2018.12.06
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「ボーっと授業してんじゃねーよ!」にならないために大切な3つのこと

いきなりのフレーズで驚かれた方、これはNHKバラエティクイズ番組「チコちゃんに叱られる」のチコちゃんのセリフ「ボーっと生きてんじゃねぇよ」をもじったものです。以前の私の記事に登場させました。今日は、その続編。「ボーっと授業」を未然に防ぐ視点と方法を提案したいと思います。

兵庫県公立小学校勤務 松井 恵子

1)教師の喋りは4割5分までと心得よ

『ボーっと授業』の未然防止の1つ目は、授業中、教師の話す時間と子どもの話す時間がどんな割合で行われているかを意識するということ。教師が4割5分でも多いかなあと思いますが、子どもの発言に切り返したりするとおのずと増える。ただ、ずーーっと教師が話してまとめているのは、子どもの思考力が伸びません。だから感覚として半分以上の時間を教師が喋っているかどうか考えてみてください。半分以上の時間を教師が喋っているなあと感じたら子どもの考える時間を奪っていると言っても過言ではありません。
きっと良かれと思って頑張って説明している人もいることでしょう。「今この授業内容をできるようにさせたい」「わかるようにさせたい」と思う気持ちから喋りすぎてしまっているのでしょう。その子どもを思う気持ちは良いことです。でも子どもの自立心を促すことが小学校教育の責務であることを教師が自覚してほしい。

自立のためには、“自分から考える力=思考力”を身につけさせなければ!そして考えようという前向きな姿勢=人間性・生き方を持たせなければ!もちろんただ喋らせたら良いというものでもないですし、教師の持つ教育観を開花させることが大事です。でも、とりあえず、私の今言っていることが理解しづらいと感じているなら、まずは子どもに考えさせ、喋らせるという方法から入ってみてください。ボーっと授業しない一つのバロメーターとして、教師の喋りは、半分以下の時間に!

2)板書を磨け

『ボーっと授業』の2つ目は、スカスカの板書です。
まず、基本的なことを
板書は、1時間で1枚完成です。誤字脱字以外、決して消してはいけません。それは研究授業の時だけではありません。毎日、毎時間です。1時間の授業の流れと共に板書されていき、学びを残すものなのです。学びというのは、本時の目標に迫るものです。
・既習内容などの全体で確認すること
・課題(子ども自らが欲する問いであって欲しい)
・疑問
・意見
などがあげられます。そして、板書には、子どもの発言を残しましょう。スカスカなのは、子どもの発言を書いていないことが多いです。子どもの発言・発表から本時の目標に繋がる大切な疑問や意見を板書に残すのです。また、板書は子どもが思考をつくる上の大切な視覚的支援となります。級友の意見と比べて自分の考えを再構築できるように、板書をつづりましょう。バロメーターとして、黒板の8割はつまっているようにしましょう。

3)本質を見抜く人になることを求めよ!

上記の2つのようにするには、①子どもに何をしゃべらせて、②板書に何を書き残すか、そのための情報処理能力が教師には必要です。それを磨くには2つ。

1つは、教材研究あるのみ。もう一つは価値観を更新し続けることです。

教材研究といっても、指導書を読むのではありません。まずは、学習指導要領解説を読みましょう。読み込みましょう。そして、次に、算数や理科については、教科書比較を行うことも、お勧めです。同じ単元でも、教科書によって微妙にちがうのですが、その中に、各社の意図があり、その意図のどれが自分の思いと似ているかなど参考にして考えることができます。
価値観を更新し続けるには、良い授業を見ること。そしてその上に授業を見せること。授業は見るだけでは、見る視点が増えにくいです。自分で見せる授業をやってみて、その上で授業を見ると、その授業のすばらしさ、課題の見える範囲が増えていきます。それを参考にまた、授業をやる。そして見る。するとまた、見えてくる。思い返すと、私は新任研から、毎年、産休に入る前日にも、研究授業を行ってきました。教科は色々です。算数、国語、生活科、理科の研究授業や特別活動の実践発表など。毎年、何かを見せてきました。

楽しい授業。それは、教師が自己更新することを楽しむことが土台となっていると思います。本物の笑顔の授業を子どもとつくってほしいです。学ぶ楽しさを、教師自らが感じ、子どもと共に授業をつくっていってほしい。かけがえのない授業、時間。『ボーッと授業』から『笑顔の授業』に、していきましょう。

松井 恵子(まつい けいこ)

兵庫県公立小学校勤務


兵庫県授業改善促進のためのDVD授業において算数科の授業を担当。平成27年度兵庫県優秀教職員表彰受賞。算数実践全国発表、視聴覚教材コンクール特選受賞等、情熱で実践を積み上げる、ママさん研究主任です。

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