2004.08.01
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【特別寄稿】教員海外研修inロサンゼルス 現地レポート!(vol.1)

小学校の英語教育に役立つ「ESL教員海外研修inロサンゼルス」と銘打たれた英語教育の研修に参加するのは、小学校の教員から大学の言語研究者、また英語教育システム等の開発者など、実に様々な顔ぶれです。

2004年7月28日、台風近づく成田空港に全国から熱意溢れる13名の英語教育関係者が集まりました。渡航先はアメリカ合衆国第二の都市・ロサンゼルス。小学校の英語教育に役立つ「ESL教員海外研修inロサンゼルス」と銘打たれた英語教育の研修に参加するのは、小学校の教員から大学の言語研究者、また英語教育システム等の開発者など、実に様々な顔ぶれです。

 今春、文部科学省中央教育審議会に小学校の英語教育検討グループが発足し、小学校における英語の必修化がにわかに現実味を帯びてきましたが、英語教育の専門家が大変少ない小学校で、「使える英語」を指導できる教員の養成が急がれるというのが現状です。

そこで早稲田大学IT教育研究所と株式会社内田洋行の企画をし、ロサンゼルス市教育委員会(LAUSD:Los Angeles Unified School District)の全面的な協力により、第二言語(英語)教育のための教員研修がこの夏休み7月28日~8月6日(8泊10日)に開催されています。今まさに研修中のロサンゼルス市教育委員会内の様子を3回(予定)にわたって緊急レポートいたします。

ESL教員海外研修inロサンゼルス 【Day-1 Report】

■黄色い歓声の原因

ピッカピカのスクールバス

ピッカピカのスクールバス

日本の記録的な暑さと比べ、日中の気温30度、朝夕23度、湿度を全く感じない快適な気候に恵まれたロサンゼルスに降り立った参加者から黄色い歓声が聞こえてきました。特別に用意された黄色い「スクール・バス」の出迎えです。荷物入れにスーツケースを押込むとすぐに、スクールバスを背景に記念撮影会が開始されました。

クーラー完備、シートもピカピカのスクール・バスに乗込むと運転手が、小学生に説明するように注意点を話し始めました。緊急避難用の出口は左・右・後方窓の3箇所、横転した場合用に天井2箇所の計5箇所あること、事故や事件が起こった時には必ず運転手に、どこで何が起きたか詳細に連絡すること、消火栓の設置位置など、とても丁寧で分かりやすい説明に参加者は感心するばかり。後で尋ねると、ロサンゼルス市の場合はスクール・バスの運行を民間企業に委託しており、緊急時対応の説明は運転手に義務付けられているとのこと。治安が決して良いとは言えない地域では必須と言える、子供たちへの安全管理意識の高さが感じられました。

ただし、ここはアメリカ・ロサンゼルス、出発前に運転手はラジオの電源を入れ、流行のポップソングを結構な音量で流しながら黄色いバスを教育委員会に向けて走らせるのだった。

■ロサンゼルス市教育委員会(LAUSD)と教員研修

時差マイナス16時間、人口約370万人、児童生徒数約75万人、教員数約8万人(non-certificated含む)の巨大な街・カリフォルニア州ロサンゼルス市はA~Kの11学校区(School District)に分けられ、日本の文部科学省の役割を担うLAUSDではそれら11学区における教育政策策定からサポートまで幅広い業務をおこなっておられます。
Ramona Stokesさん

Ramona Stokesさん

その一つに教員研修があり、今回は英語教育専門の教員研修担当者Ramona Stokesさんによる5日間の研修が実施されています。この研修では、第二言語としての英語(ESL)教育のスタンダード(達成の基準)と授業の方法、および評価について実践的に学ぶもので、
(1) LAUSDのESL教育の概略
(2) 初期段階の児童生徒たちへの教授法
(3) ESLの授業実践の視察
などを中心に、5日間と短い期間で学んでいく予定です。

次回のレポートでは教授法を実際に学ぶ様子についてお送りする予定です。
See you soon.

関連情報
【参考Webサイト】

ロサンゼルス市教育委員会(LAUSD)
http://www.lausd.net/

文責:伊澤(株式会社内田洋行)

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

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