2018.06.20
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魔の6月〜その様子と解決方法③〜

今回は、魔の6月への対処法の3回目です。前回は心構えでした。今回は、具体的にどのような取組みをすればよいか、お伝えできればと思います。
よく言われるのが、「授業のルールの見直しや様々な日常活動の見直しをしよう!」というものです。確かに、大切なことですが、強引に進めると、逆にもっとひどくなります。

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん、こんにちは。
入梅の頃、梅雨の間の晴れ間を大切にしながら、様々な活動をする時期になりました。
体調など、お変わりありませんでしょうか。
今回は、魔の6月への対処法の3回目です。前回は心構えでした。今回は、具体的にどのような取組みをすればよいか、お伝えできればと思います。
よく言われるのが、「授業のルールの見直しや様々な日常活動の見直しをしよう!」というものです。確かに、大切なことですが、強引に進めると、逆にもっとひどくなります。

魔の6月。どのようなことに気を付け、どのように対応したらよいのかは、松井恵子先生の記事にもはっきりと書かれています。私も、前回、前々回とお伝えしてきました。それに加えて、私が伝えたいこと。それは、「気持ちを大切にする」ということです。

魔の6月に近づいてしまいそうな状況を目の当たりにすると、はっきり言って何とも言えない気分になります。焦り、自信消失、そして子供たちへの憤りもあるでしょう。「子供たちの気持ちが分からない」というのが本音だと思います。教師は、様々な対策を練り、実践しますが、なかなか上手く行きません。私もそのような状況を経験したことがあります。

焦って何かをしようとすると、逆に状況が悪くなった・・・ということをよく聞きます。冷たいことを言いますが、6月のこの時期、崩れてしまうと「本当によい状況にはなかなか戻りにくい」のです。学級の1年間の状況は、4月に決まります。4月中に、きちんとクラスをクラスとして機能させます。そして、6月に少し乱れ始めます。その乱れを4月のきちんとした状況に戻すことは可能です。しかし、きちんとした4月の状況がないのに、6月からきちんとしろ・・と言われても無理です。そのような場合、子供たちは「何が良い状況なのか分からない」のです。
教師は、状況を打破しようと様々な取組みをします。毎日取組みが増えます。子供たちは、「良いクラスの状況」が分からないので、今、何をしているのか分かりません。そして、パニックになります。思い出してみましょう。4月のきちんとした状況があったでしょうか、なかったでしょうか。あった場合は、子供たちに4月の様子を思い出させる手だてが必要です。なかった場合は、大幅な改善は見込まれません。今よりも良くすることは可能です。今の状況を子供たちに理解させ、どのように変えていったらよいのかを考えさせる手だてが必要です。

つまり、「子供たちの気持ちを大切に進める」のです。焦ってしまうと、たくさんの教育書に手を出し、良さそうなものは片っ端から実践するという傾向にあるようです。これも、気持ちは痛い程分かります。でも、なかなかうまくいかないことばかりでした。理由は、一つです。「子供たちの気持ちを無視している」からです。

子供たちとしっかりと話合い、今、何をする必要があるのか、そして、先生からは○○を提案する・・・ということを大切にしてほしいと思います。学級の主役は子供たちです。まずは、子供たちとの信頼関係の構築、もしくは再構築が優先です。信頼関係なくして、改善は行えません。
様々な取組みをする前に、子供たちの心を大切しているかを考え直してみましょう。

その流れで、次回は、「信頼関係」と「実践」の関係についてお話します。
それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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