2020.11.02
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面談で大切にしたいこと

学校では、様々な時期に、様々な目的で面談をすると思います。生徒との個人面談から保護者面談、三者面談、四者面談など、その形態も様々です。今回は、生徒との個人面談で大切にしていることをまとめてみました。

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭  山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路

話をしやすい環境

まずは面談の内容以前に、環境を整えることが重要です。

(1)呼び出し方にも注意
「〇〇さん、面談するので来てください」と言われるだけでもプレッシャーを感じる生徒もいます。また、周囲の人に「何かあったのかな?」などと勘繰られるのが嫌だという生徒もいます。これから面談で話を聞こうというときに、始める前からマイナスの感情を抱いてのスタートは避けたいものです。状況によっては周囲に気づかれない配慮や、事前に面談の目的をきちんと伝えて安心してもらうことが大事だと思います。

(2)場所も大事
廊下や職員室の喧騒の中で話を聞いたのでは、周囲が気になって落ち着いて話をすることはできないと思います。また、面談が終わって部屋を出たところに大勢の人がいたというのも考えものです。落ち着いた静かな環境で、話をする方も、話を聞く方も、安心できるというのがポイントです。

(3)時間は十分に確保
〇分くらいと決めていても、時間内に終わらないこともあります。せっかく話始めたときに時間切れで話が聞けないのは残念です。また、時間を気にして、強引にまとめてしまうのも良くないと思います。内容にもよりますが、特に、あまり話すのが得意でない生徒と面談する場合や、話しにくい内容を面談する場合などは、時間に余裕を持って設定することが重要です。個人的には、面談する場合、20分以上確保できるタイミングでするよう心がけています。時間の基準は、校種や個人の状況によってまた変わってくると思います。

(4)机配置も様々
面談時の机の配置なども様々なバリエーションが考えられると思います。真正面から対面して行うとやや高い緊張感が生まれ、何かを一方的に通告するような場面では有効かもしれません。ただ、受容的な態度で相手の話を引き出したい場合などは、なるべく対面しないように4人掛けの机・椅子にあえてずれて座ったり、2人で同じ方向を向いて座ったりするような配置が有効だと思います。

実際の面談の中で

環境を整えたところで実際に面談するわけですが、その中で大事にしたいことをまとめてみます。

(1)直接知った一次情報を大切に
別の先生が面談して聞いた話などを正確だと思い込んで話をするのは避けたいものです。「〇〇先生が△△くんから聞いたらしいんだけど……」などということだと「伝聞の伝聞」であり、細部まで正確ということの方が少ないのではないでしょうか。どうしても必要な情報であれば、自分で△△くんに話を聞いてみることが必要だと思います。

(2)主訴を見極める
高校生は多感な時期であり、様々なことを経験し思い悩んでいる生徒が多いと思います。そうした中で私たち大人に様々な形でサインを送ってくれるわけですが、それが分かりやすいものばかりとは限りません。例えば「〇〇〇〇という嫌なことがあった」という訴えであっても、ある生徒は「先生から直接的に支援してもらって解決に向けて動きたい」、ある生徒は「気の置ける友人がいなく、その先生が一番話しやすかったから世間話程度に話しただけで、そこまで大きなこととして捉えていない」、また別の生徒は「担任の先生に何かしてほしいんだけど、直接言いにくいから別の先生に言った」などというケースもあるわけです。

どれがその生徒の主訴なのか?そこを見極めずに、「こういうケースはこういうやり方」と杓子定規な対応をとってしまうと、訴えに反応しているように見えるだけで、実際はその生徒の気持ちがくみ取られていないということもあります。

(3)生徒が話している時間を長く
面談の中で教員が話している時間が長いのでは、面談というより説教とでも言うべきでしょう。なるべくいろんな気持ちを話してくれるように普段からの信頼関係づくりも大切ですが、同じことを聞くにしても様々な角度から質問の仕方を変えてみるなど、話したくなるような面談を心掛けたいものです。生徒が話し始めたら遮らないとか、話した内容を「いや……」と否定で返さない、時間を気にしてまとめようとしない、といった基本的なことは最低限守るべきだと思います。

(4)面談で得た情報の扱い、約束は守る
様々な工夫をして実のある面談ができたとしても、その後の行動ですべてが水の泡ということもあると思います。特に気をつけたいのは、面談で知った情報の扱いです。例えば、「担任でない先生が面談で聞いた内容を担任に伝え、それが担任から本人に伝わる」というケースがあります。面談した先生も、担任の先生も悪気はなく、生徒のために何かしようと考えたとしても、場合によっては「話しにくいことを何とか打ち明けたのに、もう別の人に広まっている……」といった不信感に繋がることもあります。自分以外の先生にも共有した方が良い内容である場合は、面談時に「〇〇先生にも伝えて、一緒にサポートしてもらっていい?」とか「〇年生の先生方にも伝えて、授業のときにも気にかけてもらうようにしても大丈夫?」といった具合に、情報を他者に伝える内諾を得ておくと良いでしょう。
 
ただし、非常に深刻な内容で自分一人で抱え込むのが不可能なのに「絶対秘密にしてほしい」というケースもあるかもしれません。そのような場合は本当に秘密にするのではなく、他の先生や大人と共有することのメリットや、その範囲を必要最低限に留めることなどを伝え、誰かに伝える内諾が得られる方向に話を進める必要があると思います。


ということで、自分自身が面談で気を付けていることをまとめてみました。ただ、お互いに人間ですから、理屈通りにいかないのが常でもあります。基本は大事にしながらも、一人一人に合わせた面談を設定していく必要があると思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

高橋 英路(たかはし ひでみち)

前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭


クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。

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