1番だ~れだ?
「心のない学力は学力ではない。」についてお話をしています。前回は、「45分に1回は仲間を意識した活動を」を中心に述べさせていただきました。今回は、実際に授業で取組むとすれば、どうすればよいのか、について話をしていきます。
大阪府公立小学校教諭 松森 靖行
みなさん、こんにちは。
「心のない学力は学力ではない。」についてお話をしています。前回は、「45分に1回は仲間を意識した活動を」を中心に述べさせていただきました。今回は、実際に授業で取組むとすれば、どうすればよいのか、について話をしていきます。
「仲間を意識した活動」、こう聞くと真っ先に思い浮かぶのが、「対話」だと思います。今、教師がすごく気になる話題だと思います。(笑)
しかし、「対話」=「仲間を意識する」ことではありません。もちろん、「対話」の要素の中に「仲間を意識して」というものもあります。しかし、「対話」には「個人内対話」もあります。「対話」では、仲間と話合いながら考えることもありますが、課題に対して「一人でじっくりと考えを巡らせる」ことも「対話」なのです。
今回紹介する「仲間を意識した活動」は、授業の中核をなす活動ではありません。授業に取り入れなくても支障がない活動です。しかし、意識して何度も取組むことで、次第に「仲間を意識する」ことができるようになり、「心も育つ」ようになります。子どもたちの「心」は、やはり大人が意識しないと育ちません。「心は勝手に育つ」という考えもあるでしょうが、今の子どもたちの生活環境を考えると(ここでは、具体的には述べませんが)、子どもたちのもっている「心の中になる価値」を、きちんと「大人が」「タイミングよく」「価値付ける」ことが必要になります。まず、子どもたちがお互いを意識する機会を増やしましょう。そのことが、「仲間を意識する」第一歩となります。
仲間を意識したミニネタ「一番だ〜れだ?」
教師の授業中の指名の仕方にはたくさんの方法があります。挙手指名だったり、教師の意図的指名であったりします。どの方法にも良さがあります。挙手指名には、「児童の自主性を伸ばす」という良さが。意図的指名には、「授業にほどよい緊張感を生む。」という良さがあります。
今回紹介する「一番だ〜れだ?」は、意図的指名の「緊張感」と挙手指名の「自主性」(とまではいきませんが・・・)の両方の良さを生かしたミニネタです。
使用する時期:授業ならいつでも。
用意するもの:特になし。
流れは以下の通りです。
T(教師)「それでは、江戸幕府が長く続いた理由について、自分の考えをノー
トに書いていきましょう。」
C(子ども) ノートに考えを書く。
最初はどの子も一生懸命に書くだろう。途中でやめてしまったり、「これでいいや」と自分で終わりを決めたりしている子も出てくる。そんな様子が見られたら・・・。
T「あと、3分で終わります。先生が班を指名するので、指名された班のみん
なは書いたことを発表しましょう。」
そうすると、子どもたちの書く活動が再び活気づく。緊張感も生まれる。
T「時間がきました。えんぴつを置きましょう。それでは・・・・・・・3班
に答えてもらいます。考えがまとまっていなくても、途中でも大丈夫です。
『まだ考えているので時間を下さい』と先生に教えてくださいね。」(このよ
うな言葉掛けは、緊張感と同時に安心感、教師への信頼も生みます。)
3班の子どもたちが起立をする。少々緊張感もある。誰から言おうか相談を始めそうになる、その時期をねらって・・・。
★T「それでは、誕生日が4月から数えて早い人から発表してください。」
C「えっ!?」と言いながら、相談を始める。子どもたちも自然と笑顔になる。
ここで、子ども立ち同士の交流と、明るい雰囲気が生まれる。
C「えっと、僕が4月19日だから1番かな・・・」
C「私は3月だから、多分最後!」
C「じゃあ順番は・・・。」
という流れになります。
★ の部分をしっかりと工夫していきましょう。
「家が学校に近い順」「朝起きるのが早かった順」「宿題を出すタイミング早かった順」「名字の頭文字、あいうえお順」などがあります。
このネタを繰り返すことで、いつの間にか、仲間を意識した学級なること間違いなしです。
次回は、ミニネタを紹介していきますね。
それでは。
松森 靖行(まつもり やすゆき)
大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。
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