2018.09.25
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リフレーミングで見方を変える

前回、SWOT分析を行い、内部環境である自分の強みと弱み、外部環境の機会と脅威について考える方法を述べました。学生や社会人受講生と、SWOT分析を行うと、「弱みはたくさんあるけど、強みがない。」という答え、自己評価が低い場合が大半です。そこで枕ことばに、「日本人は謙遜が良いと考えますが、思い切って自分の良いところをアピールしてくださいね!」と言いながら行います。
しかし、留学生たちも、「良いところはない」と言うので、「あれ?わざわざ留学をして、頑張っているのに?」と、聞くことが多く、非常に気になります。
これは国内外を問わず、子どもの頃から注意をされることが多く、誉めてくれる人が少ないということでしょうか。
急増しているアジア諸国からの留学生の場合は、来日後に母国の文化の違いや社会経済状況、技術等の国家間の格差などを実感するでしょうし、日本語学校、アルバイトなどでの戸惑いや叱られることが多々あるのでしょうか。

そこで、今回は、リフレーミングの技法を使い、ネガティブなことをポジティブに捉えていく方法をお伝えしようと思います。

東京福祉大学 国際交流センター 特任講師 赤羽根 和恵

リフレーミングとは何か

リフレーミング(reframing)とは、ある枠組み(フレーム)で捉えていることを、その枠組みを外し、新たな枠組みで捉えることによって、今までとは違ったものの見方が出来るようになることです。
効果としては、否定的な解釈を肯定的に捉えることによって、感じ方に生じる変化です。
例としては、コップに入った半分の水の話があります。
これはコップの水を、「もう半分しかない」と捉えると悲観的に感じられますが、「まだ半分ある」と楽観的に考えると、新たに何かを成し遂げることが出来るようになるという例えです。
他にも見方を変えて、関係の改善に役立てることが出来る場合があります。
私は、飼い始めた猫がなかなか懐いてくれなかったため、「臆病な性格の猫」と考えていました。それを獣医師に話したところ、その獣医師は子猫に向かって「そうか、君は慎重なんだね」と言ってくれたのです。
私のはっとした経験以来、学生に対しても同様に、「うるさい」→「元気が良い」と、頭の中でリフレーミングをするようにしています。
最初は面倒でしたが、習慣になれば腑に落ちることもあり、やがて自然に出来てきました。
また、そのように良い言葉を伝えると、学生にも良い変化が生じ効果を感じています。

感覚体験の「意味」と「状況」を考える

人は、何かの感覚体験を不快だと感じる時、その感覚体験自体が不快なのではなく、それを引き起こす反応を不快と感じています。
これを理解した上で、「意味」や「状況」をリフレーミングするには、どうしたら良いかを考えます。
「意味」のリフレーミングとは、今抱えている問題が、「肯定的な意味を持つ」枠組みになるには、どうするかを考えることです。
次に、「状況」をリフレーミングするには、今抱えている問題が、「どういう状況でなら問題ではない」のかを考えます。
こうして、物事をさまざまな角度で考えることが出来るようになると、気持ちにも余裕が生まれ、人としての幅も広がっていきます。

リフレーミングをしよう

普段使う言葉を、リフレーミングしてみましょう。

  • 飽きっぽい → 新たなチャレンジをする
  • いいかげん・適当・だらしない → こだわらない
  • 勝ち気・負けず嫌い → 向上心がある
  • 気難しい・頑固・マイペース → 自分らしさを持っている
  • 暗い・おとなしい → 思慮深い
  • 子どもっぽい・幼い → 天真爛漫
  • 騒がしい・うるさい → 元気
  • しつこい・執念深い → 粘り強い
  • 外面がいい・八方美人 → 社交的
  • 泣き虫 → 感受性が強い
  • のんき → おおらか・おっとりしている
  • 反抗的 → 自立心がある
  • ふざける・調子に乗りやすい → ノリがいい

自分が普段良く使う言葉や、身近な人の特徴を書き、リフレーミングの練習を行ってみてはいかがですか。

終わりに

相手を変えることは難しくても、相手に対するネガティブな感情は変えることは可能です。
起きてしまったことも、それ自体は変えられませんが、これもリフレーミングによって捉える枠組みを変えると、ネガティブなこともポジティブに考えられるようになります。
リフレーミングを上手に使い、学生対応や同僚、友人などとの関係性を変化させると、良好な人間関係への助けとなることでしょう。

4月から10回に渡り寄稿致しましたが、10月から業務が忙しくなるため、今回で連載はお休み、時々投稿をする形式に変わります。
みなさまの仕事が順調でありますよう、学生と共に成長していかれますよう念じております。
半年間ありがとうございました。

赤羽根 和恵(あかばね かずえ)

東京福祉大学 国際交流センター 特任講師
経営学・経済学が専門ですが、留学生クラスの担任も兼務しています。これまでの企業経験、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーとしての視点も生かせるよう心掛けています。

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