先日、福岡を中心に民間企業として多くのキャリア教育支援を行っている「フォーサイトアクト株式会社」主催の「キャリア教育とアクティブラーニングの本質に迫る」と題したセミナーが行われました。
この場の執筆者でもいらっしゃる立命館宇治高校の酒井先生をはじめ多くの実践者の皆さんが登壇されて、参加者も傍聴者にならないような工夫を凝らしたセミナーでした。
もちろん、一参加者としてこのセミナーを楽しむために参加したのですが、実はあるひとつの野望を持って参加していたのです。
それはこの夏の高校1年生の補習において、「キャリア」の時間と題した授業を、若手の先生にやってもらうための論理的背景獲得と人脈作りです。
「キャリア」の時間の授業と言っても、酒井先生が数回に渡ってこの場に投稿されていた「なぜ学ぶのか」の授業を、徹底的に盗んでそっくりそのまま実施するのです。
実は私自身は以前酒井先生の研究授業を見学させていただく機会があり、内容の一部を実際に体験しているのですが、所属学年や授業数の関係で授業を担当することになる若手の先生は、体験したことはもちろん見たこともありません。
そのためまずは、セミナーの合間にその先生と酒井先生のつながりを作りました。
そのおかげで、酒井先生から授業で用いたプレゼンテーションやワークシートを見せていただき、授業者の先生も私も、授業の方向性を定めることができました。
詳細は後日この場でまた紹介したいと思いますが、お盆休みを挟んだ8回の授業の中で、何を問いかけ、何を考えさせ、何を共有させ、何を発表させるのか、授業を担当する若手の先生と徹底的に考えました。
前半4回は問いかけて考えさせ共有することを中心に実施し、後半4回はまとめて発表することを中心に実施します。
徹底的に盗んでそっくりそのまま実施するのは楽ではありません(笑)。
しかし、いまのところセミナー参加時に抱いていた野望は大成功です!
自分が1人で授業するなら自分の時間と自分のペースで準備できますが、若手の先生にやってもらう授業です。一緒に考えて、模擬授業をしてもらって、実際の授業を見て、授業のふりかえりを行って、次の授業に備えることの繰り返しです。
大変ではないとは言いませんが、あまり経験したことのない刺激的な体験です。
授業者の先生の授業の進め方が回を重ねるごとにうまくなっていき、準備に要する時間も短くなり、生徒の活動も活発になってきています。
この夏の経験を経て、この先生は必ず自分の担当教科の授業スキルも間違いなく向上していると断言できます。
もちろん、生徒も徹底的に考えて成長しています。最後の授業で発表させるときが楽しみです。

石丸 貴史(いしまる たかふみ)
福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
高校での新学習指導要領導入を控えて、「カリキュラムマネジメント」・「I C T活用」を中心に、日々の授業改善に取り組んでいます。大学を卒業後すぐに会社員として塾・予備校業界で勤務をした経験も活かしながら、社会で活躍できる生徒を育てるべくどのような資質・能力を育成すれば良いかを試行錯誤しています。
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