先生にとっての 何だかとても大切なもの 子どもに届くメッセージを!先生のマイキャラクターはなかなかに語るのだということ
子どもたちが登校する前の教室にちょっとしたメッセージを書き置きしたり、放課後の教室の黒板にチョークを片手に向かったりすることはありませんか。
そのメッセージの傍らにいつも何かを添えていませんか。
そこにも私たちにとっての ちょっとしたものだけど大切なものがありそうです。
静岡市立中島小学校教諭・公認心理師 渡邊 満昭
キャラを添えたくなる感情
アニメやキャラククターはいまや日本を代表するもの。身の回りの企業や自治体、学校でもキャラクターを見かけることは多くなりました。そのものズバリなものから、えっこれが?というものまで本当にいろいろあるんだなと思います。
それは、「いろいろあるんだな、表したいものは何だろう」と思うくらいに、見ている側の私がなぜかキャラクターに注視していることの証でもあります。
この効果、私たちの現場でも上手に活用したいと思いませんか。
たとえば、あなたはマイキャラクターをお持ちでしょうか、自分の分身とも言えるような。
黒板やホワイトボードのメッセージのそばに添える、あのちょっとした自分の絵のことです。私の場合は、○に二つの点で目そして口、後は3本ぐらいの髪の毛を添えるぐらいの相当にシンプルなものです。
なぜ書き添えるようになったのかというと、ほとんどの板書のメッセージを口語調で書いていることに気がついたからです。自分の感じたことを書くこともあるので、なんとなくキャラを添えたくなる感情が湧いてきます。
キャラクターでは基本的な感情を表すのが簡単です。微妙な感情を描き分けられる方もいるのでしょう。でもそこには、今度は言葉を添えたくなります。両方あっていい感じというのが自分の今のスタイルです。
キャラクターのなかなかの効果
キャラクターを一つ持っていることで、変幻自在に自分の思いを文など色々な方法で子どもたちに伝えることが出来る気がします。
子どもたちは文のみの世界をあまり知らない印象を受けます。図書室で本を読む場合も添えてある画像のみを眺めているような子も多いのです。だから文章だけで伝えるのは特に年代の小さな子どもたちにとっては限界があるのでしょう。実は自分も物語を読み進めるのは苦手なタイプなので、文に添えるほんのちょっとのキャラ情報が頼りとなる子に肩入れしたくなります。
誰が言っているのか、どんな気持ちで言っているのか、その人の感情もキャラで表しながら伝えるということは、スマホの絵文字のような効果で、その情報を受け入れる・受け入れないの判断材料として子どもたちに届くように思っております。
ただし、あとで聞いてみるとメッセージよりキャラの印象を話すことが多いので、メッセージを確実に届けたいのならキャラはシンプルなくらいがちょうどいいようです。(自分の腕前ではおのずとシンプルになっています)
また、話の内容はすぐに思い出せなくてもキャラクターの紐付けができていれば、誰のどんな気持ちのメッセージなのかが再考しやすいのではと思います。
じゃあ顔写真でとか画像や動画をなぜ使わないのかというと、やっぱりそこまでの強めの圧というものでもないなと思うのです。簡単に言うと、少し気心が知れた中でだけどちょっとだけ知っておいて、ちょっとここは頑張ってなど、「ちょっと」がつくような感じの時、このキャラクターの効果で抜群に大きく好意を持って受け入れてもらえるように思っております。
教室の雰囲気とは思ったよりもとても微妙で繊細なものなので、こうした感じの微調整は常に必用でしょう。
マイキャラクターを持つことのすすめ
どうです、あなたもマイキャラクターはお作りになってはいかがですか。特にこれから教職を続けて行かれる方にとって、自分のキャラクターの一つや二つお持ちになるのは悪くないと思います。反対にレジェンドな先生方も「おっ!」と思えるキャラで画像世代の子どもたちのとの距離をぐっと縮めるのはいかがでしょうか。
もし思いつかないという時は、きっと隣の机にそういったキャラクターを作成するのが得意な方もいらっしゃるでしょう。お願いして、自分の特徴というか、取り柄というか主張というか、それに合ったキャラクターを作成していただき、使っていくのもありかなと思っています。
マイキャラで私たちの思いをなるべく分かりやすく、しかもちょっとしたユーモアを添えて、子どもたちに届けていくというのが、実はお互いにとって大切なことなのかもしれませんね。
渡邊 満昭(わたなべ みつあき)
静岡市立中島小学校教諭・公認心理師・学校心理士・環境教育インタープリター・森林セラピスト
いつの間にか、小中学校全学年+特別支援学級+特別支援学校+通級指導教室での担任を経験し、生徒指導主任+特別支援教育コーディネーター+教育相談担当経験も10年を超えていました。すると担任を離れたとたんに何かを忘れてしまって、担任に戻ってみると忘れていたことに気がつくということがたびたびありました。それはうまく言えないけど何だかとても大切なもの。先生を続けていくための糧のようなもの。
その大切なものについて、自分の実践と合わせお伝えしていこうと思います。
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