2018.08.14
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信頼関係について考える(3)

 どうやったら子どもたちと教師の信頼関係がつくれるのか、子ども達同士の信頼関係がつくれるのかについて、具体的に話をしていきます。3回目の今回は、子どもたちと教師との信頼関係の築き方で、特に「共感」について考えていきます。

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん、こんにちは。

夏休み、どのように過ごされているでしょうか。ゆっくりと体を休めていらっしゃるでしょうか。

休むことも大切な仕事です。仕事のことは忘れて、心を開放させてゆっくりと休むことも大切です。

参加したセミナーで、こんな話を聞いたことがあります。
「夏休み、すばらしい先生はセミナーに登壇し、がんばる先生はセミナーを受講し、何も考えていない先生はただ単に旅行に行く」

この話を聞いた時、耳を疑いました。必ずしも、セミナーに登壇する=すばらしい先生ということでもありませんし、旅行に行くことが悪いように聞こえ、大変不快な気持ちになったことを覚えています。この話をされた先生の気持ちは分かりませんが、もっと話を聞く気持ちになれずに、退席したことを覚えています。

どうか、ゆっくり休みましょう。100%仕事を忘れる事は難しいかもしれませんが、休暇も与えられた当然の権利です。ゆっくり休むと、また新しい取組みが生まれてくることもあります。もちろん、私もゆっくり休みます。

さて本題に入りますが、今回のテーマは子どもたちと教師の信頼関係の築き方、「共感」について考えていきます。

私も40代になり、子どもたちとの信頼関係が築きにくいな…と感じることが多くなりました。20代、30代前半の頃は、子どもたちの方から寄って来てくれる感じでした。こちらが何もしなくても、来てくれる。理由はただ1つです。「若い」からです。やはり「若さ」は子どもたちにとって最大の魅力です。しかし、「若さ」も永遠に続くものではありません。40代になっても、子ども達に慕われる、信頼関係を築ける教師でいたいものです。

岡山県で初任者だった時、勤務校の四十代の女性の先生の授業を参観させていただきました。その先生は、子どもたちから大変慕われている先生で、常に子どもたちに囲まれていました。自然と、その先生のされていることを目で追い、分析したり、まねしたりするようになりました。初めて授業参観をさせていただいた時、衝撃が走りました。休み時間とはちがった雰囲気が教室には漂っていました。先生はいつも通りの笑顔なのですが、子どもたちは真剣そのもの。自分たちでどんどん授業を進めていて、先生はタイミングよくアドバイスなどをされていました。子どもたちとの関係もすごい、授業もすごい。「自分も40歳ぐらいなったら、このような先生になっていたい!!」と強く思ったことを今でも覚えています。

そして、今現在、今年で42歳になる自分がいます。今でも、その先生は次の2つのことが大切だとおっしゃっていました。

「共感」と「納得」を大切にする。


~「共感」について~

子どもたちへの「共感」。そして、指導をするにしても「納得」を大切にしなさいということでした。子どもたちは、些細なことでも担任にいろいろ伝えてきます。子どもたちは「心配」だし、担任の先生に知ってほしいのです。伝えてくる内容が、人間的にどうしても許されないことは別として、子どもたちが伝えてきたことに対して「なるほどね」「そうなんだね」「つらかったよね」という「共感」の気持ちを伝えることから、信頼関係が始まります。「共感」をせずに、すぐに「それはいけない!」「なんでそんなことをしたの!」など説教や指導をしてしまうと、子どもたちは心を閉ざしてしまいます。まずは、共感。

よく、「何でも話していいからね」と子どもたちに伝える先生がいます。私もそうです。私は「何でも話していいからね」と伝えた以上、子どもたちの想いを全て受け止める気持ちでいるし、そうできる自信もあります。指導やアドバイスは、ひとしきり「共感」した後にしています。しかし、見ていると、子どもたちが先生に勇気をもって話をしたのに、「今は忙しいから」「えっ!それはおかしいよ」「何をやっているんだ!」と無関心だったり、叱っていたりする先生が多いのも事実です。

とことん、子どもたちの気持ちに「共感」することが大切です。私は「共感」できる気持ちや技術を身につけることが、プロ教師としての第一歩だと思っています。そして、「共感」をしたうえで、子どもたちに指導やアドバイスをし、最後には「納得」しているかどうかを確認します。

かなりの文量になってしまったので、今回はここで終わります。

次回は、「納得」について、以後、「信頼関係」についてさらに詳しく述べていきます。

それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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