2018.06.07
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「良い言葉」で信頼関係の強化を

前回、教員自身もストレスを軽減して一息つき、自分を認めて自己効力感を上げましょうという内容でした。
何かしら心に響くところがあり、お気持ちが少しでも軽くなっていたら良いと願っていますが、いかがでしょうか?
本日は、少しコンディションが良くなったところで、学生への対応を強化する内容です。
「良い言葉」での「声掛け」を行い、学生との信頼関係を強化していきましょう。

東京福祉大学 国際交流センター 特任講師 赤羽根 和恵

受け手が嬉しくなる「良い言葉」

今期使用している経営学の教科書に、「幸せ」という言葉が出てきました。その時の内容は、顧客満足度、従業員満足度の話でしたが、理解度の確認の後、両腕を大きく前に差し出して開き、「みなさんがわかってくれて嬉しいです。あぁ幸せ~!」と言葉にして、笑顔で両手を胸の前で組みました。

笑いながら真似をする学生たちの様子に、「良い言葉」を受け取ると自然と嬉しい気持ちになると改めて感じました。

留学生には、「わかりやすい言葉」を使うようにしているので、敬語よりも「良い言葉」重視ですが、「良い言葉」と聞いて、真っ先に浮かぶのは、「ありがとう。」ではないでしょうか。

「ありがとう。」を漢字で書くと「有難う」。「有る」ことが「難しい」状態、本来、神様を称える意味を持ち、人間に生まれることが滅多にないという意味も含み、仏教に由来しています。かけがえのない自分と他人の幸せを願う感謝の気持ちを表すからこそ、言っても言われても嬉しい言葉です。

他にも「いい返事ありがとう。」、「みなさんが一生懸命勉強してくれるから頑張る!」など、何かしらの「声掛け」をしています。感謝を伝えていると、授業での発言も増えていきます。

「あいさつ」・「声掛け」をする 

「あいさつ」の大切さは、学びの場では必須、すでに取り組まれていることと思います。大学の就職支援でも再度教えますし、社会人としての新入社員研修でも必ず行っています。

6月、留学生たちも学校にも慣れてきますが、再確認の時期と考えて、授業の始まりと終わりはもちろん、通学路、学内の至る場所でも「あいさつ」と「声掛け」を徹底しています。

「良い言葉」を言うためには、自然と学生の様子を見るようになります。返事はもちろん、表情や態度などノンバーバル(非言語)な状態にも目が向き、それが「声掛け」に生きてきます。

多くの留学生は、日本語を学び始めてからまだ2年程度なので、日常の生活に慣れてきましたが、まだ不自由なことも多いと思います。

留学生のアルバイトにはいくつかのルールがあるので、効率よく稼ぐには、日本人の嫌がる仕事や深夜の時間帯、厳しい労働などを担うことになります。学費と生活費のねん出など経済的な問題、進路についての不安、睡眠不足による疲労やストレスが多く見られます。

そこで、「声掛け」は、会話のきっかけにもなります。気持ちが軽くなる、承認欲求が満たされるなどから、学校に来るモチベーションが高まることも期待できます。

終わりに

現在、国際交流センターに籍を置いていますが、これまでは留学生のいない大学、社会人教育と大半を日本人の中で過ごしてきました。

対象となる属性が変わっても教育や関わり方のスタンスは変わりません。しいて留学生対応の工夫を述べるなら、1.話す速度を遅くする、2.わかりやすい言葉を使う、3.大事なことを繰り返して言う、4.口頭だけではなく紙に書いて渡す、5.話の後で確認としてLINEなどに文字や画像を送るといった「伝える」工夫をしています。

大学では、ホームルームの時間がないので、クラスの学生に会うのは授業の時間のみです。休み時間に教室に行く、個人面談として昼休みや放課後に呼ぶなど時間を設けますが、いかに効果的に学生に伝えるかが課題となります。

そのためにも日常のわずかな時間のコミュニケーションを大切にして、信頼関係の継続が重要となっています。

仕事の取り組みは、業務の忙しさや体調などに左右されない一定の品質の担保が必須です。

学生が戸惑ったり、信頼を失わないようにするためにも、ぜひ教職員同士、家族、友人との「良い言葉」「声掛け」によって、互いを労い、多忙によるストレスの軽減を図っていってはいかがでしょうか。

赤羽根 和恵(あかばね かずえ)

東京福祉大学 国際交流センター 特任講師
経営学・経済学が専門ですが、留学生クラスの担任も兼務しています。これまでの企業経験、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーとしての視点も生かせるよう心掛けています。

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