2020.04.30
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

休校中に大切にしてほしいこと

事態が刻一刻と変化する状況です。
ご家庭で休校中に大切にしてほしいことをまとめました。
4つご提案したいと思います。

兵庫県公立小学校 教諭 羽渕 弘毅

①学習はゴール思考で

学校からの課題がある場合が多いと思います。
休校が長引き、学習へのモチベーションが保ちにくい状態ですよね。
前回よりも課題が多くなって大変という声も聞いています。
勉強の量も大切ですが、質は量に比例しません。(特に小学生は)
『プリントを5枚する』というプロセス思考より『学校が再開するまでに、割り算20問を間違い2個以内で解けるようにする』というゴール思考で学習を進めていくのはいかがでしょうか。

  •  シンプルで
  •  数字の入ったゴール
  •  期間を決めて

そのゴールを達成するために、どのような計画が必要であるかを考えたり、計画を修正したりできるような声掛けをご家庭でもしていただけるとうれしいです。
このような経験が、『粘り強さ』や『自己調整』につながるはずです。
あくまでも、課題はゴールへの道具。
時には大人の助けを借りながら、ゴール達成に向けて、道具をうまく活用してほしいと思います。

②夢中になる時間を大切に

時間を忘れて夢中になれる時間はありますか。
本を読んだり、体を動かしたり……。
このような状況ですが、ふと子どもたちがそんな状況を忘れてしまうような時間は大切にしたいですよね。
もちろん、お家の方が夢中になる時間を同様に大切にしてくださいね。

③どう遊ばせるかよりも、どう仕事を任せるか

家庭で過ごす時間が長くなり、互いにフラストレーションが溜まっていませんか?
外で遊んでおいで!とも言いにくい状況で、困ってしまいますよね。
では、家庭での仕事を積極的に任せてみましょう。
子どもたちは意外と家庭での仕事を知らないことが多いです。
そして、意外と家庭での仕事を任されるとうれしかったり、上手になったりします。
洗濯物を取り込むにしても昨日よりも今日、今日よりも明日は……のように取り込み方の工夫を考えることもできます。
子どもを信頼して、お家のお仕事を任せてみませんか?

④心のケア

最後はこれです。
今の生活の中で困っていることを聞いてあげたり、普通の生活が戻ってきたらしたいことを作文にしたり、子どもたちの内面をどこかで表現できる機会を設けてほしいと思います。   
大人が想像できないようなストレスを抱えている場合もあります。
ほんの少しでいいので、今の気持ちをストレートに伝えられる、伝え合うことができる時間があれば素敵だなと思います。

Learn from yesterday, live for today, and hope for tomorrow.
(A. Einstein)

医療従事者をはじめ、最前線でさまざまな対応に当たっている皆様に感謝の意を込めて。

羽渕 弘毅(はぶち こうき)

兵庫県公立小学校 教諭
専門は英語教育学(小学校)、学習評価、ICT活用。 広島大学教育学部を卒業後、高等学校での勤務経験を経て、現職。 これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。 働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科修士課程)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。 自称、教育界きってのオリックスファン。

同じテーマの執筆者
  • 酒井 淳平

    立命館宇治中学校・高等学校 数学科教諭(高校3年学年主任・研究主任)

  • 神保 勇児

    東京学芸大学附属大泉小学校 教諭

  • 宮澤 大陸

    東京都東大和市立第八小学校

  • 五條 晶

    沖縄県宮古島市立東小学校 教諭

  • 古市 剛大

    岡山県赤磐市立桜が丘小学校 指導教諭

  • 長田 夢

    北海道旭川市立末広北小学校 教諭

  • 石川 雄介

    沖縄県那覇市立さつき小学校 教諭

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop