スポーツドリンクは効果的に! 「神は細部に宿る」のです!!
アジサイが美しい時期になりました。魔の6月、どうだったでしょうか?うまく乗り切った学級、ちょっと困っている学級、様々かもしれません。ちょっと困っていても、今ならまだ間に合うと思います。惰性で夏休みに入るのではなく、良い流れを作って夏休みに入りたいものです。この時期は、先人の素晴らしい言葉でいきましょう。それは「神は細部に宿る」。
熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二
スポーツドリンクも摂り過ぎてしまうと。。。
前回「冷やしたスイカに塩をかけるとより美味しいのです」を書かせていただきました。今は、スポーツドリンクを冷やすと水分・糖分・塩分を一気に摂取することができます。とっても便利な飲み物です。スポーツをする場合には欠かせないです。
しかし、スポーツドリンクも飲み過ぎると、糖分・塩分を摂り過ぎてしまいます。便利であるからといって、安易に使わず、効果的に摂取することが大切です。学級づくりに置き換えてみると、ほころびが見えているのにサラッと流してしまう、許してはいけないところをスルーしてしまう、というところでしょうか。
古今東西「神は細部に宿る」し、「小事は大事」なのです
楽をして、スポーツドリンクだけで6月を乗り切ろうとしていませんか?
「神は細部に宿る」
ドイツの建築家ミース・ファン・デル・ローエが使っていたことから広まった言葉です。ディテールにこだわってこそ本質にたどりつける、だから細かいところにまで気を配らなければならない、こんな意味ですね。これは建築に限った言葉ではなく、もちろん学級経営でも大切なことです。こんなことくらいならいいだろう、この安易さが崩れを生みます。
似たような言葉に「小事は大事」があります。老子の「大事は小事より起こる」から派生しています。
伊達政宗は「物事、小事より大事は発するものなり。油断すべからず。」
フランスのことわざ「小さな原因、大きな結果」
韓非子には「千丈の堤も螻蟻の穴を以て潰ゆ」
野村克也氏は「小事が大事を生む」
古今東西、小さなことの積み重ねが大切であると言っているのです。
アンテナをより高くして
〇トイレのスリッパはならんでいるか?
〇忘れ物が多くなっていないか?
〇黒板の溝はきれいに清掃されているか?
〇ノートの字が雑になっていないか?
〇廊下を走る子どもが増えていないか?
〇授業中に「お手紙」のやりとりなどしていないか?
〇授業中の私語が多くなっていないか?
まだまだありますが、4月に取り組もうとしたシステムが崩れていないか、アンテナを高くして、ディテールをチェックしていきましょう。特に「揃うことは美しい」ことを、体験を通して実感させましょう。そうすると「揃わないと美しくない」ことが見えてきます。うまくいっていると思っていても、細かいところでは意外なほころびがあります。積み重ねていくことは大変で、時間も手間もかかりますが、くずれるときはとっても速いですよ。
雨の日が多くなるので、休み時間外で遊ぶことができなくなります。廊下や階段を走る、室内であばれる、などの理由から、けがが多くなることがあります。大きなけがにつながることもあります。「小さなトラブルはあったが、大きなトラブルにならなかった」と書かれたレポートを見ることがあります。小さい・大きいは大人の規準です。大人にとってはとってもたわいないこと、例えば給食のおかわりのルールなど、「どっちでもいいじゃん」と大人は思いますが、子どもにとっては大きな問題なのです。けがには大小はあるでしょう。しかし、大けがをしたから「大きなトラブル」ではありません。トラブルに大小はありません。「小さく見える」ことに目をつぶらず、アンテナを高くして、学級を、子どもを見直してみましょう。
「神は細部に宿る」この時期、大切にしたい言葉です。

笹原 信二(ささはら しんじ)
熊本市立龍田小学校 教諭
37年の教師人生を終えたが、もう少し学びたく再任用の道を選択。過去の経験を生かしつつ、新しいことにもチャレンジしていきたい。
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