2021.10.21
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「不易流行」 時代に対応した力量と変わらず求められる教師の力

今、教育の急激な変化を、自宅のリビングにいながら実感している私です。
同時に、ただ時代は移ろうても、変わらず求められる教師の力っていうのがあるのではないかと思うのです。

浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 子どもコミュニケーション学科 教授  前浜松学院大学短期大部 幼児教育科 特任講師 川島 隆

はじめに

「つれづれなるままに、日暮らし硯に向かひて 心にうつりゆくよしなしごとを」
(何もすることもなく手持ちぶさたなのにまかせて、一日中、硯に向かって、心の中に浮かんでは消えていくとりとめもないことを)

とは言うけれど、日々の生活の中で、そんな暇な状況があるわけではなく、毎日あくせく働いているのが現実ではないでしょうか。

ただ、こんなゆったりとした心持ちで、あれこれと思索する、自由に思いを巡らす時間を少しでも持ちたいものだなどと思いながら、ネットサーフィンをしていたところ、出会ったのが、まさに「つれづれ日誌」でした。これは面白そうだと心のウキウキドキドキが止まりませんでした。
そうして、話はトントン進み、今回貴重な執筆の機会をいただくこととなりました。静岡県の浜松学院大学短期大学部に勤務しております 川島 隆と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

最近の我が家の子どもたち

さて、今回からスタートするというものの、十月も折り返し地点を迎えた今、小中学校では何が問題となっているんでしょう。どんな話題で職員室が盛り上がっているのでしょう。秋の運動会の種目のことでしょうか。ギガスクールに対応する授業づくりでしょうか。学習発表会や音楽発表会のことでしょうか。
3月末で小学校現場を離れた私には、そうした職員室の息遣いが感じられません。
そこで。私の家庭の話題で恐縮ですが、一番身近なところからスタートしようと思います。

近頃、小学生の息子が、タブレットを学校から自宅に持ち帰って来ては、にらめっこ。
何を見ているかと覗いてみると、運動会で踊るダンスの動画が映し出されています。
先生がお手本に踊っている動画です。
学年の皆、それぞれ家庭でその動画を見ながら繰り返し繰り返し練習しているのだといいます。Withコロナの時代ですね。

また、あるとき、同じく息子。タブレットの画面に向かってリコーダーの練習をしています。
「何している?」と尋ねると、「しー」と、口に指当てて応えます。リコーダーの練習の様子を録画し、提出せねばならないと言うのです。
いやぁ、そういう課題もあるんですね。私の注意する声も記録されたりしているかも。

一方、中学生の娘。結構上達したタイピングで何かパチパチ打っています。
タブレットで毎日の日記を書いて提出することを習慣としているようです。そりゃ、タイピングも上手くなるはずです。
またあるときは、タブレットの前で固まっています。
職業体験の動画をタブレットで作ることが課題になっているのだと言い、頭を悩ませているのです。

「不易と流行」

いずれの姿も、昨年度は、全く見られなかった子どもたちの姿です。
時代遅れな私には、想像だにしませんでした。
この教育の急激な変化を、今、自宅のリビングにいながら実感している私です。

そして、
「不易と流行」
芭蕉が説いたといわれる、この言葉の重みをあらためて感じています。

時代に対応した力量を教師は、身に付けていかねばなりません。
同時に、ただ時代は移ろうても、変わらず求められる教師の力、必要とされる力っていうのがあるのではないかと思うのです。
それって一体何でしょう?

そんなことを、これまでの小学校教育現場での経験や今現在、私が勤務している短期大学の現場での出来事をもとにしながらつれづれ語っていきたいと思います。
Key Wordは、「教師の五感を磨く」です。
五感とは、視覚(見る)、聴覚(聴く)、味覚(味わう)、嗅覚(嗅ぐ)、触覚(皮膚で感じる)ですね。
この言葉から、この後の話を進めて参りたいと思います。
ぜひ、つれづれにお付き合いください。

川島 隆(かわしま たかし)

浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 子どもコミュニケーション学科 教授
前浜松学院大学短期大部 幼児教育科 特任講師


2020年度まで静岡県内公立小学校に勤務し、2021年度から大学教員として、幼稚園教諭・保育士、小学校・特別支援学校教員を目指す学生の指導・支援にあたっています。幼小接続の在り方や成長実感を伴う教師の力量形成を中心に、教育現場に貢献できる研究と教育に微力ながら力を尽くしていきたいと考えております。

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