結果をたずねてみると、次のように答えました。
観客1 Aは3着でした。
観客2 Bは1着ではありませんでした。
観客3 Cは3着か4着のどちらかでした。
観客4 Dは1着か4着のどちらかでした。
観客5 Aは2着ではなく、Cは3着ではなく、Dは4着ではありませんでした。
観客5人が正しく答えているとすると4人の選手の着順はどうなりますか。
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A、B、C、D、E、Fの6人が円形のテーブルに着席した。そのとき、自分の席について次のように言った。
A 「Dのとなりではありませんでした。」
B 「Cの正面にはいませんでした。」
C 「Eのとなりでした。」
D 「Cとは、はなれてすわりました。」
E 「Aは右どなりにいました。」
F 「Aの正面にはいませんでした。」
Aの他5人はどのようにすわったか、図に記号を書き入れなさい。
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3
A、B、C、D、Eの5人の身長を2人ずつ比べると、次のようになっています。
AはBよりも高い。 DはEよりも低い。
CはAよりも高い。 EはBよりも低い。
身長の高い順に5人を並べなさい。
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A、B、C、D、E、Fの6つのサッカーチームがあり、2つのチームごとの強弱を比較すると、次の表のようになっています。
AとB の比較 |
CとD の比較 |
EとF の比較 |
AとD の比較 |
BとC の比較 |
AとF の比較 |
|
強いチーム | A | D | E | A | B | F |
弱いチーム | B | C | F | D | C | A |
この表をもとにして、一番弱いチームと、一番強いチームを答えなさい。
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1
ある生徒が次のように言いました。
「鈴木君はサッカー選手ではない。」
「鈴木君か山田君のどちらかが図書委員である。」
「図書委員はサッカー選手である。」
この生徒の発言から判断すると、鈴木君か山田君のどちらかが図書委員ですか。
■ 答え:山田君
答えは、山田君が図書委員です。これは、ある中学の入試問題の抜粋ですが、解説するまでもなく、問題文を正しく理解して、少し考えれば、解ける問題です。
2
運動会でA、B、C、Dの選手4人が100m競争をしました。この競争を見ていた観客5人に競争の結果をたずねてみると、次のように答えました。
観客1 Aは3着でした。
観客2 Bは1着ではありませんでした。
観客3 Cは3着か4着のどちらかでした。
観客4 Dは1着か4着のどちらかでした。
観客5 Aは2着ではなく、Cは3着ではなく、Dは4着ではありませんでした。
観客5人が正しく答えているとすると4人の選手の着順はどうなりますか。
■ 解法
正解は、1着がD、2着がB、3着がA、4着がCです。
正解した方は、この問題をどのように考えましたか。まず、観客1の答えより、Aが3着であるということがわかり、そして、観客3の答えより(Aが3着なので)Cは3着ではなく、4着であることがわかったのではないでしょうか。
また、観客4の答えより、Dは1着か4着ですが、観客5の答えより、Dは1着であることがわかります。
最後に残ったBが2着となります。
このように、論理の問題を解くためには、「明らかになっているところ(条件)から考えて、それを手がかりに順序よく考えていく。」ことが一つのポイントになります。
また、論理の問題では、「条件を表や図にする」と解きやすくなります。
例えば、この問題1の条件を表にしてみると、次のようになります。
観客の発言より、可能性のある順位に○をつけます。
|
||||||||||||||||||||||||||
←観客1の発言より。 | ||||||||||||||||||||||||||
←観客2の発言より。 | ||||||||||||||||||||||||||
←観客3の発言より。 | ||||||||||||||||||||||||||
←観客4の発言より。 | ||||||||||||||||||||||||||
↑斜線/は観客5の発言より。 |
Aを見てみると、3着のみなので、Aは3着確定です。
Bは2着か3着か4着で、決めにくいので、とりあえず保留にしておきます(あとで考えます)。
Cは3着か4着ですが、Aが3着確定なので、4着です。また、観客5の発言により、3着は取り消されていることからもわかります。
Dは、1着か4着ですが、Cが4着確定なので、1着です。また、観客5の発言により、4着は取り消されていることからもわかります。
Bは2着、3着、4着と可能性がありますが、3着はA、4着はCなので、2着になります。
■ 答え:1着がD、2着がB、3着がA、4着がC
※表で考えるとき、次のように、解決した場合は、●にするなど、工夫しながら検討すると、混乱が避けられます。
|
これまでのポイントは次の通りです。
ポイント1:まずは、条件の文を正しく理解する。
ポイント2:明らかになっているところ(条件)から考えて、それを手がかりに順序よく考えていく。
ポイント3:条件を表や図にする。
それでは、これらのポイントに意識しながら次の問題を解いてみましょう。
A、B、C、D、E、Fの6人が円形のテーブルに着席した。そのとき、自分の席について次のように言った。
A 「Dのとなりではありませんでした。」
B 「Cの正面にはいませんでした。」
C 「Eのとなりでした。」
D 「Cとは、はなれてすわりました。」
E 「Aは右どなりにいました。」
F 「Aの正面にはいませんでした。」
Aの他5人はどのようにすわったか、図に記号を書き入れなさい。
■ 解法
ポイントは、まず、条件の文を正しく理解し、明らかになっている条件から考え、それを手がかりに順序よく考えていくことです。
まず、Eの「Aは右どなりにいました。」という発言が明らかです。
これより、Eの座席が確定します。
続いて、Cの「Eのとなりでした。」という発言より、下のようにCの座席も決まります。
5人中2人の席がこれで決まりました。他の人の発言からはすぐに決められません。もう一度Aの発言をみると Aは「Dのとなりではありませんでした。」と言っており、一方、
Dは「Cとは、はなれてすわりました。」という2人の発言より、Dの座席が下の図の位置に決まります。
あとは、 Bの「Cの正面にはいませんでした。」という発言よりBの座席が決まり、残こりはFの座席です。確認のため、 Fの発言をみてみると「Aの正面にはいませんでした。」といっており、食違いはありません。
・・・正解図
この問題も表で解くと、次のようになります。まず、次のように座席に番号をつけます。 |
可能性のある席に○をつけていきます。(確定したら●にするとわかりやすくなると思います)
必ず自分で表を書いてみてください。
座席1 | 座席2 | 座席3 | 座席4 | 座席5 | 思考 | |
B | ● | 4 | ||||
C | ● | 2 | ||||
D | ● | 3 | ||||
E | ● | 1 | ||||
F | ● | 5 |
下の1. 2. 3. 4. 5の順に考えてください。
1. Eの発言より、座席1に確定。
2. Cの発言より、座席2に確定。
3. Dの発言より、座席4か5。Aの発言より座席5はありえない。よって、座席4に確定。
4. Bの発言より、座席5以外の可能性あり。座席1と座席2と座席4はすでに決まっているので、座席3に確定できる。
5. 残っているのは、座席5だけ。Fの発言とも矛盾はありません。
※表にすると、むしろ難しく感じるかもしれませんが、問題が複雑になるほど、問題を解くとき、表は便利なものになります。この表は眺めるのではなく、必ず自分で書いてください。
■ 答え:
次もよくある問題です。考えてみてください。
3
A、B、C、D、Eの5人の身長を2人ずつ比べると、次のようになっています。
AはBよりも高い。 DはEよりも低い。
CはAよりも高い。 EはBよりも低い。
身長の高い順に5人を並べなさい。
■ 解法
この問題も文章をじっくり読んで、考えれば解くことができます。ただし、次のように矢印を使って図にすると、条件が多い複雑な問題も具体的になり解きやすくなります。
不等号では、『大きいもの>小さいもの』のように表しますが、
ここでは不等号の>に棒をつけ加えて → で表わすことにします。『大きいもの → 小さいもの』
例えば、AはBよりも高いは、『A → B』で表します。
4人の身長を矢印で表すと次の図のようになります。
このように図に表すと、矢印の先の方が低く、矢印のもとの方が高くなるので、矢印をたどって行って、一番先(ここではD)が一番低い人で、一番もと(ここではC)が一番高い人になります。
よって、正解は、C、A、B、E、Dとなります。
■ 答え:C、A、B、E、D
ポイント4: 強弱・大小・長短などで、順位をつける場合、矢印で図に表すと解きやすくなる。
それでは、このポイントを活用して次の問題を解いてみましょう。
A、B、C、D、E、Fの6つのサッカーチームがあり、2つのチームごとの強弱を比較すると、次の表のようになっています。
AとB の比較 |
CとD の比較 |
EとF の比較 |
AとD の比較 |
BとC の比較 |
AとF の比較 |
|
強いチーム | A | D | E | A | B | F |
弱いチーム | B | C | F | D | C | A |
この表をもとにして、一番弱いチームと、一番強いチームを答えなさい。
■ 解法
先(準備体操3)に説明したようにように、6チームの強弱を矢印で表してみましょう。
強 → 弱で表します。
この図で、矢印をたどっていくと一番先がC、一番もとがEになっているので、一番弱いチームがC、一番強いチームはEであることがわかります。
ちなみに、強い順にならべると、
E、F、A、(BかD)、C となります。
(BとDの強弱はこの問題の条件からは、判断できません。)
■ 答え:一番弱いチームはC、一番強いチームはE
●●●今回のまとめ ●●●
ポイント1:まずは、条件の文を正しく理解する。
ポイント2:明らかになっているところ(条件)から考えて、それを手がかりに順序よく考えていく。
ポイント3:条件を表や図にする。
ポイント4:強弱・大小・長短などで、順位をつける場合、矢印で図に表すと解きやすくなる。