2019.02.04
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リトミックって?

リトミックは、ダルクローズが創案した音楽教育法です。昨今、幼稚園、保育園の音楽活動でも行われています。
そのため、保育者養成校の授業に取り入れているところが多いです。

東京経営短期大学こども教育学科 専任講師 岸 久美子

「リトミック?はぁ〜?知らね〜」

「リトミックという言葉、聞いたことありますか?」リトミックの初回の授業時に聞くと、ほぼこんな言葉が返ってきます。という私も、実際に勉強をするまでは、
「音やリズムに合わせて身体を動かす」程度のイメージしかありませんでした。
以前の勤務校で、リトミックを授業に取り入れる話が出ました。しかし、私は音楽大学を出ていてもリトミックの経験がない為、授業を担当することはできません。そのため、勤務校にお願いをして、月1回4年間、その後平日の夜週2回1年間、合計5年間リトミックの学校に通って勉強をし、資格を取りました。
前回のつれづれ日誌についてを書く際に、ご協力をお願いした保育士さんとは、このリトミックの学校で5年間、一緒に勉強をしました。そして今も一緒に、別のリトミックサークルで、勉強を続けています。

そもそもリトミックって何?

リトミックとはスイスの音楽教育者であり、作曲家でもあったエミール・ジャック・ダルクローズが創案した音楽指導法です。
ダルクローズの音楽教育法は、からだを動かす経験を通して、音楽を感じ取り、表現をします。
以上のことは、文献等に出ていると思います。ダルクローズの考えが丁寧に書かれている専門的な本もあります。
しかしここでは、リトミックの学校で、どんなことをしたのか、保育園のリトミックでどんなことをしているのかをお話しします

リトミック…実践

リズムを打ち、そしてステップ(リズムに合わせて歩きます)。
曲や打楽器のリズムに合わせて行います。
何と言っても、リトミックと言ったら『即時反応』です!
音が止まったら、動きを止めます。例えば、保育園では、指導者が音を止めたら、子ども達も動きを止めます。
曲や音の変化による動きの例は以下です。
<速度>
ゆっくり→大きな動き
速い→細かい動き
<強弱>
大きな音→大きな動き
小さな音→細かい動き
<高低>
高い音→細かい動き
低い音→大きな動き
子どもたちには、
大きな動き→ぞうさんみたいに
細かい動き→ありさんみたいに
などと説明しています。もちろん、保育者を養成する授業でも、卒業後に園で実践できるよう、同じように説明しています。

なぜリトミック?

リトミックを行うことで、コミュニケーション能力アップ、社会性が身につくと言われています。
1人で動くこともありますが、ペアやグループで動くこともあります。当然ながら、コミュニケーションが必要になります。また、一緒に動く以上、相手に対して、思いやりの気持ちが必要になります。
リトミックの対象は、子どもだけではありません。私の周りの知人やリトミックの先生は、特別養護老人施設などでもリトミックを行なっています。海外では、「通院じゃなくて、リトミックに参加したら?」と、お医者様がおっしゃるところもあるそうです。

リトミックは、体を動かしながら遊び感覚で自然に音楽を学ぶことができるので、幼稚園や保育園でも取り入れられているのではないのでしょうか。

岸 久美子(きし くみこ)

東京経営短期大学こども教育学科 専任講師
保育者養成校で、音楽と実習関連科目(保育実習・教育実習)を担当しています。保育の現場における音楽活動を通して、幼保一元化、幼保小連携・接続について研究中です。

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