子どもの発想にびっくり【生活科:遊び名人になろう】
今回は生活科の「遊び名人になろう」の学習で、子どもの発想にびっくりしたことを書いていきたいと思います。
沖縄県宮古島市立東小学校 教諭 五條 晶
同じ材料でも違う遊び?
2年生では遊び道具を自分で作り、もっとうまく動くように、もっと楽しくなるように作り変え、試行錯誤を体験します。
また、1年生を招待して作ったおもちゃで遊んでもらいます。
そこでまず、学校や家にある段ボールや紙コップなどを使い、どんなおもちゃができるか作ってもらいました。
まずは一人で作っていましたが、やがて集団で大きなものを作りたいという声があり、何名かでやってOKとしました。
すると、おもしろい事に写真のような「ごっこ遊び」をする子が出てきました。写真はレストランごっこのようです。ただの紙皿が子どもたちの手によって美味しそうな料理に変わっていきました。
「紙皿でおもちゃを作る」と考えるときに、お皿を投げて的あてにするグループもありました。
みんなそれぞれ同じ材料でも、いろいろな遊び方を考える子どもの発想にびっくりです。
お会計はタブレットで?
ごっこ遊びをするグループで、びっくりした2つ目がお金を扱っているグループです。
段ボールでお金を作り、お客さんにお金を渡してから本当のお店屋さんのように、お金のやり取りをしていました。
メニュー表には、ラーメン1000円、チャーハン50円、ジュース50円などそれぞれ金額が書かれていました。チャーハンが少し安すぎますが、、、
さらに、びっくりしたのが、お会計をタブレットを使って計算しているところです。写真はちょうどそのシーンとなります。まさに時代を感じました。
お客さんの注文を聞いて、「合計いくらです!」「おつりは何円です!」と明るい声で店員役をする子どもはいきいきしていました。
待ち時間はタダでは待たさない?
低学年は待つのが苦手です。大人でもご飯の前に並んだり、待つことが好きな人は少ないですよね。
そんな時間を有効活用している写真がこちらです。本やタブレットを使って、待っているお客さんを逃さない作戦を発動していました。これにはびっくり。
こんな発想を自分たちで考えて、どんどん実行するところが見ていてとても面白いですし、どうしてそんなことを思いついたのか興味がわきます。
おかげで、1年生を招待したときに、並んで待つ子は楽しそうに読み聞かせを聞いたりして待っていました。お客さんを待たせない心まで持ち合わせているなんてすごいお店です。
おもちゃ作りから学べる事
おもちゃ作りから学べることは、まず試行錯誤の仕方です。
おもちゃは作りは遊びなので失敗のハードルがとても低いです。
失敗してもすぐ立ち直って、「じゃあこうしよう!」となりやすいのです。
これが中学年や高学年の勉強となってくるとまた違います。
失敗のハードルが高くなり、一回失敗すると「僕は勉強できないんだ」と落ち込む子がいます。
それを減らしていくためにも、低学年の生活科は重要です。失敗しても切り替えて次どうするか考えるという試行錯誤の力を養うことができます。
また、今回の1年生を招待することで新たな気づきが生まれます。
「お客さんはどうしたら喜んでくれるかな?」というテーマから、おもちゃを作り直したり、タブレットでお会計の時間を短縮したり、待つ時間の工夫をしたりといろいろなことに気づき工夫していきます。
そんな力をどんどん養うことができたらいいなと思います。

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