若者よ、「授業力」を考えよ
授業力をつけたい、とか、授業力をつけるための研修とか、教師が授業力を伸ばそうという気持ちは当たり前です。
若い先生方、あなたは、誰かの授業を見るとき、どこをみていますか?何を感じていますか?
自分が研究授業をするとき、何を一番意識しますか?
まさか、授業の流れ?
本校の研究のまとめに書いた一節を紹介します。そこから、授業力の中身を考えてほしいです。
兵庫県公立小学校勤務 松井 恵子
「授業で育てる→教師の力量を高める」
「力量とは、技術部分だけを指していない」
想いとは、授業をうまく進める思いではなく、子ども一人一人を育てる想い。
子どもを育てる想いとは、
6年生に、最高学年の背中を見せて下級生をリードせよと言いますが、
ゆえに思うのです、「生きた授業」は「魂の授業」だと。教師の子どもに対する願いのつまった授業は、魂そのものです。
なんとなく流れているきれいな授業でなくてもいい。じたばたして、泥臭くて、うまくいかないことに反省がいっぱいあっても、魂のこめられた授業をしたいと私は思う。なぜなら、きれいな授業より、泥臭くても魂の込められた授業の方が、子どもの成長の種になるから。子どもは感じています。さあ、今日も、明日の子どものために、魂を磨きましょう。
明日は、どんな授業にしようかな。今、子どもに注ぐべき思いの種を、どんな風に授業に込めようかな。子どもの笑顔を思うと自分自身も笑顔になる。子どもの反抗も、暗い顔が想像されても、自分自身は笑顔でいよう。
10年、本校にいますので、兄弟関係を受け持つことも多々あります。先日頂いた手紙に号泣しました。5年前、お姉ちゃんを5年生で受け持ちました。高校生になったそのお姉ちゃんが、私の今の学級通信を読みたいと言い、読んで言ってくれた言葉をお母さんが手紙にして私に届けてくれたんです。通信を読んだ後、お姉ちゃんはこう言ってくれたそうです。
「色々都合に合わせていうことを変える大人はいるけど、松井先生は違う。良かった。」
そしてお母さんはこう続けてくれました。
「彼女の心に先生の撒いて下さった種が芽生えている瞬間を感じました。5年経った今でも、先生の教えて下さったことが上の子に残っていました。」
号泣してしまいました。
教育は、いつ芽を出すかわかりません。忘れ去られても、何かの生きる勇気に変わっていることこそ、幸せです。
本当に奢らずに、日々を過ごしていこうと改めて思うのです。
卒業式まであとわずか。かわいいかわいい教え子達。どうか、幸せな人生を。
そのために、私の渾身の力、全身全霊を込めて、今日も、子どもの前に、立ちます。

松井 恵子(まつい けいこ)
兵庫県公立小学校勤務
兵庫県授業改善促進のためのDVD授業において算数科の授業を担当。平成27年度兵庫県優秀教職員表彰受賞。算数実践全国発表、視聴覚教材コンクール特選受賞等、情熱で実践を積み上げる、ママさん研究主任です。
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