まず、現場の教師でできる「働き方改革」
多忙化する学校教育に「働き方改革」はいつくるの?
前回に引き続き「Kahoot!」の紹介ですが、今回は「Kahoot!」の利用が「働き方改革」「業務の効率化」につながるということをお伝えします。
ユーザーが増えれば増えるほど便利に。そして学校を、先生をあなたが救えます。
大阪市立放出小学校 教諭 大吉 慎太郎
いきなりですが、想像してみてください。
放課後の職員室。
会議、保護者への連絡、テストの採点が終わり、ようやく授業の準備ができる。練習問題を探そうと、学校で購入しているプリント集をペラペラめくり、めぼしい問題を見つけると付箋を貼り、印を付けていく。ひと通り済んだら印刷しようと席を立ち、印刷機の前へ。印刷機のボタンを押し、シャッ、シャッという音をするのを聞きながら出来上がったプリントの束を1組の分、2組の分……、と分けて重ねていく。「今日は何分、印刷機の前にいるのだろう」などと思いながら。
おそらく、教師をやっている方なら毎日のようにやっている作業です。この時間、少しでも減らしたいとは思いませんか。
実は前回にお伝えしました「Kahoot!」は、それを改善する可能性を秘めています。
Kahoot!で全国の先生と問題を共有

出典元:Kahoot!
前回はICTを活用した授業という視点で「Kahoot!」を紹介しました。今回は、「働き方改革」、「業務の効率化」という視点で「Kahoot!」の活用を考えていきます。
さて、冒頭の場面ですが完全に無くすことは今の時点では難しいと言わざるを得ません。ならば、少しでも減らしていくことを考えていくことが必要です。前回の投稿をみてアカウントを作成した方は、「Kahoot!」にログインしてください。検索バーがあるので、そこに学年や教科、単元を入力すると、世界中のユーザーが作成した問題がずらっと出てきます。良さそうな問題があればすぐに使用することができます。
「ちょっと待って。そんなのKahoot!じゃなくても、すでにWEBで検索している」
「当たり前のことすぎて、期待外れ」
って思いましたよね。そう、検索して問題を探すくらいなら今までもしていたことで、特別なことではありません。「Kahoot!」真価は、「問題を探す」ときではなく、「問題を選ぶ」ときに発揮します。
SNS全盛時代!「いいね」で働き方改革

出典元:Kahoot!
昨今、SNSが普及して久しいですが、「いいね」という機能をご存知でしょうか。SNSの種類によってさまざまですが、平たく言うと「わたしはこの投稿を気に入りました」という「お気に入り」の意思表示です。それらと同じく「Kahoot!」では、使用して気に入った問題、学習者の反応が良かったと感じた問題を「☆Favorite」に登録することができます。これでいつでも「お気に入り」の問題にアクセスすることができます。しかし、これではまだ「お気に入り」の効果を十分に生かしているとは言えません。
その機能が十分に生かされるのは「問題を選ぶ」ときです。前述のとおり、ほとんどの方はWEBで検索をしたことがあるでしょう。しかし、情報が氾濫するネットの世界では、選ぶことにも労力を要し、信頼できるものか判断するのも難しくなっています。その一つの信頼の指標として「お気に入り」を活用することができます。
「Kahoot!」では、「お気に入り」のほかにも、「○○plays(使用されている回数)」や「作成された日」、「作成者」も信頼の指標として参考になります。また、作成者としてもこれらの目に見える指標はモチベーションの向上になります。教師の仕事の成果はなかなか見えないものも多いですが、数字で表れると良い問題を作り出す意欲にもつながりますし、それがまた多くの教師の助けにもなります。
さあ、あなたもKahoot!の輪に加わろう
上記のような点は、グルメサイトなどで経験したことがあるのではないでしょうか。そのため、難しく考える必要はありません。そして、それらと共通するのが、ユーザーが信頼を作り上げ、ユーザーの信頼が別のユーザーの助けになるという点です。つまり、ユーザーが増えるほどに利便性は増していき、ユーザーの手でより良いものにできるということです。
「Kahoot!」を使用すると、あなたの学校はもちろん、全国の学校が助かります。「問題を作る」ことに自信がなくても、時間がなくても大丈夫です。良い問題を見つけたときに「お気に入り」に登録する、いや、問題を「使用するだけ」でも、誰かが「問題を選ぶ」ときの信頼につながります。
あなたもぜひ「Kahoot!の輪」に加わってみませんか。
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大吉 慎太郎 (おおよし しんたろう)
大阪市立放出小学校 教諭
教務主任として「学校の業務の改善」と「行事の精選」を行なっています。また、「プログラミング教育」や「ICTの推進」にも取り組んできました。授業におけるICT活用についての実践を多くの先生と共有しあっていきたいと考えています。
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