2017.11.08
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道徳性発達の大切さ

コールバーグの道徳性発達段階理論などありますが、しっかりとした道徳性を発達させるためには、年代をおって、しっかりとした教育が必要であると感じます。

兵庫県公立小学校勤務 松井 恵子

育つべき時期に育てる

社会生活を営む上で、道徳性は必ず必要です。幼稚園・保育園での初めての社会生活で、友達とけんかをしたり仲良くなったりして、人との繋がりを学ぶことがスタートします。

小学校低学年で、その人との繋がり方は、親を介さずに、自分で繋がっていく方法を学んでいきます。正しいことや間違っていることも含めて、学んでいくのです。

この段階は、「先生に怒られるからやめる」でいいでしょう。一方、道徳の教材で、社会でみんなが気持ちよく過ごすために、あるべき姿を学んでいきます。

小学校中学年になると、もっと親の手を離れ、子ども同士の繋がりが広がっていく時期です。ギャングエイジとも言いますが、放課後や休み時間などで、大勢でのトラブルがでてくるのがこの時期です。親は自分の知らないお友達の名前が出てきて心配になりますが、それは、順調な成長の証拠。見守りつつ、子ども同士で解決できないような時は、親の手助けも必要。ですが、そこで自分の子どもの言うことばかりを聞いて、感情的になっては、子どもの成長につながりません。このあたりのさじ加減が大切でしょう。

この時期、まだまだ教師や大人の威圧的な指導でも子どもは落ち着きます。ですが、それが本当に子どもの道徳性、人格を育てていることにはなりません。

この時期に正しく叱られておくこと、道徳教育を積み上げておくことが大切です。

正しく叱られる、正しく叱る

トラブルが起こったとき、間違った行動をしたとき、その事柄の上澄みだけを指導していては、子どもの気持ちに届きません。

その子の気持ちを聞き取り、指導すべきところを指導し、次にどうしたらよいのかを指し示す。そして、教師からよくなってほしいと願っていることを伝える。

これがないと、いつまで経っても、賞罰の価値段階で、道徳性を育てる段階にならないと思います。

たっぷり愛情を受けて叱られた子どもは、正しい叱られ方をします。自分のこととして、道徳教育も受け止め、すぐには繋がらないとしても道徳的実践力に少しずつ繋がっていきます。

正しく叱られなかった、つまり、いつも力でやりこめられていた子どもは、その後、正しく叱ってくれる大人と出会っても、なかなか受け止めることができない場合も多いです。

「教師の言うことは、その場で流れていく」という状態になりかねないのです。なぜならその場の威圧をすり抜けることだけを経験してきたので、その場しのぎが習慣化されているからです。

小学校高学年では、賞罰の判断段階から自律的に判断する段階へ橋渡しの時期です。ところが、ずっと罰と服従の段階で指導されてきた子どもは、なかなか、自分のこととして道徳教育を受け止められず、実践力に結びつきにくいこともしばしばあります。

だからこそ、正しく叱ることが私たち教師の責務です。

教育は愛です。正しく叱ること、認めることを小学校低学年から豊かに積み上げて、自律に向けた教育を目指すには、それぞれの担任の1年、1年の関わりが、たいへん重要です。

それは、教師の経験年数に関係はありません。

学ぶべき時に学んでおかないといけない.

心して、教育に向き合いましょう。

松井 恵子(まつい けいこ)

兵庫県公立小学校勤務


兵庫県授業改善促進のためのDVD授業において算数科の授業を担当。平成27年度兵庫県優秀教職員表彰受賞。算数実践全国発表、視聴覚教材コンクール特選受賞等、情熱で実践を積み上げる、ママさん研究主任です。

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