最近の自分の中で主なテーマとなっており、このページでも少し書かせていただいた、アクティブラーニングから話題は少しそれます。
今回は、本校の総合学習の充実を図るためにワーキンググループが作られ、様々な企画を検討し、準備のために様々な人と会うなかで得られたことの1つを紹介したいと思います。
それがタイトルのNIEです。ご存知の方も多いと思いますが、Newspaper in Educationの頭文字を取ったもので、「教育に新聞を」をテーマに日本では1985年に新聞大会で提唱され、現在は新聞協会を中心に全国大会なども実施されているとのことです。また、世界80か国以上で実施されているそうです。詳しくは「NIE」で検索してください。
恥ずかしながら、私は上記の本校ワーキンググループで活動し始めるまで知りませんでした。
私自身は軽い思いつきで、「新聞を用いた総合学習が何かできないだろうか?」と言い出したことがスタートです。
最近の子ども達の「新聞離れ」に歯止めをかけるために、まずは新聞の社会における役割を知り、新聞の構成を知ることを目的にしよう!ということは、完全に後付けの理由です。
具体的には、様々な新聞を閲覧することで同じニュースでも新聞によって異なる視点で記事が書かれていることを知り、興味を持った記事をピックアップしてそれについて詳しく調べ生徒間で発表する活動から始まり、身の回りや社会で起きていることを新聞にしてみるという活動を昨年度の後期に実施しました。
正直言って、「暗中模索」という言葉がふさわしい手探り状態でした。
しかし、きっかけを与えると、子ども達の活動は私の想像のはるか上を行きました。図書室で複数の新聞を見ることはきっかけとして与えましたが、気になる記事に対して可能な限り過去の新聞を引っ張り出し、徹底的に調べていました。これについて発表すると決めたことについて、こちらが驚くほど詳しく調べ、しっかりした意見を確立し、堂々と発表しました。新聞にしてみる活動では、自分たちでアポを取り、質問項目を考え、そこで得られたことをうまく記事としてまとめました。中には、本校の学長に会ってインタビューをしたいと言い出したグループもありました。本校は大学の附属校なので学長といえば大学の学長で、私自身も年に数回お見かけする程度です。ただし、これについてはアポを取るための活動は全面的にサポートしました。
この様に書いてみると、最終的にはとてもスムーズに進んだように見えますが、うまくいったのは全てご協力いただいた地元の新聞社の方のおかげです。何度も足を運んでお話をさせていただき、メールのやり取りをして打ち合わせをしました。最初の方の回では来ていただいてご講演していただきました。また、生徒が発表する回でも来ていただいてご講評等を行っていただきました。常にバタバタした状態でしたが、迅速にかつ的確なアドバイスをいただき本当に感謝しています。
本年度の後期も同様の講座を行う予定ですが、今度は少し落ち着いて実施できるように、いまのうちから準備を行っています。そのひとつが「NIEアドバイザー」の方にお会いしてご相談させていただくことです。
つい先日、お会いしてきました。
当然、事前に時間調整はさせていただきましたが、放課後の時間を長時間にわたって割いていただき、昨年度の取り組みに対して多くのアドバイスをいただき、また多くの資料を提供していただきました。おかげで、今年度の実施に向けてイメージが膨らみいくつかの具体的な手法が発見できました。
情報収集をして、自分から行動を起こしてみると、世間にはアドバイスをくださり、助けてくださる方が多くいらっしゃることを、再認識できました。
アクティブラーニングについても、先日実践セミナーに参加して、「アクティブラーニング入門」(産業能率大学出版部)の著者である小林先生にお会いすることができ、いくつかの具体的なアドバイスなどを得ることができました。他にも懇親会として多くの先生方にお会いして、多くのヒントを得ることができました。この様な機会に参加するたび、日本の教育会の未来は明るい!と感じます。
石丸 貴史(いしまる たかふみ)
福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
高校での新学習指導要領導入を控えて、「カリキュラムマネジメント」・「I C T活用」を中心に、日々の授業改善に取り組んでいます。大学を卒業後すぐに会社員として塾・予備校業界で勤務をした経験も活かしながら、社会で活躍できる生徒を育てるべくどのような資質・能力を育成すれば良いかを試行錯誤しています。
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