所見の書き方
学校や学年によっては、総合所見の他に、英語、総合的な学習の時間と複数の所見を書かなければなりません。中でも総合所見をどのように書いているのか、私の方法を紹介します。
兵庫県公立小学校勤務 松井 恵子
励みになるように
総合所見は、記録ではなく、子どもの励みになるように、こちらの思いが溢れるものでありたいと思います。事実を列挙するだけではなく、その事実からその子の様子と素敵な一面、成長を保護者に伝えるものにすべきです。例えば、奉仕精神の溢れる子なら、
①誰かがやらなければならない事を行うことができました。
と、事実だけを述べるのはなく、
②誰かがやらなければならない事を率先して行い、感心しました。
と、こちらの思いも述べる。
総合所見は、教師の思いを伝えるもの、一方で、英語や総合的な学習の記録は、所見というより活動内容の記録である側面が強いので、学習内容について、それぞれの観点から記録を報告するようにしています。
日頃の見取りから
日頃の児童の記録をもとに、所見を書きますが、学習面と生活面の両方を必ず盛り込むようにしています。
学習は、ある教科のある単元で、このようにがんばっていたという書き方です。
『国語科の物語文「海のいのち」では、・・・』などで書き出し、『・・・さらに、積極的に発表したので、全体の学習が深まりました。』などとくくります。
生活面は、級友との給食時や休み時間の過ごし方、そうじなどの様子を書きます。
『配り物など誰かがやらなければならないことにいち早く気付き、率先して行い、頭が下がる思いです。』など
短い文章で、伝えますので、出来るだけ表現に重複がないように心がけます。
文末表記を広げる
内容が精選されれば、あとは、いかに教師の思いを、限られた文章表現の中で伝えるかにかかってきます。
「感心しました」「頭が下がる思いです」「立派でした」「賞賛に値します」「うれしく思います」
色々な表現がありますが、教師の思いができるだけ届くような表現を考えたいものです。
努力が必要なことについては・・・
努力が必要な事については、できるだけ事前に保護者と話すようにしています。個別懇談や教育相談などで、努力が必要な面を共有します。所見には、子どもの成長を残したいからです。ただ、どうしても必要な場合は、成長できたことと共に、もっとがんばればもっと成長できることとして、努力を要することを伝えます。

松井 恵子(まつい けいこ)
兵庫県公立小学校勤務
兵庫県授業改善促進のためのDVD授業において算数科の授業を担当。平成27年度兵庫県優秀教職員表彰受賞。算数実践全国発表、視聴覚教材コンクール特選受賞等、情熱で実践を積み上げる、ママさん研究主任です。
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