2004.01.27
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アメリカ学校訪問記(vol.2) 靴の箱が必須アイテム?

前回に続き、アメリカミズーリ州カンザスシティ郊外にある私立学校 Our Lady of the Presentation Schoolのレポート後編です。自分でコーディネイトできる制服があったり、いつでも快く授業参観させてくれるオープンな学校の雰囲気をお伝えしましたが、今回は、学校内で見つけた作品やイベントについてお話します。

◆靴の箱の中に作るプロジェクト

廊下には靴の箱パノラマが いっぱい

廊下には靴の箱パノラマが いっぱい

廊下に出ると、あちらこちらに飾られている小さなパノラマの数々にびっくりしました。例えば、エジプトについて、一人一人がクラスで勉強したこと、調べたこと、イメージを抱いていることを、小さな靴の箱の中に表現していきます。ビー玉を並べてナイル川の輝きや宝石に見立てたり、ミニチュア・フィギュアをおいて戦や大勢の人たちでスフィンクスを製作している場面を見せていたり、その個性的な多様な「一場面」に見とれてしまいました。粘土、色紙、絵の具、砂、紐、などあらゆる身近な物を使って、写真やフィギュア、ままごと遊びの道具まで駆使しながら、それぞれのパノラマができていました。
  • それぞれの箱の中で繰り広げられる名場面

    それぞれの箱の中で繰り広げられる名場面

「小学生の子供がいると、靴の箱はもう必須なのよ。捨てちゃ駄目なの。」とは、この学校に3人を通わせているママのことば。何か月もかけるプロジェクトになることもあるそうですが、こうやって自分で表現したいことが決まってくると、教科書で見た象形文字ももっと詳しく見て自分でまねをしたり、「もっと知りたい!」が出てくるんだなぁと、私も作ってみたくなりました。

◆本場のハロウィーン

家ごとに飾りつけ 中にはガイコツも・・・

家ごとに飾りつけ 中にはガイコツも・・・

ハロウィーンの季節の盛り上がりは、日本での想像を全く超えるものでした。学校訪問とは、直接関係がないのですが、この時期の子供たちは間違いなくこれに夢中・・・、ということで、ご紹介します。

まず、それぞれの家で趣向を凝らした飾り付けをしています。この季節になると、カボチャがおいてあったり・・・、は一般的なのですが、左の写真のように凝った飾り付けも見られます。
このシーズンは、スーパーから大きなカボチャを買ってきて、子供たちは「ジャック・オー・ランタン(ジャックの提灯)」と呼ばれるカボチャの提灯を作ります。まず外側に思い思いの「コワイ」顔を書いて、中身をくり抜き、デザイン通りに顔を彫っていきます。中にロウソクを立てると、この通り!
  • 一番コワイ顔にするぞ!

    一番コワイ顔にするぞ!

  • 中身をくり抜いて・・・

    中身をくり抜いて・・・

  • 顔を彫れば・・・

    顔を彫れば・・・

  • ジャック・オー・ランタン、 完成!

    ジャック・オー・ランタン、 完成!

ロウソクを灯すと、ホラ・・・

ロウソクを灯すと、ホラ・・・

そして、いよいよ当日。気味の悪いホットドッグを作ったり、怪しげなメニューを楽しみます。いよいよ陽が落ちてきて暗くなってくると、仮装をして、近所の家を「トリックor トリート(脅しちゃうよ、それかナンカくれる?)」と言ってお菓子をもらいに回るのです。子供たちが仮装して回り出す頃には、スモークが炊かれたり、叫び声のテープが流れたり、お化け屋敷のような家がたくさんあります。自分の家にも、様々な仮装の子供たちが現れるので、大人はお菓子を用意して待っているのです。商業的にも盛り上げられているという一面もあるのですが、子供たちにとっては、何に仮想するか?お菓子をいっぱいもらえる!それはそれは、大イベントなのです。

◆私がVIPになれる日

この日のVIPニッキー君の大切なものは・・・

この日のVIPニッキー君の大切なものは・・・

壁に貼られているのは、クラスの一人、ニッキー君の紹介。家族やお気に入りを写真とコメントで紹介しています。ニッキー君のお父さんは空軍のパイロット。航空ショーに行ったときの写真や、赤ちゃんのときにお気に入りの犬たちと、クリスマスの時に家族みんなで一緒の写真、お誕生日、ディズニーランドに行った時、と選りすぐりの写真が、かわいい文字で紹介されています。アメリカの学校では、自分のお気に入りや家族を紹介して、自分自身がVIPになる機会があります。この時には、家中のアルバムやら引っくり返して大騒ぎで準備をするのだそうですが、自分が主役!で、周りのみんなが注目してくれる機会があるのは、とっても大切なことですね。新たな個性が見えたり、大人しい子供もこのときはとっても饒舌になったり、と普段のクラスとは違う一面が見えるそうです。また、いろいろな家族や文化、習慣があること、それぞれの個人にそれぞれの背景があることを学んでいくことも、とても大切なことだと感じました。

Our Lady of the Presentation School

株式会社クレーネ代表/有限会社ゴーガールズ取締役 宮崎百合子

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