9月にやってきた交換留学生たちも
そろそろ1ヶ月がたち、日本の生活や
大学の授業にも慣れてきました。
Obergという研究者は、人が外国に行き、そこでの生活に
適応するには4つの過程があると言っています。
(必ずしも全員が経験するというわけではありません)
1 ハネムーン期ー何を見ても新鮮!うわあ、すごい!!
2 ショック期 ーそろそろこの国のいやなところも見えてきた、こんな国いやだ!
3 回復期 ーやっぱりこの国にもいい人もいるなあ、いいところもあるなあ。
4 安定期 ーこの国にいるときの私を楽しめるぞ。両方の国のいいところをうまくつかみとっていこう。
の4つです。
この段階を行ったり来たりする人が多いですが
9月にやってきた学生たちは、まさにハネムーン期の真っ最中!
何を見てもおもしろくて、不思議で、楽しくて。
今週の作文で「日本に来てから発見したこと」について
書いてもらいました。
私達日本に住んでいる者には、あたりまえで疑問も持たないような
ことにびっくりしているんですね。
〜街〜
・道がきれいすぎる。
・公衆便所にトイレットペーパーがある。
(誰もとっていかないの?)
・駅前に自転車が並んでる。
(誰もとっていかないの?)
・街がとても静か。
・街に匂いがない。
(食べ物の匂いがあまりしないそうです)
・ゴミ箱が少ない。
(日本人の友だちと出かけたら、「彼女は自分の飲み終わったペット
ボトルをカバンにいれて持って帰った!これは日本の教育なの?」と
中国人が本当に驚いていました)
・トイレがきれい!
(「関空に着いてすぐトイレに行ったら、そのきれいさに驚いた」という
意見をよく聞きます。確かに関空のトイレはとてもきれいですが
百貨店の女性用トイレは「脱帽!」だそうです。
お湯が出る、大きな鏡、化粧を直すための場所もあり、着替えられる
場所もある、いすもあるし、アロマがあっていい匂い♪
「あそこに住めそうです」と絶賛している学生も多数!)
→ 私も日本のトイレは世界一きれいなのでは?と思います。
ある台湾の女子学生はとても潔癖症なのですが、トレイが清潔という
一点で日本での就職を決めました。
生きていくのに、衛生面でのストレスが少ない国という印象を
持っているようです。
〜電車、駅〜
・電車が(噂には聞いていたが)本当に時間通りに来る。
(インドの学生が、「インドの電車は来ないこともある」と言って
いましたが、本当かな?1日遅れは普通らしいです。)
・ホームのアナウンスがうるさい
・電車の中で人が静かすぎる
(台湾の学生が、「台湾ではみんな車内では携帯で話しているけど、
日本に来たら恥ずかしくてできなくなった」と言っていました。)
・改札口を通るとき、駅員さんが「おはようございます」と叫んでいる。
(「なんのため?」とアメリカの学生に聞かれました。)
・人身事故が多すぎる(特に大阪のJR)
・遅延のとき、遅延証明が出る
・人身事故で電車が止まって動かないのに、誰も文句を行ったり、騒いだり
駅員さんに怒ったりしない
→ 最後の遅延でも誰も文句を言わないのはなぜか?という学生の
質問ですが、どう答えたらいいでしょう。
みなさんなら、どう答えますか?
国民性? 慣れ? あきらめ? そのうち動くという見通しがある?
〜大学〜
・手作りのお弁当がとてもきれい!
(作っているのはお母さんだと思うけど〜)
・女子学生が化粧をしている。
(台湾では、黒髪+リュック+スニーカー+化粧なしが定番だそうで)
・男子学生がおしゃれ
(「何をしに大学に来ているのか」という鋭い質問もあり)
→ 日本の大学生がおしゃれ、というのはどこの学生も声をそろえて
びっくりしています。女子学生がハイヒールを履いて大学に来るのは
日本ぐらいなのでしょうか?
・応援団がおもしろい(学生服がユニークに見えるそうです)
・恐ろしく遠方から来ている人がいる
(和歌山から大阪に通っている学生が
「1限のときは5時半に家を出ます」というのを聞いて
欧米の学生が絶句していました・・・・・・)
などなど
自分の国と違うところがいっぱいです。
もう数カ月立つと、生活のなかで、日本人との交流のなかで
不思議なことや理解できないことに気づき始めるでしょう。
見てわかるものじゃなく、もっと生活や心に根付いているもの。
そんなときにどうやって、それを理解し、受け止めていくかが
まさしく異文化体験の醍醐味です。
社会では「グローバルな視点をもつ」ことが重要だと言われていますが
グローバル=英語力ではない、ですね。
自分と異なる人々の価値観に触れ、違いを認識し、尊重して
受け止められる人になる、それが真のグローバルではないでしょうか。
留学生たちは日々そのような体験をしています。
同じように、周りの日本人たちも。
そんな彼らの変容を間近で見られることに日々幸せを感じます。
明日はどんな発見があるでしょうか。
そろそろ1ヶ月がたち、日本の生活や
大学の授業にも慣れてきました。
Obergという研究者は、人が外国に行き、そこでの生活に
適応するには4つの過程があると言っています。
(必ずしも全員が経験するというわけではありません)
1 ハネムーン期ー何を見ても新鮮!うわあ、すごい!!
2 ショック期 ーそろそろこの国のいやなところも見えてきた、こんな国いやだ!
3 回復期 ーやっぱりこの国にもいい人もいるなあ、いいところもあるなあ。
4 安定期 ーこの国にいるときの私を楽しめるぞ。両方の国のいいところをうまくつかみとっていこう。
の4つです。
この段階を行ったり来たりする人が多いですが
9月にやってきた学生たちは、まさにハネムーン期の真っ最中!
何を見てもおもしろくて、不思議で、楽しくて。
今週の作文で「日本に来てから発見したこと」について
書いてもらいました。
私達日本に住んでいる者には、あたりまえで疑問も持たないような
ことにびっくりしているんですね。
〜街〜
・道がきれいすぎる。
・公衆便所にトイレットペーパーがある。
(誰もとっていかないの?)
・駅前に自転車が並んでる。
(誰もとっていかないの?)
・街がとても静か。
・街に匂いがない。
(食べ物の匂いがあまりしないそうです)
・ゴミ箱が少ない。
(日本人の友だちと出かけたら、「彼女は自分の飲み終わったペット
ボトルをカバンにいれて持って帰った!これは日本の教育なの?」と
中国人が本当に驚いていました)
・トイレがきれい!
(「関空に着いてすぐトイレに行ったら、そのきれいさに驚いた」という
意見をよく聞きます。確かに関空のトイレはとてもきれいですが
百貨店の女性用トイレは「脱帽!」だそうです。
お湯が出る、大きな鏡、化粧を直すための場所もあり、着替えられる
場所もある、いすもあるし、アロマがあっていい匂い♪
「あそこに住めそうです」と絶賛している学生も多数!)
→ 私も日本のトイレは世界一きれいなのでは?と思います。
ある台湾の女子学生はとても潔癖症なのですが、トレイが清潔という
一点で日本での就職を決めました。
生きていくのに、衛生面でのストレスが少ない国という印象を
持っているようです。
〜電車、駅〜
・電車が(噂には聞いていたが)本当に時間通りに来る。
(インドの学生が、「インドの電車は来ないこともある」と言って
いましたが、本当かな?1日遅れは普通らしいです。)
・ホームのアナウンスがうるさい
・電車の中で人が静かすぎる
(台湾の学生が、「台湾ではみんな車内では携帯で話しているけど、
日本に来たら恥ずかしくてできなくなった」と言っていました。)
・改札口を通るとき、駅員さんが「おはようございます」と叫んでいる。
(「なんのため?」とアメリカの学生に聞かれました。)
・人身事故が多すぎる(特に大阪のJR)
・遅延のとき、遅延証明が出る
・人身事故で電車が止まって動かないのに、誰も文句を行ったり、騒いだり
駅員さんに怒ったりしない
→ 最後の遅延でも誰も文句を言わないのはなぜか?という学生の
質問ですが、どう答えたらいいでしょう。
みなさんなら、どう答えますか?
国民性? 慣れ? あきらめ? そのうち動くという見通しがある?
〜大学〜
・手作りのお弁当がとてもきれい!
(作っているのはお母さんだと思うけど〜)
・女子学生が化粧をしている。
(台湾では、黒髪+リュック+スニーカー+化粧なしが定番だそうで)
・男子学生がおしゃれ
(「何をしに大学に来ているのか」という鋭い質問もあり)
→ 日本の大学生がおしゃれ、というのはどこの学生も声をそろえて
びっくりしています。女子学生がハイヒールを履いて大学に来るのは
日本ぐらいなのでしょうか?
・応援団がおもしろい(学生服がユニークに見えるそうです)
・恐ろしく遠方から来ている人がいる
(和歌山から大阪に通っている学生が
「1限のときは5時半に家を出ます」というのを聞いて
欧米の学生が絶句していました・・・・・・)
などなど
自分の国と違うところがいっぱいです。
もう数カ月立つと、生活のなかで、日本人との交流のなかで
不思議なことや理解できないことに気づき始めるでしょう。
見てわかるものじゃなく、もっと生活や心に根付いているもの。
そんなときにどうやって、それを理解し、受け止めていくかが
まさしく異文化体験の醍醐味です。
社会では「グローバルな視点をもつ」ことが重要だと言われていますが
グローバル=英語力ではない、ですね。
自分と異なる人々の価値観に触れ、違いを認識し、尊重して
受け止められる人になる、それが真のグローバルではないでしょうか。
留学生たちは日々そのような体験をしています。
同じように、周りの日本人たちも。
そんな彼らの変容を間近で見られることに日々幸せを感じます。
明日はどんな発見があるでしょうか。

高橋 朋子(たかはし ともこ)
近畿大学 語学教育センター 准教授
留学生への日本語教育、地域の日本語教室の支援、外国にルーツを持つ子ども達の母語教育支援活動をしながら、多文化・多言語社会について考えています。
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