6年「拡大と縮小」図形カードゲーム
図形領域の指導は、かくことばかりに指導が及び、図形に関する感覚を十分に豊かにするまでに至らない場合も多い。技能や知識習得に留まらず、自ら着眼点をもち、図形の性質を見いだす力を、時代は求めており、そのための授業づくりをご紹介します。
兵庫県公立小学校勤務 松井 恵子
図形カードゲームその1で既習事項に新鮮に出会わせる。
図形カードゲームその2は「同じ形なら当たり」
教材の吟味も十分に。
① 図形の吟味
図形カードゲームその2は、その1の三角形や四角形ではなく“矢印の形”にしました。着眼点が対応する辺の長さのみ、もしくは、角度のみ、のどちらかだけで「同じ形」が分かってしまっては、探求心が持続しないし、先行学習児童による教えるだけの活動になってしまうからです。一人一人に習得しようという意欲と実感を伴った理解を促したい。そこで、矢印の△の根本の部分にも角度の差をつけ、着眼点を長さにも角度にも持たせられる教材にしました。
②方眼にのせる、色をつける、など補助の手だての吟味
児童の実態を捉え、考える土台にのせるために、省くべき点、加えるべき点を考える。
分度器の扱いが難しい子が多いので、測りやすいように矢印はオレンジに色づけし、分度器の目盛りを読みやすくします。方眼にのせ、長さを定規で測る手間と誤差の混乱を省く。カードといっても大きく、A4サイズにし、枚数も工夫しました。
全ては児童が考える時間と簡単すぎず、難しすぎない土台をつくるため。
本気で探究する授業のためには、児童の実態をよく見取った構成と教材の吟味が必要です。
松井 恵子(まつい けいこ)
兵庫県公立小学校勤務
兵庫県授業改善促進のためのDVD授業において算数科の授業を担当。平成27年度兵庫県優秀教職員表彰受賞。算数実践全国発表、視聴覚教材コンクール特選受賞等、情熱で実践を積み上げる、ママさん研究主任です。
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